『あるいは裏切りという名の犬』を観た。
(2004年 仏 監督:オリヴィエ・マルシャル
出演:ダニエル・オートゥイユ ジェラール・ドパルデュー ダニエル・デュヴァル
ヴァレリア・ゴリノ フランシス・ルノー ミレーヌ・ドモンジョ アンドレ・デュソリエ)
ずっと前から観たかったのだけど、レンタル中の連続でなかなか観ることができなかった。
今回、やっと借りることができて、うれしー
原題は『36 QUAI DES ORFEVRES』。
フランス語ゆえによくわからないのだが、たぶん「オルフェーブル河岸36番地」??
とにかく邦題は原題とは全く違うので、ちょっとビックリ
【かつては親友だったレオ(ダニエル・オートゥイユ)とドニ(ジェラール・ドバルデュー)は
今やパリ警視庁の中では次期長官の座を争うライバルだ。
現金輸送車強奪事件を巡り、二人は対立。
やがて、ドニの行動がきっかけとなってレオの親友エディが殉職してしまい…。】
し、し、し、渋い。 激渋っっっ
これ、フレンチノワールってやつスか? かっこよすぎ!!
ストーリーはよく練られているとは思うんだけど、いかんせんあまり説明っぽいものがないので
状況を把握するまでに多少時間がかかった。
「たぶんこうなんだろうな」って感じで理解が深まってくると…ものすごく映画の世界に
引き込まれていった。
人望もあり、正義感もある刑事レオ。
が、やられたらやり返す、みたいなやんちゃで激しい一面も持っている。
権力のためなら手段も選ばないドニ。
美しい妻も手に入れ、「立派な警官」を目指す仕事人間。
刑事ものの特徴なのか、この作品も登場人物がやたらと多い。
よって、最初は誰が誰にやられたのかなかなか把握できなかった(笑)
ある程度分かってくると、けっこう細かなことが重なってるのが理解できる。
名優二人の演技は申し分なく、ダニエル・オートゥイユはマジ渋かわいい感じだった。
てか、レオは人がいいところもあるので、悪人にはなりきれないのかも。
復讐したいのに、正義漢と情けみたいなのが邪魔をして、苦しむような…。
今回、久々に映画の中の「悪代官」をマジで憎たらしく思った。
それはないやろ、あんた、みたいな…。けっこう感情移入してた証拠かしら…(笑)
男優に混じってた女優さんたちもそれぞれ華があってよかったな。
レオとドニの奥さんたちは、男くさい画面なのに彼女たちが出てくるたびに明るくなった。
マヌー役のミレーヌ・ドモンジョもどっしりした感じで◎。
フランスの女優さんって、歳とっても素敵!
ついでに、成長したレオの娘ローラ役は、ダニエル・オートゥイユとエマニュエル・ベアールの
間の実の娘さんなのだそうだ。そういわれれば、似てたかも…。
現金輸送車強奪事件の周りで起こる異なった事件。復讐が幾重にも重なってゆく。
いくつもの伏線を散りばめながら展開される「激渋男祭」のようなノワール…。
なんて重厚かつ、濃厚なの!! あ〜男臭っ(笑)
ラストがこれまた意外な展開で、けっこうこの作品にハマったかも。
なんでも私以外にもこの作品に魅了された人がハリウッドにもいたらしく、デ・ニーロが
リメイク権を得ているのだとか。出演はジョージ・クルーニーの名前があがっているそうだ。
…どうなんだ?
ちょっと男っぽくて重厚なおフランス映画が観たい時にオススメ。
夜中に電気消して観るとなお
かも!?
最後に一言。「私から、ティティに花束を…」
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