仕置屋稼業にエバタン

第3話 「一筆啓上 紐が見えた」（1975年）

おこう（中村玉緒）からの殺しの依頼は加吉（中尾彬）という男。
仕置料は10両で依頼人は島送りになったおさと（津路寿々代）。

さっそく中村さん（藤田まこと）は捨三（渡辺篤史）に
加吉の身辺調査をさせるが
仕置に値するような男ではなく、
毎日を一生懸命真面目にやっているとの報告。

それをおこうに伝えると
そんなはずはない、あの博打好きは一生治るはずない！と
強く否定。
おさとの罪状は強請りと堕胎だが
これも加吉が仕組んだ仕業であり
おさとは加吉の言いなりになっただけと主張。
とにかく頼みを聞いてくれと必死に頼む。

しかし捨三は「改心したんですよ」と乗り気でない。

おさとにはおちさ（上原ゆかり）という妹がいる。
おちさは博打好きでろくでもない加吉を嫌っていたが
改心した様子の加吉を次第に頼るようになる。

そんなおちさの元へエバタンが訪ねてきた。
白髪交じりのエバタン。

エバ「あんたが、おちささんかい？」
おちさ「ええ、私に何か？」
エバ「あんたの姉さんのおさとさんの事でね」
「実をいうと島でおさとさんに会ってね」
「俺はなぁ、島からけえってきたばっかりなんだよ。その足で来たんだよ」
おちさ「で、ねえちゃんどうしてました？」
エバ「それがなぁ。来て間もなく体を悪くしてなぁ」
「丈夫な奴だってあんな島行きゃくたばっちまうよ。ましてや女だ。」
おちさ「ねえちゃん、よほど悪いんですか？」
エバ「ああ、いいとは言えないなぁ。しきりに江戸へ帰りたい、
加吉って人と所帯を持つんだって、うわ言のように言ってたぜぇ」
「あんまり不憫なんでなぁ。一度耳に入れといた方がいいと思ってよぉ」

おちさ「ねえちゃん、なんとかしてねえちゃんを」

おちさは加吉に相談。
エバタンが言うには「役人に袖の下を使えば何とかなるかもしれない」という事。

加吉は役人と話をつけてくるが30両が必要と言われたという。
おちさは、ねえちゃんと加吉の幸せのために、、と髪を売って金を工面。
同心 奥村（小林勝彦）に金を渡す。

しかし、その晩。
屋台で笑いながら酒を酌み交わすエバタンと加吉。
そこに奥村がやってくる。
3人は人気のない場所へ移動。

奥村は加吉に金を渡す。
加吉「富蔵（エバタン）」
エバ「へぇ」
加吉は貰った金の中からエバタンに、3両を渡す。
エバ「へぇ、どうも」
加吉「こいつはまだ序の口だよ。
あのおちさって女からまだまだ絞れる」
エバ「あんたにあっちゃ敵わねーや。骨までしゃぶる気だよ」
奥村「あんまり派手にやると目立つぞ」
加吉「ええ、気を付けますよ」
奥村「俺の事はわかってるな」
加吉「南町って所は相当厳しいと聞いていましたが。
まかり間違っても旦那の事は一切。。なぁ」
エバ「あしゃ、こう見えたって口のかてえとこ買われてるんで」
加吉「いざって時には頼りになるにいさんには。。」
加吉は奥村の大胸筋鎖骨部をゆっくり触る。
奥村は振り払う。
奥村「加吉、くでぇようだが、甘ったれるんじゃねーぞ、
オメーたちとつるんでるのがバレてみろ。俺はまちげぇなく死罪だ」

一部始終を見ていた中村さん。
ちゃんと調べてない捨三をぶん殴る。

市松（沖雅也）は陰間と間違えて誘惑してきた加吉をぶん殴る。
　
エバタンは加吉をガンガンぶん殴る。
エバ「こんなもんでどうや」
加吉「あー、いて。まあいいだろう。色男台無しだよぉ。
まあこれくらいの事で銭になるんなら辛抱だよぉ」
鏡をのぞき込む加吉の後ろでエバタンは茶を飲む。

ボロボロの加吉を見て驚くおちさ。
聞けば島の役人に足元を見られ、あと50両要求された。
金を作るために賭場でイカサマをやってヤクザにボコボコにされたと。

おちさは一生店に奉公するという条件で50両を借りてくる。
その金を奥村に渡しておさとが帰れるように頼む。
しかし、その場で奥村に犯される。
さらに加吉の博打の借金100両の形に岡場所に売られてしまう。
女に貢がせるだけ貢がせて用済みになると岡場所に売り飛ばす。
これがいつもの加吉の手だった。

一部始終を見届けた捨三の報告に仕置を決行すべく立ち上がるが、
加吉が南町に挙げられてしまった。
おちさが借金をした店の主人が
加吉に騙されたんじゃないかと訴えたのだ。

大番屋で取り調べをうけた加吉を
奉行所に連れて行くことになった中村さん。
奥村も同行を買って出る。

一行の後をコッソリ付いて行く市松と印玄（新克利）。
道端に竹が立てかけてある場所に差し掛かる。

竹が次々と倒れてきた。
エバタンが倒しまくっていたのだ。
どさくさに紛れて逃げる加吉。
エバタンも逃げる。

エバタンを追うのは印玄。
エバタンは屋根の上に逃げる。
ヒョッコリ出てきた印玄に捕まり
「逝きな」
背中を押される。

屋根を走り落ちていくエバタン。

エバ「とめて、やめて、とめて、やめて、とめて、やめて、略
あーーーーーーーーー」
屋根から落下。

グキッ

エバタン死亡。

※2021年08月02日（BS朝日）
※2022年03月25日（BS朝日）

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