公開前に、前売り券を2枚買って、ベアブリックを2体揃えてアゲアゲ気分で観に行った通常版3Dで打ちひしがれた苦々しい日々から数日、やっと落ち着いてきた109川崎のIMAXシアターで再鑑賞しました。
今回は、エクゼクティブシートのまさにど真ん中、眼前に過不足なく広がる全面スクリーン。
かつてない、最高の条件で、トロン/レガシーを観てみたら…
まるで、ベツモノでしたよ。
とにかく、フレームの切れ目が気にならないので、没入感覚のケタが違いすぎます。
IMAX版が、まさしく3Dの世界に入り込んだような錯覚を覚えるのに比べて、通常版は、3Dの箱庭を覗き窓から眺めてるだけみたい。
あと、やはり、『黒』の深度/解像度のきめ細かさの差は、決定的です。
『ダークナイト』でも感じましたが、こと、本作の場合は、IMAXのグリッド世界が、無限に続く鏡面の深みをきっちりと提示できているのに対して、通常版では、それが、どうにもプラスチックな安っぽさに感じられるくらい、質感の再現度の差が致命的です。
喩えるなら、高級スーツの表面の文様が、織り方向を変えることで透かしになってる感じ。
この透かしの具合が、角度や光の反射まで含めてちゃんと正確に描けているのがIMAXで、単に模様の一種になってるのが通常版。
もちろん、色味は合ってるし文様があるという事実に間違いはないのだけど、それが透かしであるかそうでないかの再現度の差というのは、致命的です。
IMAXでは、ホンモノのカーボンパーツとカーボン風プリントの違いが判るけど、通常版では、ホントウは判ってしかるべきのその違いが提示できていないような感じなんです。
うー、これには、参った。
特に顕著になるのが、エンドロールの直前のグリッドの明滅シーン。
めちゃくちゃかっこいいぞ!! こういうのをクールっていうんだよぉう。
(カーボンとかアルミ地に惹かれるタイプには、堪らん世界観ですな)
まあ、映像が凄くても、根本的な展開に変わりはないから、その部分で、納得は出来ないんだけれど、トロンが目指していた無限に続く漆黒世界のクールさというのは、かなり、限定的な環境でのみ再現可能な緻密さだったということは、十分、理解できました。
逆に、この作品は、上映環境の影響を受けやすい(微調整の精度や劇場スタッフの個々のセンスも含めて)コンテンツだったわけで、ひょっとすると、同じ劇場環境であっても観るタイミングによってすら、全然、違う作品に感じるくらいピーキーだったのかもしれません。
そういう意味では、まさに最先端。ある種のとんがりすぎ。
このテクノロジーの突っ走りぶりと、脚本とのアンバランスを含めて許容できるか否かが、評価の分かれ目なんでしょうね。
うん、トロン/レガシーの事は、しっかり記憶に刻まれたよ。
男の子なら、漆黒や金属的質感のクールさに対する憧憬というのは、一生モノだと思うし、この衝撃は、絶対、忘れないと思う。
最先端を追求する以上、こういう、テクノロジーに没頭してしまう姿勢というのは、ある程度、許容されていい。
ただ、ラストの実体化は、どう考えてもおっかしいと思うけどネ…
あと、前売り当日の区別なく2200円のIMAXは、やっぱ、高いよ… orz
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