うちの小さな小さな花壇には、毎年真っ白な紫陽花、アナベルがでっかい花をつける。
アナベルを植える前には赤と青の紫陽花が咲き誇っていたのだが、どちらも枯れたはずだった。
けれど数年前から赤だけが復活し、白く大きく柔らかいアナベルと共に、小振りではあるががっしりと強く太い赤い紫陽花が咲くようになっていた。
今年の夏はとくに暑く雨も少なかったせいもあり、紫陽花の花はとっくに役割を終えて、茶色くしぼみはじめていた。
はやく摘んでやらねば、と思っていたところに母が急逝したものだから、当然数日間そのままになっていた。
本日、全てを終えて、母は一抱えほどの箱になって帰宅しました。
すっかり枯れた花たちの中、赤い紫陽花がすっくと一本、ただ一本、新たに咲いていました。
こんな時期につぼみなど、なかったはずなのに。
茶色くしなびた花の中でも凛と咲いた赤い紫陽花は、強かった母のようでした。
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