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2014年09月07日15:20

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スタンド・バイ・ミー

夏映画興収1位は『ドラえもん』 変わらぬ親近感の3DCGで観客層広がる
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=54&from=diary&id=3042286

ドラえもんの映画はまだ観ていない。
というか、大人になってからテレビでも、ドラえもんは観なくなってしまった。

観に行くなら家族で、ということになるのだが、あいにく息子たちは、ドラえもんよりも、仮面ライダー鎧武やトッキュウジャーに夢中で、ドラえもんはあまり興味がないらしい。
嫁は嫁で、あの3Dのアニメ画像が受け付けないのだそうだ。

でも、僕の子供の頃は、ドラえもんだった。
普段からあまり、アニメや漫画は見ない子供だったが、ドラえもんだけは観ていたような気がする。

ドラえもんには、ちょっぴりしょっぱい思い出がある。

当時、僕の家は、あまり裕福ではなかったので、あまり漫画雑誌や漫画の単行本というのは買ってもらえなかった。
お小遣いも貰えなかったので、自分で買うこともできない。

そんなある日、母親が買い物の帰りに本屋に寄ってくれ、

「好きな本、一冊だけ買っていいよ。」

と言ってくれた。

僕は、沢山ある本の中から、ドラえもんの単行本を選んだ。
確か24巻だったような気がする。

今年40歳になる僕が、小学校2年生だった頃のことを、何故これほど鮮明に憶えているかというと、その出来事が僕にとって、本当に嬉しかったからだ。

その日から、そのドラえもんの単行本は、僕の宝物になった。
一冊しかない漫画本。
それを大切に本棚の中に入れ、出しては何度も何度も読んだ。

そんなある日。
僕は、居間で話す、父親と母親の会話を盗み聞きしてしまった。

近所に住むヒロシ君が一週間後、隣町に引っ越しするという。
原因は、どうやら家庭の事情にあるようで、急な引っ越しになったようだった。

ヒロシ君は、僕の幼馴染で、幼稚園の時からずっと一緒だった。
どこに行くのにも、どこに遊びに行くのにもずっと一緒。
当時の僕にとっては、親友と呼べる存在だった。

そんなヒロシ君が居なくなってしまう。
それはとてもショックなことだった。

その夜、僕はなかなか寝つけなかった。

ヒロシ君が引っ越しする日。

僕はさんざん迷った挙句、一つの決心をした。
僕にとっての宝物を、ヒロシ君にあげることで、それを友情の証にしようとした。
離れていても、いつまでも友達であるように。

僕は本棚から、ドラえもんの単行本を取り出し、家を飛び出た。
ヒロシ君の家の前には、大きな引っ越しトラックが止まっていて、今、まさに出発するところだった。

僕は、トラックの後ろに止まったクルマに乗ったヒロシ君に、窓越しから、そのドラえもんの単行本を手渡した。

他人にとっては、単なる一冊の漫画本かも知れないが、僕にとったは、大切な大切な宝物。

クルマは引っ越しトラックの後に続いて、走っていく。
僕は、小さくなるクルマを見つめながら、何度も何度も手を振った。
目からは、涙がポロポロと零れた。

そんなちょっぴりしょっぱい思い出が、僕にはある。

映画を観て、そんなノスタルジィを思い起こすのも良いかもしれない。
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