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2005年03月13日11:24

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旅は尻切れ 余は情けない

前日(3月11日分)の旅記を読み返してみましたが、特に後半とかグダグダですな。よほど眠かった模様(言い訳)。リライトする体力が無いので多分このまま放置ですが・・・

それでは、昨日3月12日の旅記です。今日はどれくらいの長さかな〜(涙

▼流されて小樽

とうとう札幌まで来てしまいましたが、実は目的地は小樽。昨日青函連絡船の中で今後の行程を考えたとき、可能性として探っていたのが小樽でした。といっても、石原裕次郎記念館に行きたかったわけでも、Mr.マリックプロデュースの小樽超魔術館に行きたかったワケでもありません。コミュニティの管理もしている、ポーランドのアーティスト“スタシス・エイドリゲヴィチウス”の、日本で唯一の常設展示をしている「森ヒロコ・スタシス美術館」が小樽にあるのです。

はい、こっからしばらく読者の9割8分を置いていきますw。ちなみにスタシス作品と小生の出会いについては、今年1月17日の日記参照。

街中なのに、雪に閉ざされた、といっても過言ではないくらいに左右に雪の壁を作っている大通りを、足を踏みしめながら15分ほど歩くと、森ヒロコ・スタシス美術館に着きます。コンクリートの外壁も雪に埋もれていますが、おじさんが一人、前の道の雪かきをしています。時間は朝の9時過ぎ。急に来ることを決めたので、開館曜日も開館時間も調べずに「まぁ美術館だから9時くらいに空くのかな」なんて漠然と来てしまったのですが、実は11時開館の模様。でもオジサンは、開いてるよ、といって中に通してくれました。

建物の中から鍵を空けてくれたオバサンが、今暖房を付けますからー、といってパタパタ走りまわります。早く来てしまったのはこちらの調査不足なのに、寒くてゴメンナサイね、ととても申し訳なさそうです。館内に火が入って、ご案内いたします、と挨拶してきたそのオバサンが、美術館に名を冠する森ヒロコさんでした(驚)。ちなみに、表で雪かきをしていた人は館長の長谷川さんw。

玄関には、2年前にここを訪れたスタシスが、コンクリートにそのまま書いたイラストがあり、まず喜ばされます。入口付近に、スタシスの絵画が飾られ、ユゼフ・ヴィルコンというやはりポーランドの絵本作家の木細工が並べられています。その奥、もともとこの森ヒロコさんのご実家であるこの場所に建っている蔵にも展示があるのですが、そこに至る廊下に森さんの作品、重厚な扉を開けて入る蔵の中に、やはり森さんの作品と、二階にスタシスの初期の銅版画。さらにスロヴァキアの画家アルビン・ブルノフスキ(故人)の作品が展示されています。

この、ブルノフスキという人は、初めて名前を聞き作品を見たのですが、これもスタシスの作品に出会った時と同じく、ひと目で心を奪われてしまいました。緻密に書き込まれたイラストは常人の創造力を超えた世界観を有しているのに、見れば、なんとなくその世界に触れることの出来るような気がします。決して“意味の分からない”ものを描いているんじゃなくて、普段なら想像もつかない世界なのに、目の前に出されることで、「あぁ、こういうことね」と納得できるというか・・・言葉が足らない自分が恨めしいです・・・。

もちろん、スタシス作品も堪能した小生。なんだかんだで、小さい美術館なのに二時間近く過ごしてしまい、スタシスとブルノフスキの画集を買って館を辞します(上写真)。いろいろ案内もしてくれた森ヒロコさんのもなんか買っとけばよかったなぁ……というのは後の祭。

▼小樽散々散策

小樽にきた目的の9割を完遂してしまった身ですが、せっかくだから他の観光地も見てみようかな、と有名な小樽運河のほうに向かって歩き始めます・・・すごい降雪です。足元がおぼつかないのは良いとしても、横殴りの雪はかなり凹みます。歩き回るだけで、かなりの体力を消耗して行きます。それでなくても、列車中の座席で深い睡眠の取れなかった身、それは自ら望んだことですが、結果的にこの雪中行脚を楽しむには、少し無理があったようです。

小樽運河工藝館、というガラス細工の製造工場だけ見て、雪に埋もれる運河を見たところでギブアップ。駅に戻ることにします。途中、魚屋さんの二階にある直営食堂で昼食を取ることは忘れませんでしたがw。まぐろ丼、赤身なのにまるでトロみたいに舌の上で溶けるんですけど・・・ウマー。

駅に戻って、時刻表を広げます。東京に帰るまでの経路はやはり青函連絡船中で考えていて、このまま函館本選を長万部側に抜けて、そこから札幌発上野行の北斗星で、明朝東京に戻る、と。夜の用事にも間に合う、と。鉄道旅の完遂のしかたとしては、まぁここまでの鈍行だけに頼ったポリシーからは外れますが、悪くないフィナーレです。ちなみになぜ札幌ではなくわざわざ長万部に抜けるのかというと、この区間を鉄道で旅したい、という例によって救い難い鉄道旅マニアの欲求ですw。

ところが、雪中行脚がまずかったのか、あるいはここに至るまでの無理が祟ったのか、身体がとにかく、太っているせいだけではなく、重たいのです。体力が消耗し、ちょうど風邪を引き始める直前のような、身体の節々がダルい感覚。30分くらい悩みましたが、決めました。

▼東京直行

はい、というわけで、昨夜のウチに東京に帰ってきました。この日記も、もうケータイではなくPCからうってます。新千歳空港から羽田行き、それでも少しでも節約しようとAIR DOに乗ったのですが、さっくりと飛行機で帰京。うう〜ん、なんとも尻切れトンボなフィナーレとなってしまいました。ちょっと、情けないところです。ただ、無理をしても意味は無いので、これはこれで、オトナな部分としては冷静な判断ってことでひとつ。



切符も無く、目的地も宿泊先も決まっていない、というところから始まったこの旅。こういう旅のスタンス自体は、実は父から受け継いだものだったりするのですが(それはまた別の機会に)、結果的に、東北北海道に点在する、小生の行きたかった場所の幾つかを巡ることが出来たのは大満足です。ぶっちゃけ、体はまったく休まりませんでした。毎日が慌しかったのも確かです。でも、こういう旅をしてきた、という事実と、その中で触れたモノや人が、小生にとっての楽しみ、そして価値になっています。

そして、ここまで駄長文にお付き合いくださった読者様もありがとうございました。途中で読む気がしなくなったアナタは、冷静な判断をしていると思いますw。家の事情や社会的な事情で思うようにいかない人も多々いらっしゃるとは思いますが、やっぱり今回の旅を通じて伝えたいことはひとつ。



気ままな独り旅は良いですヨ!
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