mixiユーザー(id:3570727)
2015年06月26日23:02
352 view
ﾟДﾟ) < 残骸 (Kaadhal Kondein)
1年以内に映画館に行った人は全体の35.9％…減少傾向の中でも最も低い数字に
http://
なぜそこで、洋画対邦画、実写対それ以外の話になるのでしょう。
日本における「映画」なるものの楽しみ方の幅が狭いんじゃないかね…って話は、インド映画にハマってから何度となく色んな人の前で長々と語って来てはや……６年くらい？(皆様、いつもご迷惑をおかけしましてゴメンちゃい)
たしかに、入場料だけで結構なお金とられるので学生の頃はなかなか行けなかった。時々「これは自分へのご褒美、これは自分へのご褒美」と唱えながら見に行ったもんです。
なのにここ何年か、まー気楽に映画館に行っちゃうこと行っちゃう事。
映画ファンを名乗る人が「なんで映画館で見る事をそんなに重視するの？」とかドヤ顔で聞いて来る事もありますけど、そんなもん行けば分かるよ！ …って言いたいけど、日本で一般公開されてるくらいの幅でしか映画を体験してないなら、わからないかもなあ…とこれまたドヤ顔で言っちゃいそうになるので、ケンカはトマラナイ。コマッタモンジャ。
少なくとも、インド映画を見始めてから「ああ、映画ってもっともっと可能性の広い娯楽媒体なんだな」とも思えるようになったし「映画の楽しみ方って、１本の映画の中でも数限りなくあるんだな」って信じられるようになったもんです。ハリウッドや邦画なんて、自らその表現媒体の幅を狭めてるようにしか見えないもんねえ…。
これはもう、色々映画を見て、楽しんで、一過性ブームやオンビジネス以外の世界にも触れて、自分で探りに行かないといけないディープで危険な世界かもしれないけどネ…。コマッタモンジャ。
でも、映画終了後に自然と拍手喝采が湧いたり、映画館を出た後に見ず知らずの人とも「面白かったですねえ」って話が出来るような映画が見たいよね、ってお客側の要望は声を大にして言っておかないと、配給側も娯楽のなんたるかを理解しないんじゃないかなあ…とおもえるのでする。まる。
とりあえず、去年のIFFJの映画館側への評判は良かったらしいので、是非とも「映画の枠を広げる」意味でも、毎年続いて行ってほしいと切に願いまする(`･ω･´)ゞ
残骸 (Kaadhal Kondein) 2003年 165分
主演 ダヌシュ ＆ ソニア・アガルワル
監督/脚本 セルヴァラガーヴァン
"彼と触れ合っていると安心するのよ"
"じゃあ、僕と触れ合っていても安心するね？"
"なに言ってるの!? 貴方は親友。彼は恋人よ。貴方とは、キスしたってなにも感じないでしょ"
インド映画同好会主催の上映会にて鑑賞してきました！
その節は皆様ありがとうございまっす！
https:/
その日、教会の孤児院育ちのヴィノードに、マドラス大学から合格通知が届く。
孤児院を出ることを嫌がるヴィノードに対し育ての親の神父ロザリオは、無理にでも外の世界へ出て行き、工学の学位を取ってエンジニアになる事を勧め、彼をチェンナイへと送り出すのだった…。
大学でのヴィノードは、誰とも話さず接触せず、常に寝てるか緊張してるかの浮いた存在。
学生や教授から「特別枠で入って来た貧困層のくせに」と罵られる彼はしかし、数学には天才的な能力を発揮する。これに驚いたクラスメイトのディヴィヤーは、徐々に彼と仲良くなっていき、勉強を教えてもらいがてら彼の身の上を感じとって、彼を一般学生に馴染めるよう教育していく。ついに彼は、ディヴィヤーの協力のもと大学の研究発表会の学生代表の栄誉を手にするまでに！
だがその夜、ディヴィヤーがヴィノードを嫌う学生チヌに襲われ、彼女を救おうとしたヴィノードは人知れずチヌを殺してしまう！ その間、ディヴィヤーを介抱したのは前々から彼女を狙っていた色男アーディで、２人はこれをきっかけにヴィノードを介して恋人同士になっていくが、同じく彼女を愛するヴィノードは、これを許せないまま、彼女に本心を打ち明ける機会を逸してしまう…。
しかし、ディヴィヤーの父親が恋人たちの関係を良しとせず別れさせようとした事を知ると、ヴィノードは相談に来たアーディに提案する…「僕がディヴィヤーを説得するから、２人で遠い所へ駆け落ちするんだ。君は駅で待っていてくれればいい。僕が彼女を連れ出すから」
…しかし、アーディがいくら駅で待っていても、２人はこれ以降消息不明になる…。
挿入歌 Devathaiyai Kandaen
https:/
＊あからさまなCG合成映像なのに、なんでしょうこの不思議空間演出は!!
挿入歌 Kadhal Mattum Purivathillai
https:/
＊大学一のスケコマシ アーディが初めて本気で愛に落ちたのは、彼に手を上げた唯一の女性ディヴィヤー。そんな彼の見るディヴィヤーへの夢想と、その間に距離を縮めるディヴィヤーとヴィノードの図。
タミルスターのダヌシュの２本目の出演作にして、弟セルヴァラガーヴァンの初監督作(この前年には、兄弟の父カストゥリ・ラージャの監督作「Thulluvadho Ilamai(若さあふれて)」でダヌシュが俳優＆主演デビューを飾り、セルヴァラガーヴァンも脚本家デビューしている)にして大ヒット タミル語(南インド タミル・ナードゥ州の公用語)映画。
本作は、04年にバングラデシュ映画リメイク作「Onno Manush」、テルグ語(南インド アーンドラ・プラデーシュ州とテランガーナー州の公用語)映画リメイク作「Nenu」、09年にはカンナダ語(南インド カルナータカ州の公用語)映画リメイク作「Ravana」、10年にはベンガル語(北東インド西ベンガル州とトリプラ州の公用語)映画リメイク作「Amanush」がそれぞれ作られている。
日本では、2019年にインド大映画祭で上映予定。
お話は、前半は大学を舞台にしたドタバタロマンスながら、中盤から主人公ヴィノードの中にある狂気が徐々に姿を現し、後半は人気のない山間部を舞台にヴィノードの狂気の最終段階と、そうなっていく原因である彼の幼少期のトラウマが描かれていく。その物語の変幻自在さ、段々と変質し肥大化していく"狂気の愛"の様を映像化していく演出力・作劇力はハンパないですわ。
ヒロインのディヴィヤーを務めたソニア・アガルワルは、1982年連邦直轄領チャンディーガル生まれの女優。
学生時代からTVドラマで女優業を始めて、02年のテルグ語映画「Nee Premakai」の端役で映画デビュー。同年にはカンナダ語映画「Chandu(チャンドゥ)」で主演デビューを果たす。その翌年公開の本作の大ヒットで一躍スター女優に躍り出て、以降タミル語映画界を中心に活躍。
06年に、本作の監督セルヴァラガーヴァンと結婚して女優業から離れたものの、10年の離婚を契機に女優復帰。タミル語映画の他、12年には「Gruhanathan」でマラヤーラム語(南インド ケーララ州の公用語)映画デビューもしている。
前半こそ、よくある学園ラブコメの体裁を保っているものの、映画開始時の賛美歌シーン、ダヌシュ演じるヴィノードの孤児院への執着や初登校シーンでの一種異様な緊張感が、後半のサイコホラーへの伏線として効果的に配置され、そんなヴィノードやチャラいアーディのディヴィヤーへの恋心も、後半には全く別の意味を持ち始める脚本の妙は、脚本家としてキャリアをスタートさせていたセルヴァラガーヴァンの野心が見えるよう。
教育現場における貧富の差、その格差が生み出す偏見や差別、想像を絶する児童虐待、宗教的愛と世俗的愛の対立(キリスト教的思想の潔癖性が持つ両義性？)と言った様々な要素を全部描き切りながら、娯楽映画として求められる要素もちゃんと入れ込んでくる演出力ったら相当なもんですよ。
たしかに、フィルムの質を始め予算的には厳しい状況で作られてんだろうなあって匂いもプンプンするのに、なんでしょうこの圧倒されるインパクト。映画デビュー間もないはずのダヌシュ＆セルヴァラガーヴァン、なんて恐ろしい子！(by 月影先生)
都会人の欲望の渦を潔癖性的に嫌い、本能的愛欲を否定し続けるが故にディヴィヤーを振り向かせられないヴィノード。立ち位置的には「フランケンシュタイン」の怪物か「白痴」のムイシュキンに近い存在になるかもしれないのに、物語は彼の純粋性そのものが、過去のトラウマと虐待、その後の教会の孤児院での生活、大学での欲にまみれた世俗的欲望のギャップと相乗効果によって引き起こされた非人間的な狂気でもある事を描き出し、その狂気故に彼は本当の愛を手に入れる事が出来ない。
映画前半、ディヴィヤーや育ての親の神父の愛情あふれる導きで人生の展望を開くヴィノードは、ディヴィヤーへの愛に目覚めた事によって自滅の道を突き進んでいく。果たして、彼を狂わせたのはトラウマ故か、そうした愛を知らない少年時代のために成長できない幼児性のためか、人生で初めて知った愛故なのか。彼の愛が純粋であればあるほど、彼の狂気はその周囲の人々を滅ぼしていくアンビバレンツ。
彼のトラウマとなる壮絶な児童虐待と児童労働問題も、相当ヘビーな描写が続くものの、その彼の狂気が最終段階に入る映画終盤なんか、神出鬼没な彼が夜の森で踊ってるだけで鳥肌もんですわ(見てる時に、まんが日本昔ばなしのトラウマ級恐怖話「加茂湖の主」って話を思い出してしまいまして)。なにがどうなったら、学園ラブコメがサイコホラーな恐怖映像につながるなんて想像できるのでしょうか!!
なにはなくとも、狂わないためには恋に落ちたら素直に「I Love You」って言わないと、後でとんでもない事になるってことですネ！
挿入歌 Manasu Rendum
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挿入歌 Thottu Thottu
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挿入歌 Kaadhal Kondein(Theme Music)
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受賞歴
2004 Filmfare Awards South 女優デビュー賞(ソニア)
2004 ITFA(International Tamil Film Awards) 新人女優賞(ソニア)
2004 Variety Cinema Directory Best Debut Awards
・Kaadhal Kondeinを一言で斬る！
「とにもかくにも、タミル人はいちいち『チッ』って言い過ぎw」
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なぜそこで、洋画対邦画、実写対それ以外の話になるのでしょう。
日本における「映画」なるものの楽しみ方の幅が狭いんじゃないかね…って話は、インド映画にハマってから何度となく色んな人の前で長々と語って来てはや……６年くらい？(皆様、いつもご迷惑をおかけしましてゴメンちゃい)
たしかに、入場料だけで結構なお金とられるので学生の頃はなかなか行けなかった。時々「これは自分へのご褒美、これは自分へのご褒美」と唱えながら見に行ったもんです。
なのにここ何年か、まー気楽に映画館に行っちゃうこと行っちゃう事。
映画ファンを名乗る人が「なんで映画館で見る事をそんなに重視するの？」とかドヤ顔で聞いて来る事もありますけど、そんなもん行けば分かるよ！ …って言いたいけど、日本で一般公開されてるくらいの幅でしか映画を体験してないなら、わからないかもなあ…とこれまたドヤ顔で言っちゃいそうになるので、ケンカはトマラナイ。コマッタモンジャ。
少なくとも、インド映画を見始めてから「ああ、映画ってもっともっと可能性の広い娯楽媒体なんだな」とも思えるようになったし「映画の楽しみ方って、１本の映画の中でも数限りなくあるんだな」って信じられるようになったもんです。ハリウッドや邦画なんて、自らその表現媒体の幅を狭めてるようにしか見えないもんねえ…。
これはもう、色々映画を見て、楽しんで、一過性ブームやオンビジネス以外の世界にも触れて、自分で探りに行かないといけないディープで危険な世界かもしれないけどネ…。コマッタモンジャ。
でも、映画終了後に自然と拍手喝采が湧いたり、映画館を出た後に見ず知らずの人とも「面白かったですねえ」って話が出来るような映画が見たいよね、ってお客側の要望は声を大にして言っておかないと、配給側も娯楽のなんたるかを理解しないんじゃないかなあ…とおもえるのでする。まる。
とりあえず、去年のIFFJの映画館側への評判は良かったらしいので、是非とも「映画の枠を広げる」意味でも、毎年続いて行ってほしいと切に願いまする(`･ω･´)ゞ
残骸 (Kaadhal Kondein) 2003年 165分
主演 ダヌシュ ＆ ソニア・アガルワル
監督/脚本 セルヴァラガーヴァン
"彼と触れ合っていると安心するのよ"
"じゃあ、僕と触れ合っていても安心するね？"
"なに言ってるの!? 貴方は親友。彼は恋人よ。貴方とは、キスしたってなにも感じないでしょ"
インド映画同好会主催の上映会にて鑑賞してきました！
その節は皆様ありがとうございまっす！
https:/
その日、教会の孤児院育ちのヴィノードに、マドラス大学から合格通知が届く。
孤児院を出ることを嫌がるヴィノードに対し育ての親の神父ロザリオは、無理にでも外の世界へ出て行き、工学の学位を取ってエンジニアになる事を勧め、彼をチェンナイへと送り出すのだった…。
大学でのヴィノードは、誰とも話さず接触せず、常に寝てるか緊張してるかの浮いた存在。
学生や教授から「特別枠で入って来た貧困層のくせに」と罵られる彼はしかし、数学には天才的な能力を発揮する。これに驚いたクラスメイトのディヴィヤーは、徐々に彼と仲良くなっていき、勉強を教えてもらいがてら彼の身の上を感じとって、彼を一般学生に馴染めるよう教育していく。ついに彼は、ディヴィヤーの協力のもと大学の研究発表会の学生代表の栄誉を手にするまでに！
だがその夜、ディヴィヤーがヴィノードを嫌う学生チヌに襲われ、彼女を救おうとしたヴィノードは人知れずチヌを殺してしまう！ その間、ディヴィヤーを介抱したのは前々から彼女を狙っていた色男アーディで、２人はこれをきっかけにヴィノードを介して恋人同士になっていくが、同じく彼女を愛するヴィノードは、これを許せないまま、彼女に本心を打ち明ける機会を逸してしまう…。
しかし、ディヴィヤーの父親が恋人たちの関係を良しとせず別れさせようとした事を知ると、ヴィノードは相談に来たアーディに提案する…「僕がディヴィヤーを説得するから、２人で遠い所へ駆け落ちするんだ。君は駅で待っていてくれればいい。僕が彼女を連れ出すから」
…しかし、アーディがいくら駅で待っていても、２人はこれ以降消息不明になる…。
挿入歌 Devathaiyai Kandaen
https:/
＊あからさまなCG合成映像なのに、なんでしょうこの不思議空間演出は!!
挿入歌 Kadhal Mattum Purivathillai
https:/
＊大学一のスケコマシ アーディが初めて本気で愛に落ちたのは、彼に手を上げた唯一の女性ディヴィヤー。そんな彼の見るディヴィヤーへの夢想と、その間に距離を縮めるディヴィヤーとヴィノードの図。
タミルスターのダヌシュの２本目の出演作にして、弟セルヴァラガーヴァンの初監督作(この前年には、兄弟の父カストゥリ・ラージャの監督作「Thulluvadho Ilamai(若さあふれて)」でダヌシュが俳優＆主演デビューを飾り、セルヴァラガーヴァンも脚本家デビューしている)にして大ヒット タミル語(南インド タミル・ナードゥ州の公用語)映画。
本作は、04年にバングラデシュ映画リメイク作「Onno Manush」、テルグ語(南インド アーンドラ・プラデーシュ州とテランガーナー州の公用語)映画リメイク作「Nenu」、09年にはカンナダ語(南インド カルナータカ州の公用語)映画リメイク作「Ravana」、10年にはベンガル語(北東インド西ベンガル州とトリプラ州の公用語)映画リメイク作「Amanush」がそれぞれ作られている。
日本では、2019年にインド大映画祭で上映予定。
お話は、前半は大学を舞台にしたドタバタロマンスながら、中盤から主人公ヴィノードの中にある狂気が徐々に姿を現し、後半は人気のない山間部を舞台にヴィノードの狂気の最終段階と、そうなっていく原因である彼の幼少期のトラウマが描かれていく。その物語の変幻自在さ、段々と変質し肥大化していく"狂気の愛"の様を映像化していく演出力・作劇力はハンパないですわ。
ヒロインのディヴィヤーを務めたソニア・アガルワルは、1982年連邦直轄領チャンディーガル生まれの女優。
学生時代からTVドラマで女優業を始めて、02年のテルグ語映画「Nee Premakai」の端役で映画デビュー。同年にはカンナダ語映画「Chandu(チャンドゥ)」で主演デビューを果たす。その翌年公開の本作の大ヒットで一躍スター女優に躍り出て、以降タミル語映画界を中心に活躍。
06年に、本作の監督セルヴァラガーヴァンと結婚して女優業から離れたものの、10年の離婚を契機に女優復帰。タミル語映画の他、12年には「Gruhanathan」でマラヤーラム語(南インド ケーララ州の公用語)映画デビューもしている。
前半こそ、よくある学園ラブコメの体裁を保っているものの、映画開始時の賛美歌シーン、ダヌシュ演じるヴィノードの孤児院への執着や初登校シーンでの一種異様な緊張感が、後半のサイコホラーへの伏線として効果的に配置され、そんなヴィノードやチャラいアーディのディヴィヤーへの恋心も、後半には全く別の意味を持ち始める脚本の妙は、脚本家としてキャリアをスタートさせていたセルヴァラガーヴァンの野心が見えるよう。
教育現場における貧富の差、その格差が生み出す偏見や差別、想像を絶する児童虐待、宗教的愛と世俗的愛の対立(キリスト教的思想の潔癖性が持つ両義性？)と言った様々な要素を全部描き切りながら、娯楽映画として求められる要素もちゃんと入れ込んでくる演出力ったら相当なもんですよ。
たしかに、フィルムの質を始め予算的には厳しい状況で作られてんだろうなあって匂いもプンプンするのに、なんでしょうこの圧倒されるインパクト。映画デビュー間もないはずのダヌシュ＆セルヴァラガーヴァン、なんて恐ろしい子！(by 月影先生)
都会人の欲望の渦を潔癖性的に嫌い、本能的愛欲を否定し続けるが故にディヴィヤーを振り向かせられないヴィノード。立ち位置的には「フランケンシュタイン」の怪物か「白痴」のムイシュキンに近い存在になるかもしれないのに、物語は彼の純粋性そのものが、過去のトラウマと虐待、その後の教会の孤児院での生活、大学での欲にまみれた世俗的欲望のギャップと相乗効果によって引き起こされた非人間的な狂気でもある事を描き出し、その狂気故に彼は本当の愛を手に入れる事が出来ない。
映画前半、ディヴィヤーや育ての親の神父の愛情あふれる導きで人生の展望を開くヴィノードは、ディヴィヤーへの愛に目覚めた事によって自滅の道を突き進んでいく。果たして、彼を狂わせたのはトラウマ故か、そうした愛を知らない少年時代のために成長できない幼児性のためか、人生で初めて知った愛故なのか。彼の愛が純粋であればあるほど、彼の狂気はその周囲の人々を滅ぼしていくアンビバレンツ。
彼のトラウマとなる壮絶な児童虐待と児童労働問題も、相当ヘビーな描写が続くものの、その彼の狂気が最終段階に入る映画終盤なんか、神出鬼没な彼が夜の森で踊ってるだけで鳥肌もんですわ(見てる時に、まんが日本昔ばなしのトラウマ級恐怖話「加茂湖の主」って話を思い出してしまいまして)。なにがどうなったら、学園ラブコメがサイコホラーな恐怖映像につながるなんて想像できるのでしょうか!!
なにはなくとも、狂わないためには恋に落ちたら素直に「I Love You」って言わないと、後でとんでもない事になるってことですネ！
挿入歌 Manasu Rendum
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挿入歌 Thottu Thottu
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挿入歌 Kaadhal Kondein(Theme Music)
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受賞歴
2004 Filmfare Awards South 女優デビュー賞(ソニア)
2004 ITFA(International Tamil Film Awards) 新人女優賞(ソニア)
2004 Variety Cinema Directory Best Debut Awards
・Kaadhal Kondeinを一言で斬る！
「とにもかくにも、タミル人はいちいち『チッ』って言い過ぎw」
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