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2015年06月15日12:12

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NBAバレエ団「HIBARI」

昨日はNBAバレエ団の新作公演「HIBARI」を観てきました。
「美空ひばりの生涯をバレエで・・・っていったいどうなるんだろう?」と観る前はとても不思議でしたが、最小限のナレーションと過去の映像や本人の肉声を巧みに用いながら、なにより”歌のこころ”をダンスで表現するすばらしいトリビュート作品になっていて大感激!

歌のバッグでダンサーが踊るのはTVの歌謡ショーでもおなじみの演出だけど、ああいう添え物的なダンスとはもちろん次元が違うのです。
たとえば「りんご追分」では少女の華やぎと叙情性を、「お祭りマンボ」では弾けるような祝祭性を、クラシックバレエならではの軽快な群舞で見せて、まるで違和感なく楽しめる。一方、「真赤な太陽」では名残の夏のような大人の女の渇望を、「哀しい酒」では寂静とした枯淡の境地を、女性1人、男性2人によるパ・ド・トロワでディープに表現。ミニマムな装置とその深遠な表現に唸りました。

ダンス以前に、曲の選択、テイクの選択もすばらしい。美空ひばりという希有なシンガーの表現力の多彩さと共に、ひとりの女性として成熟していく過程が過不足なく構成されていて、これまで観たどのドキュメンタリーよりも簡潔に彼女の本質に迫っていた気がする。
案内役としてナレーションを担当した和央ようかも良かった。「哀しい酒」をひばりの肉声とデュエットし、「愛燦々」も堂々と歌い上げていた。凄い〜。

本作は、振付家のリン・テイラー・コーベットが美空ひばりさんのドキュメンタリー番組に感銘を受け、「彼女を讃える舞台作品を創りたいと」いう熱い思いによって生まれたそうです。
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