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2015年06月06日21:20

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夢の小料理屋のはなし 47

今日も天気の良い1日だったね。
煙草を買いがてらフラっとその辺を散歩したり、そんな感じで今日は過ごしてたよ。
え?煙草を吸うのかって?
お店じゃ吸ってるの見た事無いもんね。
うん、食べ物屋で煙草を吸う事は無いね。
やっぱり、幾ら飲み屋とは言え、美味しいものがあるところでは煙草を吸うのはマナー違反だよねえ。

「今日も暑かったわねぇ。」
女将さんも、少し額に汗が滲んでいる。
「背中なら掻くけど、大丈夫?」
「もうお店で背中を掻いて貰わない事にしたわ。」
照れ臭そうに笑う女将さん。
僕は、あのもがいてる女将さんの様子が好きだったんだけどなあ、結構。
男ってさ、美人のほんのちょっとの脇の甘さは好きなもんだよ。
そんな、こないだの様子を思い出して、ちょっと笑ってみる。
こっちを睨む女将さん。
どうやら今日は、いろんな表情が楽しめる日のようだ。

キリッと冷えた国権が、喉を流れ落ちていく。
今日のスタートだ。
冷奴が、旨い。
そうだ、ぼちぼち茗荷の美味しい季節になって来たよねえ。
でもさ、いつから僕らは茗荷を美味しいと思うようになったのだろうか?
子供の頃、そんなに茗荷を美味しいと思って食べてない気がするんだよなあ。
「女将さんは、子供の頃茗荷好きだった?」
「好きでも嫌いでも無かったかしらね。でも、30過ぎてから美味しいと思うようになったかもね。」
「ふーん、やっぱりそう言うもん?」
「あなたは?」
「僕は、いつの間にか好きになってた感じかなあ。気が付いたら、茗荷が大好きになってた、みたいなさ。味の好き嫌いって変わるんだろうね。」
「あなただって、昔はワンレンとかピチっとした服の女の子が好きだったでしょ?」
「ジュリアナ東京みたいな?うーん、どっちかって言えば鈴木保奈美みたいな子が好きだったかなあ。」
「カーンチ!みたいな?」
「女将さん、出来ないモノマネはしなくて良いよ。」
「あら、ごめんあそばせ。」
女将さんが笑う。
「でも、ああ言う積極的で元気な子が好きだった訳でしょ?」
「まぁね。でも、今じゃ和服美人と一緒になってたりする訳で。」
「美人かどうかは分からないけど…趣味って変わるものなのかもねえ。お酒の趣味だって、変わったでしょ?」
「変わったって言うか、いろいろ楽しめるようにはなった感じかもね。」
うん、40前後ぐらいから、それぞれの良さを楽しむようにはなったねえ。
「ところで女将さんは…若いころはどういう男をカッコいいと思ってた?」
ふと女将さん、手を止めた。
「フフフ、女の過去なんか触れるもんじゃ無いわ。」

おー、怖い。
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