mixiユーザー(id:24710353)

2015年03月15日23:50

533 view

小説レビュー:ビブリア古書堂の事件手帖 〜栞子さんと奇妙な客人たち〜

これも安かったから購入、早く読めそうだからという理由で読んでます。


ちょい前にゴーリキ主演でドラマ化して大コケした作品ですねー
ゴーリキがまったく合っていないとの謎キャストだったみたいですが読んでみて納得。

当初から言われていた「黒髪ロング」「物静か」「巨乳」というキャラの特性を悉く真逆を行くというスゴさですねー
ほんとゴリ押しとしか言いようのキャスティングで改めて笑っちゃったw


内容としては古本屋を舞台にしたミステリー
なんか、もっとバタバタした印象だったので、想像していたのとかなり違ってちょっとビックリ。

推理小説のジャンルで言えば典型的なアームチェア・ディテクティブ(安楽椅子探偵)ものですねー
ホームズを代表とする(いやホームズは結構行動的だけど…)プロファイリングによって、現場に行かないで伝聞の情報で事件を解決するというやつです。

ヒロインの栞子さんは超絶に洞察力が鋭く、ちょっと聞いただけの断片的な情報でも、それを集めて整理することにより、事件を解決へと導けちゃうのです。


あらすじとしては……有名作品なのでめんどくさいのでwikipediaのやつをペタリw

プロローグ
高校時代、北鎌倉の駅近くの坂道にある古書店。白髪まじりの中年男が一人で経営しているはずの古書店で、小さなワゴンを引っ張り出している女性を見て気を引かれる。立看板には「ビブリア古書堂」とあった。声をかけようと思ったが自分の体質を思いやめてしまった。

第一話 夏目漱石『漱石全集・新書版』(岩波書店)
五浦大輔は幼い頃、本好きの祖母の本棚をいじりひどく殴られてから、本を長時間読むことが出来ない体質になっていた。大学を卒業するが、就職を決めた会社は卒業直前に倒産してしまい、無職の状態が続いていた。その年の盛夏の8月のこと、大輔の母・恵理が1年前に他界した祖母の遺品『漱石全集』の1冊に、夏目漱石のサインがあるのを見つける。母に頼まれた大輔は、サインが本物であるかどうかを調べるため本の値札に記されていたビブリア古書堂を訪れると、店主は入院しており、店番からは病院へ行くよう言われる。病院にて大輔が女店主篠川栞子に会うと、高校時代にビブリア古書店で見かけ、気にかかっていた女性だった。漱石のサインは偽物であったが、篠川栞子は田中嘉雄宛の献呈署名の体裁になっていることを訝しみ、田中嘉雄からのプレゼントだったものを大輔の祖母が書いたと落書きと偽装するためにやったのだろうと推理する。帰宅後署名は偽物だったと報告すると、大輔は母に、迷惑をかけたお詫びに菓子折を持って行けと言われる。翌日菓子折を求めた先で伯母に会った五浦は、祖母と祖父に関する昔話を聞くうちに昨日聞いたサインの話の中に自分にも関わる重大な秘密に気付く。栞子を見舞い、そのことを話した大輔は、栞子からビブリア古書堂で働かないかと持ちかけられて快諾するのだった。

第二話 小山清『落穂拾ひ・聖アンデルセン』(新潮文庫)
常連の志田、小菅奈緒、笠井菊哉登場の挿話。
大輔がビブリア古書堂で働き出してから3日が経った。今までは栞子の妹の篠川文香が店番をしていたが、今朝は母屋から出てこない。店番となった大輔は、常連と自称する男に万引きを取り押さえてもらう。せどり屋の志田と名乗ったその男は、盗まれた本を探してもらいたくて来たという。志田はせどり屋仲間と商品を交換するために待ち合わせをし、トイレに立った時に女子高校生に自転車を倒され文庫本『落穂拾ひ』を盗まれたようなので、もしその本を売りに来たら黙って買い取り、自分に買い戻させてほしいということだった。入院中の栞子にそのことを話すと、犯人とすれ違った志田の待ち合わせ相手に詳しく話を聞いて見る必要があると言い出したため、大輔はその相手・笠井菊哉に会って話を聞き、さらに事件に関わると思われる男子生徒に出くわして、渦中の少女の身元が判明することとなった。大輔が掴んだ情報を栞子に電話で伝え、犯人の少女・小菅を病院へ呼び出し栞子がその推理を話すと見事に当たっていた。後日、小菅が志田のもとに謝りに行くと、彼女の行動の裏に男子生徒への想いと失恋があったことを知った志田はかえって同情し、小菅と『落穂拾ひ』について語り合い、打ち解けたのだった。

第三話 ヴィノグラードフ・クジミン『論理学入門』(青木文庫)
常連の坂口昌司・しのぶ夫妻登場の挿話。
ビブリア古書堂に古びた文庫本を持ち込み、買い取ってもらいたいという初老の男・坂口昌司が現れる。明日の正午には査定を終えておいて欲しいと言い置いて彼は出て行く。それからしばらくして坂口の妻を名乗る女から電話がかかってきてその文庫本を売るのを止めてもらえないかという。病院でそのことを栞子に話しその本をチェックすると、坂口には前科があったことがわかる。そこへ坂口の妻・しのぶがやって来てその本を返して欲しいという。栞子が本人以外には返せないというとそこに坂口本人があらわれる。坂口は前科のことを妻には話していなかった。栞子は坂口にはそれ以外にも秘密があることを見抜く。しかし、全ての事情を坂口に告白されても、しのぶの夫への愛は揺らぐことがなく、坂口は夫婦の思い出にかかわるその本『論理学入門』の売却を中止する。

第四話 太宰治『晩年』(砂子屋書房)
大輔は栞子が入院するに至った秘密を打ち明けられる。栞子が所持する太宰治の『晩年』は、祖父・父と受け継いできた初版本、しかも署名入りのアンカット本で極めて貴重なものだという。文学館の展示に貸し出したことから所持していることが知られ、大庭葉蔵と名乗る男からその本を譲るようしつこく迫られ、ついにある日、夕立の中で石段から突き落とされたという。栞子は大輔にレプリカを使って犯人をおびき出そうと言い出す。『晩年』が病院にあることに気付いた大葉だが、栞子は大葉と対峙し『晩年』を燃やし捨てる。錯乱する大葉を大輔が取り押さえ、大葉は逮捕された。栞子のあまりの手際に、自分が信頼されていないことを悟った大輔は、ビブリア古書堂を辞めるといって店の鍵を返し病院を辞す。

エピローグ
再び無職に戻った大輔は、就職面接の帰りに歩道のベンチにいる栞子に呼び止められる。栞子は今日退院したという。そして自分が一番大事にしている古書を渡して預かってくれと差し出す。本を読めない自分がもっていても仕方がないから預かれないと返す大輔に栞子は落胆するが、大輔は続けて『晩年』の事件が解決したら、その内容を話すという約束を果たして欲しいとせがみ、栞子はうれしそうに話し出すのであった。


とこんな感じー

…うーん、説得力がないなー
ホームズのような特異な過去や実績もないただの古本屋の店主がそんなことするのがどうにもなー
今のご時世、リアリティのなさで所謂探偵ものにしたくないんだろうけど、それにつけても説得力は必要だよね。
栞子の過去はあとの巻で語られるのかもしれませんが本作ではまるで語られず、そのせいで非常に違和感。

以前にも何回か書いたような気がするけど、とにかく説得力は大事!
それが例えば肩書きだけでも、充分に機能するもの。
それすらしないこの作品はなんなんだろうなーと気になってしょうがなかった。

ストーリーも栞子のこの能力に合うように作られている。
終始、栞子age
なんの根拠もなく、謎プロファイリングで事件をピタリ。
うーん…


まあ、ラノベにしては読めるってレベルかなー(いやメディアワークス文庫はラノベのレーベルじゃないから厳密にはラノベじゃないけど…)


個人的には2話目がよかったかなー
登場キャラの言動・性格に違和感がすごかったけど…

でも徐々に薄くなって行ってるのがなんとも…
特に4話目の最初からバレバレ感がキツい。
これ、次の巻以降どうなっちゃううだろう?



64点ぐらいかな。
決してつまらないわけではないですがさりとて面白くもないですね。
ストーリーはミステリー部分含めて可もなく不可もなく。
取り手てて語る部分もなし。
特別にキャラに魅力もなし。
ハラハラもドキドキもワクワクもしませんでした。


この作品、現在6巻まで出ていますがわはは1巻しか買ってません。
そして2巻以降は角川が70%オフにでもならない限りは買わないかな。

1巻を読む限りでは、特に惹かれるところのない凡作。
なんでこんなに売れてるのか謎。





三上延 2011年3月25日 角川書店(メディアワークス文庫)
1 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2015年03月>
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031