mixiユーザー(id:65677)

2005年05月26日09:16

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人身事故に関するトラウマのようなもの

二日続けてダウン系の話題でゴメンナサイ。今日は、ちゃんとネタ用意してたんだけどな……人身事故(ひとつ前の日記記事参照)との遭遇で変更。

先ほどの更新では、お見苦しいところをお見せしました。自分の行為の愚かさは、重々承知しています。本気で不快になった方には、心底お詫びを申し上げたいです。ただ、衝動だったのかもしれませんが、自分の行動を自分で止められなかったのも事実。

WEB上に上げられたものなんて、消して、無かったことにしてしまうのも容易いことですが(コピーされてなきゃね)、一度書いたことは、一度口に出したことのように、不可逆性のものと思っていますので、そのままで。

その上で、言い訳がましいですが、何故こんな行為を取ってしまったかを、ちょろっと書こうかと。極めて個人的な問題ですので、激しく読み飛ばし推奨です。



「なんだ、何も感じないんだ」と、小生は書きました。無関心というか、無感動というか、まぁとにかく感情の起伏のないようなことを書きましたが、いや、正確には、無関心だった、というより、無関心であろうとしたんだと思います。要は、人身事故、というキーワードに対して思考停止に陥っていただけで、詰まるところは逃避をしてた、と。



確か、21世紀になる数年前。中央線高円寺駅。



友人と酒を楽しんだ小生は、帰路へ付くべく、ひとり、夜の妙に閑散とした高円寺駅のホームに立っていました。ホーム先端から、泥酔したらしい、千鳥足の40代のオジサンがひとり歩いてきます。ホームの端に辿っては中央に戻る、を繰り返していたオジサンが、小生のまさに目の前で、線路に転落しました。

出来事としてはほんの10数秒くらいのことだったのかもしれません。

小生、体がまるで動きませんでした。足は震え、手は硬直し、さらに声帯まで枯れ果てたように、助けを求める声すらあがりません。足下1mほど下の線路上には、落下のショックでうずくまり、うめくオジサン。

そこに、転落に気付いた30代くらいの男性二人が、果敢にもホームから線路に飛び降りました。他にも、誰かが駅員を呼びに行ったようです。しかし、砕石がまかれ足下の安定しない線路上で、体系もふくよかなオジサンは、男性二人の手を持ってしてもなかなかに動きません。

この段に及んでも、小生はまだ解けない金縛りに抱きつかれていました。もうひとり、男手が加われば、オジサンは動いたかも知れないのに、小生は動けず、ただ、目だけがその人たちの動きを追っています。

おりしも、通過電車が進入してくるアナウンスが、ホームに流れます。

まだ、ホーム上に「列車緊急停止スイッチ」も少なく、その存在も現在ほどにアピールされていない頃のことです。電車を止める術もしらない人たちの焦りは募ります。なんとか動かそうとする線路に降りた男性たち。しかし、再三の列車進入のアナウンスで、ついに諦めざるを得ない判断をしたのか、オジサンをそのままに、線路際に退避します。

そこに、電車が進入してきました……最徐行で。この日だけは恐ろしく凶悪に見えた二つのライトで線路を、ホームを照らしたまま、オジサンの50mくらい手前で停止します。

恐らく、駅員に知らせに行った人が、指令所を通じて列車に警告を発せたのでしょう。すぐに駅員も駆けつけ、電車の目の前で、オジサンは無事、助け出されました。

数分遅れで高円寺駅を通過する電車を見送るまで、結局小生はまったく動けませんでした。



それからの数日間というもの、罪悪感に懊悩とする日々を過ごしました。線路に飛び降りて助ける勇気はなくても、すぐに誰かに知らせるとか、せめて声を上げるとか、オジサンを助けるための努力は、どんな小さなことでもひとつは出来たはずなのに、体も、声も動かなかった小生。

そう、結局小生は、オジサンを「見殺し」にしようとしてたんです。

電車に対する恐怖感も植えつけられましたが、乗れなくなるほどではなく、表向きは日常を過ごしながら数日が経ち、なんとか落ち付いたころ、人身事故、というキーワードに対して、思考を停止している自分に気付きました。

罪悪感をまぬがれるために、それ自体に対して、考えることを放棄してしまったんだと思います。

しかし、遠いところで起こっている人身事故はそれで良かったんですが(いや、被害にあってる方にはよかないですが)、例えば昨夜のように、自分の乗っている列車が人身事故を起こしました……という、一気にそれが身近な出来事になったとき、無関心を装って思考停止をしたようになっていながら、その実、激しい興奮状態になっているんだと思います。

あの、高円寺の夜を思い出して。



昨夜はそれを、無関心を装ってmixiに書き込む、という愚劣な行為に転換しました。自分の心に巣食うトラウマのような何か、それに蝕まれた思考の中で、あんな行為に出てしまいました。繰り返しになりますが、不快な思いをされた方に深くお詫びを申し上げます。



でも、この高円寺での出来事をこうして人の目に触れるところに文章化できた、というのは、変な言い方ですが進歩です。ずっと、この恥知らずな一件は、誰にも話さずに墓まで持っていこうと思ってましたから。

これを読んで、再度不快になった方には、さらに伏してお詫び申し上げます。
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