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2015年03月03日00:11

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『少女は書架の海で眠る』

支倉凍砂 先生が贈るファンタジー小説『マグダラで眠れ』のスピンオフストーリーが登場。
書籍商を目指す少年が初仕事となる修道院で少女に追い返される所から物語は始まります。
(イラスト/松風水蓮 先生)

http://dengekibunko.dengeki.com/newreleases/978-4-04-869251-9/


まず読んだ印象として『マグダラで眠れ』が未読でも十分に楽しめる中世風ファンタジーに
仕上げてきていると感じました。というか、『マグダラで眠れ』を読んでいますがそれほど
意識する要素は薄いのではないかと。支倉 先生の作品が好きならごく自然と読めるでしょう。

本は売買するものではなく作るもの、という世界で無謀な職業を選択した少年“フィル”。
狭い書庫で読む本が無いと絶望する彼を広い世界へと救い上げた異端審問官“アブレア”。
蔵書が豊富な修道院を訪れた少年を問答無用で追い返す、訳あり貴族のお嬢様“クレア”。

“クレア”に「本なんて役に立たない」と告げられた“フィル”が書籍商としてあるべき
姿を見つめ直す場面や、修道院に収められた蔵書に込められた意味を解き明かしたり、と
話が繋がっていく構成はやはり上手いと感じました。前向きに生きる話は良いものです。


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