「すき家」の牛丼

毎年歳末になると、その年に流行した物や言葉などが蒸し返されます。

昨年は困りました。

「倍返し」「おもてなし」「はんざわなおき（漢字がわかりません）」

ぜんぶ私が入院中に、意識不明で幽冥の境をさまよっていたときの言葉だったらしく、なんにもわかりませんでした。

では、今年はわかるのかというと、昨年よりもいくらかはマシという程度です。

「あなゆき（漢字がわかりません）」という言葉は、結局わからないままでした。

そんな私でもわかるのが、「すき家」と「ワンオペ」と「デング熱」です。

牛丼チェーン店である「すき家」が、店をたった一人のアルバイトに２４時間任せ、接客・会計・調理・洗い物を全部一人にやらせて、死ぬか退職するまで人員の補充をしなかったという、現代の奴隷制のような話。

牛丼チェーン店では、吉野家と松屋には行ったことがありますが、すき家は未経験。

すこしは人並みに話の種にもふれておこうと、クリスマスイブの日に宇田川町のすき家に行きました。


＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

今年は、NHK交響楽団のベートーベン交響曲第九番の演奏会が、１２月２２・２３・２４・２６日。

例年３日目の公演が、NHK厚生文化事業団主催のチャリティーコンサートに決まっていて、NHK交響楽団の定期演奏会会員の優先受付が行われず、一般の人にも切符を取りやすい日と決まっています。

大学の４年間と卒業後の２年は、同定期演奏会会員で毎月NHKホールに通った私も、この四半世紀はほぼ「第九」でしか、NHKホールに行かなくなりました。（ニューイヤーオペラコンサートは除く）。

今年も３日目、クリスマスイブの厚生文化事業団の公演に行きました。

この日なら当日券の販売もあるので、１９時の開演でしたが、１７時半に行きました。

昨年同様、S席１３５００円、A席１００００円、B席７０００円、C席５０００円、D席３０００円。安い席から売り切れているのも昨年と同じ。

１７時半でD席はすでに無かったので、C席を買いました。開場は１８時なので、早めの夕食を取ろうと、渋谷駅方面にブラブラ歩いていたら、今年流行の「すき家」を見つけたというわけです。

松屋のように食券式ではなく、いちいち店員に口頭で注文し、食後に現金手渡しで会計する仕組み。店員の手間がかかるのもうなずけます。

「ワンオペ」ではなく、店員は二人いました。

「牛すき鍋」というおいしそうなメニューがありましたが、店員を手間取らせては悪いので、２７０円（税込み２９１円）の普通の牛丼を注文。料金も、釣り銭を出す手間を取らせては悪いので、きっちり２９１円払って出てきました。

吉野家・松屋と同様においしい牛丼でした。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

NHK内部の売店などをぶらつき、定刻に入場。

NHKホールに入ってしまうとレストランもなく、売店のサンドイッチは二人前食べると１２００円もするので、すき家でお腹を作っておいてよかったです。

今年は意外なことがありました。

フランス人指揮者「フランソワ・グラヴィエロト」が４４歳だったのです。

高校三年生（１８歳）のときから年末の「第九」公演には来ていますけれど、自分より年下の指揮者は初めて。

それだけ、私が年を取ったわけですが、彼の頭が、あまりにもはげ上がっているので、てっきり６０歳くらいだろうと勝手に思い込んでいたのでした。

さすがに若い指揮者らしく、小気味よい（よすぎの）演奏を聴かせてくれました。

帰りは例年通り、表参道からの混雑を避けて、代々木公園内を通って、有名になったデング熱の雰囲気に浸り、営団地下鉄代々木公園駅から地下説千代田線に乗って綾瀬まで。

イトーヨーカドー綾瀬店で、一人分のクリスマスケーキを買おうとしたら、クリスマスは明日だというのにすでに売り切れ。

仕方なくどら焼きを買って帰り、『スウィング・ホテル』（注）のDVDを見て寝ました。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊


すき家の牛丼、旨かったですよ。

民主化運動で荒れた香港では、ずいぶん素敵なクリスマスプレゼントがばらまかれたそうです。


http://mainichi.jp/shimen/news/m20141225dde041030052000c.html?fm=mnm

（注）
１９４２年制作。マーク・サンドリッチ監督。ビング・クロスビー主演。他にフレッド・アステア・マージョリー・レイノルズ、ヴァージニア・デイルなどが出演するアメリカ映画。