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2014年05月31日18:52

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狂気はあなたのすぐ隣にある

■元同級生「被害者忘れないで」 佐世保・小6殺害10年
(朝日新聞デジタル - 05月31日 00:41)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=2904609

僕が小学生の高学年の頃。
同級生の中に、いつもポケットの中にカッターナイフを忍ばせているヤツがいた。

そいつは、自分の気に入らないこと、腹が立つことがあると、ポケットからカッターナイフを出してチラつかせた。
そうすることで、周りが自分を怖がるのを面白がっていた。

周りは、そいつのことをアブナイ奴だと、避けるようになった。
僕も、そいつとは出来るだけ、関わらないようにした。
そいつが時たま見せる狂気じみたニヤニヤ笑いが怖かった。
何時、そいつの気に障ることになるか、わからないのがとても怖かった。

そいつはよく言っていた。
自分をナメる奴、自分を馬鹿にする奴は、分からせる必要があるんだ、と。

そう言っては、カッターナイフをチラつかせて、面白がっていた。
そうすることで、相手が怖がり、避けるのを見て、自分が強いんだと自信のあるニヤニヤ笑いを貼り付けていた。
その顔が僕は怖かった。

でも、そいつは強いわけじゃなかった。
そいつはそいつで、精一杯虚勢を張っていたのだ。

低学年の頃。
そいつがイジメられていたという話を聞いた。
イジメじたいは、そんなに酷いイジメじゃなかったと、話をしてくれた同級生は言った。

でも、そんなの何故、その同級生が解るのだろう。
イジメた本人や周りが大したことないと思っていても、イジメられた本人はどうか分からない。

少なくとも、そいつがカッターナイフをポケットに忍ばせるようになったのは、そのことがキッカケだ。
それだけは確かだ。

そうすることで、そいつは自分を護ろうとしていたのだろう。
それは、イジメから?
いや、確かに最初はそうだったのかも知れない。

でも、僕が知っているそいつにとって、カッターナイフはもう、それだけの意味ではなくなっていた。

きっとそいつにとって、過去のイジメは、酷く自分の自尊心を傷付けられる出来事だったんだろう。
だから、自分をナメる奴、馬鹿にする奴、嘲笑する奴に対して激しい憎悪を感じたのだろう。

イジメは、彼に大きな心の傷を残した。
そして、彼は自分の自尊心を護ろうと、ポケットにカッターナイフを忍ばせて、僕たちを威嚇していたのだ。

佐世保の事件があった時。
僕は何故か、小学生の頃のそいつのことを思い出した。

確かにそいつは、カッターナイフをチラつかせていたが、実際に人に刺したことはなかった。
でも、そこにどれだけの差があるんだろうと僕は思った。

要はそいつは、カッターナイフをチラつかせるだけで、僕たちが怖がり、脅える姿を見ることで、自尊心を満足させていたのだ。
必要ならば、そいつは自尊心を護るために、カッターナイフで人を傷付けることも出来たんだろう。
その狂気を当時の僕は感じていたから、僕はそいつが怖かったのだ。
あのニヤニヤ笑いが怖かったのだ。

僕は狂った話をしていたのだろう。

でも、その狂気は何処にでもある。
僕たちの気が付かないレベルで人を傷付け、人のプライドや自尊心を傷付けることもある。

そして、その自尊心のために、殺意を覚えることもあり得る話なんだろう。

この記事の元同級生は言う。
果たして人の命を奪うようなことだったのだろうかと。

でも。
それは誰にもわからない。
自尊心やプライドを傷付けられた時。
それを護ろうと人を傷付けることもあり得るのだから。


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