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2009年10月10日00:07

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最高の馬

 カルガモは最初に見たものを親と思い込むと言いますが、競馬ファンにもそんなところがあるように思います。競馬を見始めた頃の最強馬がその人の最強馬になりやすい。最近のファンだとディープインパクトを最強と思う人が多いのかもしれませんし、俺よりも一回り年上ならばシンボリルドルフだろうと思います。『ダビスタ3』ブームに乗って競馬を見始めた俺は、ナリタブライアンの三冠の頃が最初でした。でも、当時の青森県では場外馬券売り場もなく、もちろん未成年だし、激戦でもあったのでPAT(電話投票)もできず、馬券が買えませんでした。それどころか競馬中継もNHK頼みで、競馬雑誌やスポーツ紙をかじりつくように読んでいました。

 だから、俺の最強馬はナリタブライアン……ではないです(笑) 大学進学で上京した1998年の競馬が一番鮮烈でした。府中開催時は毎週府中に通っていました。当時、土曜の1限、2限に必修授業が入っていた(ヒドい)のですが、午後から府中へなんてこともしていました。中山や関西開催ではテレ東の『ウイニング競馬』をかじりついて見ていました。今でもエルコンドルパサー、グラスワンダー、セイウンスカイ、スペシャルウィーク、キングヘイロー、エアジハード、アグネスワールドらの世代は最強世代として挙げられることが多いですし、俺もそう思っています。ちなみに初めて競馬場に行ったのは1998年のNHKマイルC(エルコンドルパサー)でした。その後の活躍は競馬ファンなら誰でも知っていることですが、エルコンの凱旋門賞ほど日本馬が勝てると思った凱旋門賞はなかったです。欧州で実績ありましたから。マスコミは煽っていましたが、ディープインパクトが挑んだときも勝つとはまったく思っていませんでした。ここ20年ではエルコンドルパサー以外に欧州へ長期遠征した馬はいませんし、凱旋門賞2着どころか1ケタ着順の馬もいません。エルコンを除けばメイショウサムソンの10着が最高ですし。

 だから、俺の最強馬はエルコンドルパサー……ではないです(苦笑) そのエルコンドルパサーに国内で唯一黒星をつけた1歳上のサイレンススズカが俺の中では最強です。非業の死を遂げたことで、過剰に持ち上げられているきらいもありますが、あの馬の姿こそが理想の姿です。「逃げて差す」これが理想。ディープインパクトのように気性に問題があって、出遅れたりカカったりする馬ではないです(異論はあるでしょうが) 最初の1000mを57秒台で逃げて、上がりも35秒程度にまとめる。金鯱賞は衝撃でしたし、「伝説のG2」である毎日王冠前のレース前のワクワク感は異常でしたね。今ではダービーでさえ13万人集まらないことがありますが、あの日はG2なのに13万人も府中に集結。俺もその一人です。馬券の妙味はないですが、スズカとエルコンの馬連1点1000円買って見ていました。馬券も取りましたが、スズカの姿に魅せられました。単純にルックスだけでもとても綺麗な馬でしたね。秋天は悪夢でした。その日の夜のユタカはバーで酔いつぶれていた(福永談)そうですし、俺は茫然自失で南部線に揺られていました。翌日の新聞の見出しが『天国への逃走』などと書かれていました。泣きました。競馬で泣いたのはこのときだけです。

 エルコンの仔はGIを勝ちました。スペシャルやグラスやキングヘイローの仔もGIを勝ちました。エアジハードやアグネスワールドの仔も重賞を勝ちました。でも、スズカの仔は1頭もいません。残念です。スズカの持つ中京2000mのレコードタイムはのちにタップダンスシチーに塗り替えられ、さらにローゼンクロイツに塗り替えられています。成績を見てもGIは1勝、重賞5勝。記録だけ見れば並の一流馬。テンポイントなどと同様に、のちの人が見れば***のほうが強いに決まっていると言われるだろうと思います(今でもそうかも) 本当は最強馬ではないのかもしれない。でも、俺の中の「最高の馬」であることは揺るがないと思います。


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