6月7日、木曜日。
丸一日以上、泥のように眠った。熟睡が得られたのは久し振りだけれど、幾ら何でも睡眠時間が長過ぎる。何も出来やあしない。
6月8日、金曜日。
通所。
夕刻に梅田ブルク７へ。本日が初日の『TELL ME 〜hideと見た景色〜』を鑑賞。公開初日に映画館に駆け付けるのは実に久方振り。入場者特典の【『TELL ME』CDジャケット型ハンカチケース（120mm×120mm クリアファイル）】を、どうしても欲しくて。無事にいただけた。
●『TELL ME 〜hideと見た景色〜』
【1998年5月2日。X JAPANのギタリスト（HIDE名義）＆ソロアーティスト（hide名義。hide with Spread Beaver＆zilchとして活動）としてカリスマ的存在だったロック・ミュージシャンのhide（JUON）が急死。激しく動揺する大勢のファン。そんな中、制作途中だったアルバムは完成し、発売され、また既に決定していた全国ツアー『hide with Spread Beaver appear!!“1998 TRIBAL Ja,zoo”』も主役不在という前代未聞の状態で実施された。その裏側には、hideのマネージャーを務めた実の弟・松本裕士（今井翼）を初め、hideの共同プロデューサーI.N.A.（塚本高史）、レコード会社の面々、バンドメンバーといった仲間たちの姿が在った……】というスジ。
原作は松本裕士による自伝的エッセイ『兄弟 追憶のhide』（講談社文庫：刊）。原案協力としてI.N.A.の『君のいない世界~hideと過ごした2486日間の軌跡~」（ヤマハミュージックエンタテインメントホールディングス：刊）』もクレジットされている。
監督（共同脚本も）は、『ぼくたちと駐在さんの７００日戦争』、『ボクは坊さん。』、『今日も嫌がらせ弁当』などの塚本連平。
hideは大好きなアーティストだ。生前も好きだったし、彼亡き今でも、無論、好きだ。ドキュメンタリー映画『hide ALIVE THE MOVIE -hide Indian Summer Special Limited Edition-』（2013年）も、『hide 50th anniversary FILM JUNK STORY』（2015年）も、『HURRY GO ROUND』（2018年）も、何れも映画館で鑑賞した。（2016年のライブ・ドキュメンタリー『hide 3D LIVE MOVIE “PSYENCE A GO GO” 〜20 years from 1996〜』のみ、体調不良で劇場に足を運べなかった……）
『HURRY GO ROUND』は頂けなかったが、他の2作品は感涙物だった。
といったところで、本作。『TELL ME 〜hideと見た景色〜』。
あくまで＜書籍を基にしたフィクション＞との事である。（が、当時のアーカイヴ映像が随所で挿入されている）
正直な所、劇映画という事もあり、大きな期待は抱いていなかった。
「hideちゃんはhideちゃんで無いとhideちゃんじゃあ無い！！」という意固地なファン心理が大きく作用したものである。が、これは実際のhideを知る身としては当然に生じる感覚であろう。
出演陣は揃って真摯な熱演を披露しているし、演出も誠実だ。けれども、当時の資料映像に拮抗するだけのドラマが編めていない。劇映画としての構成は平板の一言に尽きる。クライマックスのLIVEシークエンスは見応えが有るけれども、「それならドキュメンタリーでイイじゃない……」と思ってしまう。（尚、当時の映像素材も使用しているので、画角がバンバンと変わるのがまた、ねえ…… 仕方無いと言えばそれまでだけれども……）
＜ファン心理＞というものは、本作にとっては避けられない高い壁である。そう断った上で、本作が「その壁を乗り越えられたか？」と問われれば、「否」と答える。ことほど左様に、＜ファン心理＞とは、時として実に厄介なものである。＜偶像（イコン）が有する強度＞は、そう簡単には解きほぐせないものなのだ。
といって、上映時間111分を退屈至極に過ごしたのかというと、これがそうでも無い。それも＜ファン心理＞ゆえ、である。詰まりは＜良くも悪くもファン向け＞なのだ（実際、hideのファンで無いと観ないだろうが） 1本の劇映画（一種の青春群像劇）としては残念な出来と言わざるを得ない。ファンとしては痛し痒しと言ったところだ。
映画鑑賞後は真っ直ぐに帰宅。
PCを立ち上げると、いきなりに安倍晋三元首相が近鉄大和西大寺駅付近での演説中に銃撃され、死亡した旨の報が飛び込んで来た。
なんてこった……
アンチであろうとなんだろうと、テロは許せない。「（襲撃は）政治信条に対する恨み（に依るもの）ではない」という犯人の供述はどういう事だろう。怖い…… 暗澹たる気持ちになった……
さてと、明日も通所だ。連続通所は初めてなので、早めに寝て早めに起きよう。
以上である。
＜添付画像使用許諾：2022「TELLME」製作委員会＞
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