横浜は駅裏から海沿いにみなとみらい地区、赤レンガ倉庫を経て中華街まで続く数キロの散歩道が整備されていて楽しいが他の選択肢に乏しい。故に暇な時、私は東京へ出る。
面積的には小さくとも中身がびっしり詰まっているパリやアルジェの街路なら10キロ、20キロと連続歩行コースを設定するに苦労は無いけれど東京の場合はそう簡単には行かぬ。ただし、地表が退屈な区間を地下鉄で飛ばし、おいしいコースだけを組み合わせて10キロくらいにすることならできる。
上述の路程中、馬場から神楽坂へ抜ける早稲田通りに、重篤な方向音痴の自分がどちらへ行くべきか分からなくなりそうな交差点が三つあるので、「こっちへ」の矢印をつけたグーグルアース画像を携帯へ送っておいた。このやり方は正解だった。今後も使うこととする。
御茶ノ水からJRで新大久保へ戻り、4時間前、新宿から馬場へ向かう途中素通りした駅前のハラール飯屋で夕餉のクスクスを食せむとす。ついては、わざわざ券売機にて新宿へ戻る切符を買い、840円作っておく。ここから800円きっちり払えば、勘定の時、雇われ店長兼コックの爺さんが走り出て行き、一分後に釣の200円を握りしめて戻って来る必要が無いじゃないか。
ところが店には、いつものモロッコ人の爺さまではなく原理主義髭、タリバン帽、サウジ服のにいちゃんが居り、チキン・クスクスを頼むと、何の感情も籠らぬ声音で「クスクス売り切れ」を宣言する。やむなくチキン・ビリヤニに替えた。辛い。
かなり大盛りのビリヤニを入れても胃袋がまだ納得せぬ感じだったので、店のすぐ隣のケバブスタンドでビーフケバブサンドイッチ辛めソース450円をデザート代わりに食す。
私は何故大食いになってしまったのか。足が農馬のようになったのは一昨年より始めた長距離徘徊の結果であるが。
寒風吹きすさぶ店頭に立ってケバブを齧っていると、浅黒いにいちゃんがやって来て、マルハバ(アラブ語で「こんちわ」)、ケバブ・ラップ下さい。very very 辛いの…と三ヶ国語ごちゃ混ぜで注文した。
ちなみに、徘徊に取り掛かる前、手早くしたためた昼餉は新宿の博多天神のラーメン。ラーメンはこれで良いと思う。能書きやら薀蓄まみれの名店(具体的には一蘭と一風堂のことだが)は飽きたし、味も量も天神と大差無くて違うのは値段だけ。
隣のあんちゃんが替え玉一個注文し、瞬く間に平らげるや、更に一個注文。にいさん、替え玉無料は一個までで二個目は100円だからね。つまりキミは500円+100円=600円を払うことになる。なれば数十メートル行ったところにある別のとんこつラーメン屋は替え玉二個まで無料だから、二個食うつもりならそっちへ行けば良い。いや、そうじゃない。500+100も600+0も共に600円か。まぁ、どうでも宜しい。
往路、コーヒーを買った新大久保駅近くの711
この店では、コーヒーメーカの隣に蓋とスプーンしか置いてなく、砂糖&ミルクは店員が必要かどうか口頭で確認の上、必要と答えた客にだけ手渡すのである。
なる程、新大久保界隈の国際都市ぶりは東京随一だからしょうがないわなと納得する。
新宿地下、小田急線改札口近くの店。
醤油カツ丼!
メシに醤油をたっぷりかけるのが大好きで、鮨もネタではなくシャリの方を醤油まみれにする外人観光客にとって理想の食べ物であろう。次回、私も試食してみることとする。
10キロ余りの道のりを共に歩いてくれて有難う。
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