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2015年04月27日22:45

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学び舎

近くに用があったついでに7年ぶりに学友と埼玉の山の母校を訪問した。恐る恐る学バスに乗って校舎に着き、僕らは目を疑った。門、バスの発着所がバラムガーデン(FF8)のようになっていた。ビフォーアフターの匠もびっくりの仕上がりだった。しかし入口だけで校舎の内部はさほど変わっていなかった。見えっ張りなところは我が母校らしいと思った。


僕らは3号館へと歩を進めた。当時、3号館は陽もあまり入らず湿ったにおいがする旧校舎だったが、私は一番好きなエリアだった。
私はここで壺の授業をとっていた。受講者は10名に満たないマイナー授業であったが、教員が独特だったので印象に残っている。壺を愛しすぎるが故に興奮し声がでかくなってしまうので、それを抑制するために授業中は常に両手で口を塞ぎながらしゃべっていた。
ある日の授業でその教員は僕らに壺のパンフレットを配り、説明を始めた。「第一章 誕生」「第二章 飛翔」と話は進み、「第三章 爆発」のところで教員の恍惚は絶頂を迎えた。「これを見ると私はマタタビを与えられた猫の如くゴロゴロと唸ってこの床を転げ回りたくなる!」とカミングアウト。
学生達は立ち尽くし、黙してその様子を傍観しており、とても笑えるような空気ではなかったがもはや私はニヤニヤでは収まらず吹き出した。


そんな古き良き青春の思い出溢れる旧校舎も匠によって改築されており、どこぞのIT企業のオフィスのようになっていたので無常観を感じた。
しかしながら青春を過ごした学び舎に触れ、最近のトピックスと言えば老化と劣化のことばかりになっていた僕らもこの日ばかりは学生の時分のキレを取り戻し、張りのある話が出来たのだった。
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