東京国際映画祭の関連企画・コリアン・シネマ・ウィーク 2009(韓国文化院=大使館の付属施設=主催)で、韓国映画『牛の鈴音』を鑑賞。韓国の田舎を描いたドキュメンタリー。
無農薬農業を営む老夫婦(たぶん80代)を支えていたのは、40歳になる老牛だった。獣医に「余命1年でしょう」と言われた後も、労農夫と牛は寄り添うように農作業をする。機械はなし。無農薬にこだわるのも、実は、畦の雑草を牛の餌にするためだったのだ。ゆっくりと流れる時間。牛を同志のように愛する寡黙な夫、その夫の分まで喋りまくる愚痴りまくる妻。いよいよ牛の寿命が近づき、食肉用に売れと周囲に勧められ、牛市場に連れて行くが...
ドキュメンタリーとは思いがたいほど、ストーリーがシッカリしている。静かな映画なのにまったく退屈せず、韓国で大ヒットしたのも分かる。心温まる作品。日本でも一般劇場公開されるらしい。
ティーチインで監督曰く。「ハルモニ(おばあちゃん)が、可愛く見せたがってやたらお化粧とお洒落をしたがるのと、ハラボジ(おじいちゃん)がスティール写真の撮影と勘違いしていて、カメラを向けると止まってしまうのに困った」だそう。ちょっと笑った。この老夫婦、新しい牛を飼い、今も農作業に励んでおられるとか。
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