「NFTとは」で検索すると、よくHITする内容が
●Non-Fungible Tokenの略で代替不可能なトークン
●ブロックチェーン技術により偽造や改ざんが難しいため、固有の価値を持つ
●唯一無二の本物であることが証明される
●オリジナルとまったく同じものをコピーすることはできない
「Non-Fungible Token」や「ブロックチェーン技術」はよく分からない言葉だが、
「代替不可能」「固有の価値」「唯一無二の本物」「コピーすることはできない」という言葉に惹かれる人は多いのではないだろうか?
これが落とし穴だと私は思っている。
これらの言葉は嘘ではない。
が、普通の人が思い描く結果とはかなり乖離する。
【コピーすることはできない】
これが一番魅力的で誰でも分かりやすい言葉かと思う。
私もNFTを始めたときに、大いに勘違いしたのがコレだった。
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コピーすることはできない
右クリックで画像をコピー・ダウンロードが出来ない
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そう解釈した。
私同様の解釈をする人は多いんじゃないだろうか?
ネット上にあるイラストや写真は、右クリックで簡単にダウンロードできてしまうし、コピーもできてしまう。
(右クリックを禁止にしているサイトも時々見るが、コードが見れるので、ぶっちゃけ意味はない)
それが出来なくなるなら、画像自体の価値は格段に上がる。
スゴイ技術だ!( ゚∀゚)o彡°
と思ったわけなんだが、、、
NFTを扱ってるOpenSeaに行って、画像を右クリックしてみよう。
https://opensea.io/ja/assets/matic/0x2953399124f0cbb46d2cbacd8a89cf0599974963/46811255639051945138866956097219138859863370246297146128876577825398366142465
普通に、画像のコピーもダウンロードも出来てしまう。
え?!Σ(゜д゜lll)
「コピーすることはできない」って書いてあったやん!!!
嘘やん!!!ヽ(`Д´)ノ
私はそう思ったんだが。
コレが言葉の罠。
誰も、「画像がコピーできない」とは一言も言ってない。
「コピーすることはできない」モノの対象は、
画像データではない。
ブロックチェーン技術により発行されるトークンと呼ばれる固有の識別子(IDのようなもの)が、「コピーすることはできない」モノの対象。
画像そのものではない。
この「固有の識別子」は、よく鑑定書に例えられるのだが、
この法則に当てはめるなら、
「絵」そのものは複製し放題なのに、鑑定書は複製できない唯一無二の証明、
となる。
え・・・じゃあ価値があるのは鑑定書のほうなのでは・・・?(・ ω ・;)
【唯一無二の本物】
ま・・・まあ、画像が複製し放題だとしても、
「鑑定書をつけた画像だけが本物です」
って証明はできるよね?^^;
「コピーすることはできない」が自分の想定と違っていたので、次に着目した観点は「本物」だった。
「絵」という”画像データ”に、
「鑑定書」という”固有の識別子”を持たせることで、
『本物』を証明する。
NFTをやってる人でも、こう考えている人はたぶん多いのではないだろうか?
残念ながら、この考え方も間違いだ。
ブロックチェーンの仕組みに関する技術面に関しては自分もあまり詳しいわけではないので間違っていたら申し訳ないのだが。
おおまかには、
ブロックチェーンにデータを書き込み、トークンを発行する。
このこと自体に問題はないのだが、
問題となるのは、「ブロックチェーンに書き込むデータ」だ。
誰しもが、画像データをブロックチェーンに書き込んでいる、と思っているだろう。
自分も長らくそう思っていた。
が!
ブロックチェーンに画像データは書き込めない。
ブロックチェーンに書き込めるデータは容量がとても少ない。
そのため、画像のような大容量データは書き込めない。
画像で無理なのだから、3Dや動画、音楽も然り、だ。
「NFTアート」として、一番の根幹になる大事なデータは、どの種類であっても、ブロックチェーンに書き込むことは出来ない。
これが現実。
では、ブロックチェーンには何が書き込まれてるいるのか?
答えは、『URL』
「コピーすることはできない」のところで例にあげた絵の場合だと
https://i.seadn.io/gae/nCoAkQTJ-4SoUMoY7iEHzDSnltmBOUNchahdJq3S8e-tv25c77zg4Fir_Wc2apiPaBJpO4XRqNntec_LOuY5PH8CRPs2S4E-TgKUYIo?auto=format&dpr=1&w=1000
ブロックチェーンに刻まれているのは、このURLだ。
「本物」は、このURLであって、画像データそのものではない。
という意味不明現象が、現状のNFTである。
そして極端な話、このURLはOpenSeaが管理しているサーバーのものなので、OpenSeaが「サーバー閉じます!」といえば、消えてしまうのだ。
【本物であることの証明】
「本物」というワードに関しては、もう一つ問題点がある。
「トークン」は誰でも発行できる。
特に何の審査も無い。
つまり、「トークン」自体を発行した人物が、本物か偽物か、トークンだけでは分からないのである。
「トークン」は、発行したした人物を保証してくれるものではない。
「トークン」は、よく「鑑定書」に例えられる、と書いたし、
私も鑑定書として例を出していたが、その「鑑定書」自体が、「自称」なのだ。
「本物」を証明する「鑑定書」自体が、そもそも本物か分からない。
身も蓋もない言い方をすれば、NFTは『本末転倒』ということだ。
NFTをやったことのある人なら、偽のコレクションが作られている等の情報がTwitterで叫ばれているのを見るのも珍しくはないだろう。
「オリジナルとまったく同じものをコピーすることはできない」「本物であることの証明」してくれるはずのNFTなのに、偽物が出回るのは日常茶飯事。
結局、SNSでマメに情報を取得して、
偽物をつかまされないように、
自分の偽物が出回らないように、
注意しまくらねばならない。
というわけで、
唯一無二の本物はURLのことであり、
そのURLに本物証明をつけた人物が本物かどうかは分からず、
画像データそのものの扱いは今までのネット上の画像データと何ら変わりはない。
これがNFTの正体。
あれ?
NFTのメリットって・・・?(・ ω ・;)
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