みんなあ、お花見したかい。
今年の桜は開花宣言が出たと思ったら、あっちゅう間に満開になって、あれよあれよという間に散っていったからね。
機会を逸した人も多かったんじゃないか。
そういう中でも、おいらは2回お花見をやったよ。
1回目は先週の水曜日、4月10日のこと。
ご近所のさくら通りの桜は雨にもめげず健在ぶりを示していた。
うちとこの夫婦はその先の枝垂れ桜を見ながら自転車を駆った。
で、浦和PARCOの駐輪場にチャリを置いて歩いた。
目指したのは浦和最大の観光資源ともいえる調神社。またの名を月の宮神社。
狛犬の代わりにうさぎ。
手水の飾りも池の中もとにかくうさぎ、うさぎの神社なのだ。
うちらは神社にお参りした。
おいらは作法通り2礼2泊していつも通り家内安全のお願いごとをしたつもりだったけど、カミさんに注意された。 終わった後、1礼するのが大事よ。
うーむ、こないだ10キロ徒歩業の途中で氷川神社にお参りしたときには礼を失しちまったな。
で、神社の裏の公園に行った。満開の桜がうちらを迎えてくれた。
「見事なもんだな」おいらは感嘆した「初めて見たよ」
「えっ、初めて?」カミさんが驚いた声をあげた。
「浦和に住んでいたら、いつでも見れたはずよ」
「いや、案外機会はないんだよ。一人で来るのもなんだしな」
「地元にお友達がいないとそうなるのかもしれないわね」
「それにしても」とおいらが続けた。
「人影が少ない。絶好のお花見日和なのにみんなどうしたんだろう?」
「今日は平日よ。みんなは仕事をしてるのよ」
なるほどとおいらは頷いた。
平日に夫婦でお花見をする。
フリーマンならではの贅沢であることに今さら気がついたのだった。
もう一か所の浦和の花見処の玉蔵院にも回ってみたけれど、そっちはすでに葉っぱだけになっていた。
早咲きの種なのだろう。しょうがない。これからも機会はあるからね。
これがおいらの第1回お花見だった。
その後、二人で美味しいランチを賞味して写真も撮ったんだけど、そのことを書くのはまたの機会にする。
今回は桜のお花見がテーマだ。
そして、中身をテーマに沿ったものに絞り込んで、日記を短くするのが今回のおいらの目論見なのだ。
ということで桜の歌。
おいら、ネコ好きのわりにこのワンコロの名前のバンドが好きなんでね。
草野君は弱いくせによく吠えるワンコが気に入っていてバンドの名前にしたそうだ。
スピッツ/チェリー
https://www.youtube.com/watch?v=Eze6-eHmtJg&pp=ygUb44OB44Kn44Oq44O844CB44K544OU44OD44OE
その後もよいお天気が続いた。
おいらの散歩道にある花壇のチューリップも満開が間近っぽかった。
朝のお天気おねえさん、近藤奈央気象予報士によるとチューリップは気温が20度を超えると満開になるそうだ。
そして、おいらの第2のお花見の開催日の4月14日、今週の日曜の東京の最高気温は26度になるという。
ひえー、ざん、えんりゃくじ! 26度っつったら夏日じゃないか。
いや、お花見のメンバーは3人だけなんだけどさ。4月の中で3人とも都合がつくのはピンポイントでこの日だけだったんだよ。
それにまあ、桜を愛でるのはほんのひと時だけで、あとは飲んだりなんだりなので、花が散った後でも一向にかまわない。
実際、葉桜会をやったこともあるし、もっとひどいときは雨降りだったので、さくら水産で飲んだくれたこともある。
あるいは、おいらが超忙しかったとき、職場からの携帯が鳴ったこともある。
「なんで仕事に出てこないんだ?今、何やってる?」
「何って花見っすよ」
「何い、この忙しいときに花見とはけしからん!」
「そっちこそ何いってるんですか、今日は日曜日ですよ」
相手は年も職位も上だったけど、そんなの知ったこっちゃなかった。
ちょっと酒も入ってたしね。
結局、相手の方が下手に出てきて、話は翌日の月曜にすることで収まった。
ええと、また話が長くなっちまったな。
お花見のメンバーはへろへろさんとろまさんとおいらの3人。
俺ら3人は会社の同期、大阪支社に配属になって独身寮で一緒になった。
いわゆる同じ釜の飯を食った仲だ。
大阪の後は同じ職場になることはなかったんだけど、それでもしょっちゅう集まって飲んできた。
で、花見をやるべ、やるならあの公園だな、土曜日に集まろうということになった。
2009年3月のことだ。
ろまさんはスピンアウトして別の会社に行ってたけど、それでも俺らはつるんでいた。
それはいいんだけど、お花見の前日の金曜にねえ、へろへろさんとおいらは上司に肩を叩かれちまったんだよ。
いやあ、おいらなんかさあ、上司っつったら専務執行役員だったからねえ。
業務時間中に近くの喫茶店で会いたいというので、なんだろうと訝しみながら行ったら、その話だった。 文字通りの肩たたき。 ガビーンだったよ。 青天のへきれき。
で、早退してカミさんに話してガビーンとなってもらって、とにかくもう会社には残れないという結論になって、折よく帰ってきた息子二人にも話した。
お花見はそういうガチョーンなタイミングになっちまったんだけどねえ、へろへろさんはやりたいという、先に会社を辞めていたろまさんはいやも応もない。
おいらもせっかくの機会だし、いっちょ飲んだるかい!という気になった。
で、顔を合わせたのはいいんだけど。
最初はドヨーンとしたムードだった。桜は満開だったけど、それどころじゃなかった。
ろまさんもヘタなことは言えないしね。
でも、酒が進むにつれて、まあ、そのうちなんとかなるだろう!はっはっは!という風に陽気になってきた。
まさにこの歌の通りだった。 植木等って男はほんとすげえ奴だよ。
植木等 だまって俺について来い 1964
https://www.youtube.com/watch?v=Iy-A_wdYrXQ&pp=ygUr5qSN5pyo562JIOOBoOOBvuOBo-OBpuS_uuOBq-OBpOOBhOOBpuadpeOBhA%3D%3D
で、おいらもへろへろさんもなんとかなった。
肩をたたかれて辞めた分、退職金に割り増しがついたしね。
それで新しい職が見つかったんだから、坊主丸儲け。
翌年も同じメンツで同じ場所で集まった。
前年はドヨーンとしてた桜の花が輝いて見えたよ。
で、それ以来、メモリアル花見と称して同じメンツで同じ場所に集まってるわけだ。
当日は天気予報通りの夏日だった。
おいらは半袖のポロシャツにジーンズ、頭にはハットという出で立ちで出かけた。
新宿駅では、おいらが目指す中央線の手前の階段にいつもの特急が表示されている。
かいじにあずさ。乗ったことはないけれど、馴染みのある車名だ。
ひとつはギャンブル依存症にかかった男の話。
そして、もうひとつは男をふるひでえ女の歌だ。
狩人 / あずさ2号 (1977)
https://www.youtube.com/watch?v=mSjcLmS9v7o&pp=ygUU44GC44Ga44GVMuWPtyDni6nkuro%3D
中央線のホームでは、向かいにかかっていたデッカイポスターが目についた。
そうか、「晴れ風」であるか。
たしかに今日はピーカンだ。 よし、乾杯の缶ビールはこいつにしよう。
で、おいらは新宿からひと駅の中野に降り立った。
アーケード街には鯉のぼりが飾られていた。
そうか、もうそんな季節なのか。花見の季節は終わってるな。
で、アーケード街のどん突き、いつも通りの中野ブロードウェイに入り
入り口のペコちゃんに会った。ペコちゃんは桜色の着物を着ていた。
で、エスカレーターで上にあがった。
約束はまんだらけの前で12時。
待ち合わせの時刻までには間があったので、おいらは漫画本を立ち読みすることにした。
まんだらけの開店は12時だけど、立ち読みコーナーだけは11時からOKなんでね。
おいらは「小林さんちのメイドラゴン」のスピンアウト作品を手に取った。
ファフニールが主人公。マイナーな作家のスピンアウトものだけに画は雑だけど、けっこう面白い。
漫画をほとんど読み終わったところでろまさんがやってきた。
事前のやりとりでは俺ら二人が先に行って場所取りしておいて、そこにへろへろさんがやってくることになっていた。
なので、二人で歩き始めたところでおいらの携帯がなった。へろへろさんからだった。
予定より早く用事が終わったのでブロードウェイに着いたところだという。
こうして無事に3人揃ったのだった。
俺らは百均のダイソーでお花見に必要な雑貨類を買った。
おいらとろまさんはビニールシートを持参していたけど、小さいのでもう1枚欲しい。
あと、紙コップとかお皿とかそういうの。
で、行く道の途中の焼き鳥屋さんでネギマやら皮やらレバやらトントロやらを見繕い、
スギ薬局とファミマでビールや水、ポテサラなどを調達した。
道々聞いたところ、へろへろさんはその日が誕生日だったんだと。
67歳! おいらはこの1月に66歳になったばかりだってのに。
で、新宿の予約が必要な高級喫茶店で奥さんとケーキを食べたんだって。
その後、早く行きなさいと追い立てられて、中野に来たんだと。
うーむ、そんな大事な日だったとは。。
と言っても、誕生日プレゼントがあるわけでもなし。
喫茶店でのひとときが終わったらフリーになったんだって。
うちとこみたいに家族の誰かの誕生日が来るたびに飲めや歌えやのパーティーをやって、プレゼントを渡すのはあんまり一般的ではないらしい。
その代わり二人ともうちにはない行事が満載。お孫さんの関連だ。
3人の4月の都合がかみ合わなかったのは、うちとこの次男の誕生月なことと二人のとこのお孫さんの行事がなんやかんやあったためだ。
へろへろさんとおいらは定年退職したフリーマン、ろまさんだけまだ仕事をやってるけど、自由度はかなり高い。
そういう立場になったらなったで、なんだかんだが発生するもんなんだよ。
なにはともあれで俺らはお参りをした。
新井山梅照院、またの名を新井薬師。桜の名所として知られている。
俺らはその裏手の公園でしょっちゅう酒盛りをしている。
今どきは公園で酒盛りなんてご法度のところが多いけれど、ここはコロナ明けは酒盛りする人がいるんだよ。 特に桜の季節はね。
今年の桜はほぼ終わっていたけれど、それでも公園の真ん中には車座になっている人らがいた。
俺らはそのグループから離れた木の根元にシートを敷いた。いつもの場所だ。
ドラゴンボールとバドワイザーのシートがおいらの持ってきたの。
息子らが小さかった頃、仙台の西公園や広瀬川のほとりで家族でお弁当を広げたときのものがまだあったんでね。
で、なにはともあれ乾杯した。
なにに乾杯したかっていうと、一人は今日が67歳の誕生日だったからね、お互いこの齢になっても健康なことに乾杯した。
ライトなアルコールはスギ薬局で缶を仕入れた。
ヘヴィーなのはへろへろさんが持ってきてくれた。
こういう化粧箱入りの日本酒。
知り合いからもらったそうだ。強すぎてすぐに酔っぱらうので、持ってきたんだって。
それはいいんだけど。
彼はその酒を炭酸水かなんかのペットボトルに詰めて持ってきたんでね。
元々は名のある高級酒なんだろうけど、ありがたみゼロになっちまってた。
それでも美味しかったよ。
で、そういう酒を飲んで、焼き鳥やなんかをパクついて、くっちゃべった。
写真はない。出がけにカミさんからきつく言われてたんでね。
しょうもない写真を撮ってそのままにするからスマホを失くすのよ。
今回はお花見の写真、厳禁
まあ、たしかに桜は散っちまったし、ペットボトル入りの酒やら焼き鳥やらの写真はしょうもない。
で、なにをくっちゃべったかというと、例えば「午前十時の映画祭」のこと。
東宝がまたしてもやってるんだよ。
その中にへろへろさんお薦めの映画が2本ある。
「妖星ゴラス」と「海底軍艦」だ。特に「海底軍艦」が素晴らしいんだって。
おいらは両方とも見たことがないんだけど、誰か見たことある? 轟天号の雄姿。
で、我々はそれらを鑑賞して反省会もやることで合意したんだけど、来年の話だ。
もっと近くで何かないのか?おいらが聞いたら、へろへろさんがハリウッド版ゴジラが近々公開されると答えた。
そんなんで、我々はそのゴジラを見ることで合意した。
気の置けない友たちとしょうもないお喋りを続ける。
この上ない楽しさだ。
おいらはあおむけに寝っ転がった。
真昼の月がかすかに見えた。
こうして、メモリアル花見は楽しく終わった。
公園のゴミ箱が撤去されていたけれど、中野精通者のろまさんが街中のスポットを知っていた。
「ゴミ箱とトイレがどこにあるかは常に押さえている」
なので、我々は安心して帰り道を歩んだ。
で、無事にゴミを処分して(あのゴミ箱の場所は秘中の秘だな)、中野駅でろまさんと別れて、新宿駅でへろへろさんと別れた。
新宿駅には今期の新作の広告がいっぱいあった。
ふーん、怪獣8号ねえ。まだ見てないな。
と、思ったら、花見会とは別系統のヲタ仲間から「怪獣8号は面白い」というメールがあった。
で、昨晩、居間を自由に出来たので、ネットフリックスで初回を見てみた。
たしかに凝った作りのアニメだったよ。ラストはなるほど、こう来たかああ!だった。
内容的にはこの二つとわりと似ている。
ということで、またしても長い日記になってしまったので、脈絡なくこの辺で〆る。
〆は桜にちなんだこの歌。
【HD】 松田聖子/チェリーブラッサム (1981年)
https://www.youtube.com/watch?v=EgZq3hArCGA&pp=ygUi44OB44Kn44Oq44O844OW44Ot44OD44K144OgIOiBluWtkA%3D%3D
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