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2015年06月22日17:57

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『百円の恋』

映画『百円の恋』を観た。

(2014年 日本 監督:武正晴
出演:安藤サクラ 新井浩文 稲川実代子 早織 宇野祥平 坂田聡 重松収 根岸季衣)

劇場にて、鑑賞。もう劇場で観るのは無理かなと思ってたら、お隣の県の劇場で公開されるというので足を運んだ。

【32歳の一子(安藤サクラ)は実家でだらしない毎日を過ごしていたが、離婚して実家に戻ってきた妹の二三子といざこざを起こし、一人暮らしをすることに。百円ショップで深夜労働にありつき、相変わらずな日々を送っていたものの、ボクサーの狩野(新井浩文)と恋に落ちる。狩野との幸せな日々はすぐに終わってしまうが、ある日、たまたま始めたボクシングが一子の人生を変える。(シネマトゥデイより)】

へ〜。この作品は優れた脚本を発掘する「第1回松田優作賞」のグランプリ作品だそうだ。こんな賞があったなんて。審査員には、松田優作の奥様、松田美由紀も名を連ねている。脇を固める根岸季衣、重松収らは、松田優作に縁のある俳優さんたちなのだとか。

フォト


さて、一子役の安藤サクラ。なんと自らオーディションに応募し、この役を獲得したらしい。そりゃそーでしょうよ。この役をあそこまで見事に演じられる女優は彼女しかいないかも…。最初から最後まで、ほぼ出ずっぱりの安藤サクラ。彼女の魅力が作品中に溢れていた。

そして、一子の魅力を最大限に引き出したボクサー、狩野。新井浩文がまたいい感じなのだ。ちょっとだるそうな、自堕落的などうしようもなさを醸し出す。どこがいいのよ、こんな男。…と思うのだが、不思議とほっとけない感じがするのは新井浩文の魅力なのかな〜。

見所は、やはり安藤サクラが前半と後半で別人になる過程かな。本格的なスポコンものというわけではなく、だる〜い感じも織り交ぜながら、一子はどんどんボクサーの顔つき、体つきになってゆく。百円ショップで一緒に働くわけのわからない人々がゆるゆると絡みながら、恋に傷つきながら、32歳だけど少しずつ大人の階段をのぼってゆく。…なんか、共感しちゃうのよねぇ。

フォト


この作品で、安藤サクラはボクシングを始める前と後ではすっかり体型が変わっているわけだが、実は、時系列どおりに撮ったものではないらしい。一子が髪を切るシーンから後が順撮りだったのだとか…。そのあたりのエピソードが、パンフレットで語られている。

以下、パンフレットより抜粋

<安藤> 撮影期間に余裕がなかったので百円ショップの日はショップ、部屋の日は部屋とまとめて撮っていたので、減量前と減量後が入り混じってる日もありました。

<監督> 冒頭が実家でゲームをやっている一子の後ろ姿で、中盤カメラが同ポジションで、子どもともう一度ゲームをする場面があるけれど、ラッシュを観た時に僕と編集マンが声をあげたんです。「これ同じ日に撮ったのに体つきが違う!」って。

<安藤> 私の得意技です(笑)

…安藤サクラ、恐るべし!

クリープハイプの歌う主題歌がまたいいのよねぇ。「百八円の恋」…消費税つき(笑)
痛い、痛いを連呼してると思ったら、居たい、居たいと叫んでいる。…耳に残るわ〜。

女を捨ててダラダラと生きていた32歳の女が、闘う女へと変貌した。そして、ラストシーンの一子は、最初からは考えられないとても愛おしい一人の女性に…。

これは、遠くの劇場まで足を運んだ価値があったわね〜。
共感する部分の多い、久々のオススメ作品、かな。



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