ヴァイオリニストのヨーゼフ・シゲティのCDを今、聴いています。
曲はベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲で、ブルーノ・ワルター指揮、ニューヨーク・フィルハーモニックのモノラル盤です。
1947年録音と古いのですが、それはシゲティの演奏を聴くのに妨げにはなっておりません。十分聴けます。
シゲティはハイフェッツのようなテクニシャンではなく、運弓や運指が不器用な感じなのですが、それがかえってベートーヴェンの無骨さ、不器用さに合っているような気がします。ワルターの指揮も録音が古いのを飛び越えた豊麗さでシゲティの演奏を余裕をもって支えています。
シゲティの音色は甘美ではなく、ガサガサゴツゴツしています。しかし、演奏表現において力量が無い(つまりはヘタクソ)というのではなく、その点、誤解があるといけませんので一言添えます。
でも、メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲ならハイフェッツかなあ。
ところでシゲティのヴァイオリン、音楽評論家の中野雄さんは「純銀の糸を張りつめたような音色で、音楽美の頂点を極めた至高の弦の響き」と評されています。
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