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2022年05月04日01:58
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知床半島沖ＫＡＺＵ１事故��
知床観光船遭難 斜里町「１０人の乗客の身元確認」
04月26日 21時08分
斜里町によりますと、現場海域の周辺で救助され死亡が確認された１１人のうち、２６日までに１０人の乗客の身元が確認されたということです。
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観光船遭難 運航会社「知床遊覧船」社長が２７日午後に会見
04月26日 20時33分
知床半島の沖合で観光船が遭難した事故で、運航会社の社長が２７日午後、斜里町のホテルで家族への説明を行った後、記者会見を開くことになりました。
これは２６日夕方、現地対策本部の本部長を務める国土交通省の坂巻健太大臣官房審議官が明らかにしました。
それによりますと、２７日午後１時半から斜里町のホテルで観光船の運航会社「知床遊覧船」の桂田精一社長が、乗客の家族に対して説明を行ったあと、午後３時半から記者会見を開くということです。
桂田社長は、２６日の家族への説明会は姿を見せず、これまでに記者会見も行っていません。
こうした姿勢に対し、２６日の説明会では家族から十分な説明を求める強い要望が寄せられ、国土交通省の渡辺副大臣も「会社に対し、義務として説明しなければいけないと言っていきたい」と述べていました。
坂巻審議官は、桂田社長が『手が回らなかった』と説明しているとしたうえで、「会見では当日の出航に至るいきさつや実際の船との通信などいろいろな話があり、船体の亀裂についても言及があると思う」と述べました。
一方、第１管区海上保安本部からは、家族に対して魚群探知機による探索で遭難現場近くの海底に一定の大きさの物体があることがわかり、ダイバーが潜って確認を進めたものの、新たな発見はなかったと説明があったということです。
２７日の捜索については、天候の悪化が予想されるため、漁船や観光船を使って進めることは難しいということです。
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事故当日 船長と無線“次第に緊迫” 関係者が証言
04月26日 17時57分
知床半島の沖合で起きた観光船の遭難事故で、当日、航行中の船長が別の運航会社の関係者と行った無線のやりとりの内容が関係者への取材で明らかになりました。やりとりからは、途中で波が高くなってきたことや、最後は船長が「大変なことになった」と伝えるなど、次第に緊迫していった様子がわかります。
関係者によりますと、遭難した観光船「ＫＡＺＵ １」の運航会社は、数か月前から船と連絡を取り合うための無線機のアンテナが壊れ、事故の当日、豊田徳幸船長は、別の運航会社と無線で連絡をとりあっていたということです。
関係者によりますと、出港後、無線でのやりとりは３回あり、１回目は、船長から「カシュニの滝を通過した」と運航の状況を伝える連絡があったということです。
そして２回目のやりとりでは、「波が高くなった。ゆっくり航行するので港に戻るのが遅れる」と状況の変化を伝えてきたということです。
最後となった３回目のやりとりでは、突然、緊迫した様子になり、船長は「大変なことになった」と伝え、「ライフジャケットを着せろ」と誰かに声をかける音声が聞こえ、このやりとり以降、無線は途絶えたということです。
無線を聞いた別の運航会社のスタッフは慌てて「ひどいことになっている。海保に電話する」と話していたということです。
当日の状況を証言した関係者は、「ＫＡＺＵ １の運航会社には従業員が３人しかおらず、船長は１人でやらなくてはいけないことが多すぎて、天気予報も見ていなかったのではないか。操縦技術はうまかったが、経験が浅く、あまり教えてもらえていなかったようだ」と話していました。
【運航会社「知床遊覧船」とは】
遭難した観光船の運航会社「知床遊覧船」は、複数の関係者によりますと、数年前に網走市の会社から斜里町の宿泊施設を経営する人に引き継がれたということです。
その際、保有する２隻の観光船のほか、船長や甲板員など数人の従業員が残りましたが、１年ほど前にベテランの船長など多くの従業員が辞め、去年、豊田徳幸船長が「ＫＡＺＵ １」の船長になったということです。
関係者の男性は、「豊田さんは仕事はなんでもテキパキとこなす人だった。船の操縦は上手だったが、知床の海は１年しか経験がなかった。波もすぐ出てくるし、普通の人にとっては大変だと思う」と話していました。
その上で、「去年、多くの従業員が辞めて船に乗るのは豊田船長ともう１人の甲板員しかいなかった。２隻を運航するには船に乗る人だけで５人から６人はいないといけない。社長は海のことをよく知らない人で、波が高くてうちの船が出られないときに『他の船が出ているのになぜ出られないんだ』と言っていた」と話していました。
信用調査会社によりますと、運航会社の年間の売り上げは、３年前は推定で５５００万円ありましたが、コロナ禍のおととしと去年は４０００万円ほどに減少していたということです。
【船長の元上司“無茶するような人間ではない”】
知床半島の沖合で観光船が遭難した事故で、豊田徳幸船長がかつて勤務していた長崎県島原市にあるバス会社の当時の上司がＮＨＫの取材に応じました。
この会社は、６年ほど前に市からの業務委託を受けておよそ８か月間、地元の観光客向けに水陸両用バスを運行していて、その期間、豊田船長が運転手として働いていたということです。
当時の勤務の様子について、「日頃から車両の点検はきちんとしていて少しでも悪いところがあれば『修理お願いします』と言っていた。同僚に仕事を教えるときに『きちんとしろ』と言うなど厳しい面もあったが、勤務態度は真面目だった」と振り返りました。
その上で、「こちらでの仕事ぶりを見ていて無茶をするような人間ではなく自分の判断で出港したとは思えません。早く生きて見つかって、これだけ波が高かったのにどういう経緯で出港したか証言してほしい」と話していました。
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知床の事故受け 室蘭港で海保と運輸局が小型観光船の安全点検
04月26日 17時51分
知床半島の沖合で乗客・乗員２６人が乗った観光船が遭難した事故を受けて、室蘭市では、海上保安部と運輸局が室蘭港周辺を巡る小型観光船の安全点検を行いました。
小型観光船の安全点検は、知床半島沖での遭難事故を受けて、室蘭海上保安部と北海道運輸局が合同で実施しました。
２６日は職員あわせて５人が室蘭港を訪れ、港に係留された小型観光船「ライジングドラゴン」に乗り込んで、船長の立ち会いのもと点検を進めました。
このなかでは船長から、航行記録の保管状況や、気象などを確認した上で運航しているかについて聴き取ったほか、救命道具や消火設備が適切に備え付けられているかなどを確認していました。
海上保安部と運輸局は今後も道内で遊覧船などを運航する事業者を対象に順次、安全点検を進めていくということです。
安全点検を受けた小型観光船の船長を務める伊藤京香さんは「たいへん痛ましい事故で、決してひと事ではないので、改めて気を引き締めて安全運航に努めたい」と話していました。
また室蘭海上保安部の大谷良彦次長は「事業者には気象状況の確認や、船を出発する前の点検を徹底してほしい」と話していました。
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観光船遭難 乗客を知る人たちは 地元の住民は
04月26日 17時51分
【坂出市役所の職員も】
知床半島の沖合で起きた観光船の遭難事故で亡くなった香川県丸亀市の男性は、坂出市役所の職員で、職場の元上司は「信じられない気持ちだ」と話しました。
第１管区海上保安本部は２５日夜、死亡した１１人のうちこれまでに身元が確認された３人の氏名を公表し、このうちの１人を香川県丸亀市の河口洋介さん（４０）と明らかにしました。
河口さんは香川県坂出市の職員で、市によりますと、環境保全などを担当する部署の係長だったということです。
職場で上司だった大林紀彦職員課長は「真面目に１つの仕事に向き合うタイプで、ふだんは無口で穏やかな職員。『まさか同姓同名か』と思うほど信じられない気持ちです」と話していました。
【“船上でプロポーズする予定だった”】
観光船の乗客で、行方がわからなくなっている北見市の鈴木智也さんの叔父の男性が取材に応じ、苦しい胸の内を語りました。
男性によりますと、鈴木さんは彼女と一緒に乗船し、船上でプロポーズする予定だったということです。
男性は、「智也さんと最後に会ったのは２か月ほど前で立派な大人になったと思っていた。とにかく早く見つかってほしい」と話していました。
また、観光船の運航会社の「知床遊覧船」に対しては、事故についての十分な説明がないと憤っています。
男性によりますと、運航会社の社長は、家族などを対象にした説明会で、「事故当日は波が高くなると予想されていたので、午後になる前に戻ってくるように船長に伝えたが帰ってこなかった」と説明していたということです。
男性は、「社長が航路については自分の判断ではないと言いたいのかと思うが、反省の色が見えないと思った。情報があいまいで、分からないことが多く、真相を究明してほしい」と話していました。
【千葉の乗客を知る人は】
第１管区海上保安本部が遭難事故で亡くなった乗客として公表した千葉県松戸市の※ヌデ島優さん（３４）を知る近所に住む５０代の女性は「お母さんから優さんは旅行が好きだと聞いていました。知床のニュースは気になっていたので、身近な人が被害にあったと知って驚きました。なんと声をかけたらいいのかわかりません」と話していました。
※ヌデは木偏に「勝」 勝は上の点が「八」
【絵本や菓子入ったリュック発見】
知床半島の沖合で観光船が遭難した事故で、これまでの捜索の結果、現場の周辺海域から絵本や菓子の入った小型リュックなどが見つかったことが分かりました。
これは第１管区海上保安本部の横内伸明次長が、２６日午後１時半に開かれた家族への説明会のあと、現地対策本部が置かれている斜里町役場ウトロ支所で明らかにしました。
それによりますと、これまでの捜索の結果、現場の周辺海域から絵本や菓子の入った小型のリュックが見つかったということです。
このほか、救命胴衣のほか、「いす」のようなものも発見され、いずれもすでに回収されたということです。
一方、２６日午後には、現地対策本部にオレンジ色の浮き輪や救命胴衣とみられるものが運び込まれているのも確認できました。
第１管区海上保安本部では、一連の捜索で見つかった回収物について、今後、遭難との関係などを詳しく調べるとしています。
【斜里町の住民らが献花】
遺体が安置されている斜里町の運動施設に設けられた献花台には、次々に町民が訪れ、花やお菓子、ぬいぐるみなどを供えて亡くなった人たちを悼みました。
このうち、知人らと献花に訪れた地元の女性は「春からこんなことになるとは夢にも思っていなかった。とても残念です。事故を起こした会社には残された遺族にもしっかりと説明してあげてほしい」と話していました。
その上で「二度とこんなことが起きないように、小さい船でもきちんと安全に運航できるような仕組みを国で作ってほしい」と訴えました。
また、献花に訪れた斜里町に住む３０代の女性は「かわいそうな気持ちでいっぱいです。コロナで自粛が続く中、旅行を楽しみにして来ていたのにこういう形になってしまって残念でなりません。私の夫が漁師で毎日天候を見て把握していた。すぐに天候が変わる海で、漁師が引き揚げているのに船を出してしまったのは判断が甘かったのではないか」と話していました。
子どもが亡くなったのを悼み、お菓子とぬいぐるみを供えた斜里町の６０代の女性は「黙って見ているだけでは気が済まなくて、亡くなった３歳の女の子のお父さんとお母さんが見つかるようにということと皆さんのご冥福を祈るために来ました」と話していました。
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知床観光船事故 船長の元上司「勤務態度まじめで無茶しない」
04月26日 17時29分
北海道の知床半島の沖合で乗員・乗客２６人が乗った観光船が遭難した事故で、船長が勤務していた長崎県の会社の当時の上司がＮＨＫの取材に応じ、「勤務態度は真面目で、無茶をする人間ではない」と話しました。
北海道の知床半島の沖合で観光船が遭難した事故で、いまも行方がわかっていない豊田徳幸船長が勤務していた、長崎県島原市にあるバス会社の当時の上司がＮＨＫの取材に応じました。
この会社は、６年ほど前に市からの業務委託を受けて、およそ８か月間、地元の観光客向けに水陸両用バスを運行していて、その期間、豊田船長が運転手として働いていたということです。
当時の勤務の様子について、「日頃から車両の点検はきちんとしていて、少しでも悪いところがあれば『修理お願いします』と言っていた。同僚に仕事を教えるときに『きちんとしろ』と言うなど厳しい面もあったが、勤務態度は真面目だった」と振り返りました。
そのうえで、「こちらでの仕事ぶりを見ていて無茶するような人間ではなく、自分の判断で出港したとは思えません。早く生きてみつかって、これだけ波が高いのにどういう経緯で出港したか、本当の証言をしてほしい」と話していました。
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知床半島の沖合 これまでも観光船の事故相次ぎ安全対策検討
04月26日 16時00分
乗客・乗員２６人が乗った観光船が遭難した知床半島の沖合では、これまでも観光船の事故が相次ぎ、安全対策が検討されてきました。
平成１７年６月には、乗客３２人を乗せた小型の観光船が知床岬から南西に９キロあまりにある岬近くの浅瀬に乗り上げて、乗客２２人が重軽傷を負う事故が置きました。
事故の審判を行った函館地方海難審判庁は、現場は暗礁や干潮の時にしか露出しない岩があるほか、多数の定置網がある海域で、運航会社が海域の実態に合う基準の航路を記載した運航基準図を作成するなどの安全の確保を十分に行わず船長が針路選びを適切に行わなかったとして、船長の業務を１か月１５日停止する裁決を言い渡しました。
この事故を受けて、観光船の運航会社や漁業団体、それに行政機関からなる「知床地区旅客船等安全対策等連絡会議」が設立され、海域の実態に合う基準経路が作成されるなど、安全対策の強化が図られました。
しかし、その後も事故が相次ぎ、平成２９年６月には、乗客３３人を乗せた小型の観光船が航行中に定置網に絡まり海に潜って絡んだロープを切ろうとした船長が行方不明になりました。
また、令和元年６月には、乗客３７人を乗せた小型の観光船が岩礁に接触し、船長が船を急停止させた反動で乗客と乗組員１３人が重軽傷を負いました。
運輸安全委員会によりますと、この事故では小型の観光船は、基準経路から離れて岩礁に近づいていたということです。
北海道運輸局は運航会社が船長に対し安全教育や訓練を実施していなかったためにけが人の救護を適切に行わなかった上海上保安庁に通報しなかったなどとして会社に対して安全管理対策の再構築を命じました。
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家族説明会に副大臣出席 家族から“運航会社の代表が説明を”
04月26日 12時19分
知床半島の沖合で観光船が遭難した事故で、乗客の家族に捜索の状況などを伝える説明会が斜里町で２６日も開かれ、説明会のあと、国土交通省の渡辺副大臣は「家族から運航会社の代表が説明してほしいと要望があり、会社に対し、義務として説明しなければいけないと言っていきたい」と述べ、会社に対し説明を尽くすよう強く求める考えを示しました。
国や斜里町などによる乗客の家族への説明会は、２５日から１日３回開かれていて、２６日は町内のホテルを会場にして開かれています。
１回目の説明会は午前９時半ごろから非公開で行われ、国土交通省の渡辺副大臣が初めて出席し、冒頭、家族に挨拶をしたということです。
また、海上保安庁からこれまでの捜索状況について報告されたということです。
一方、観光船の運航会社の社長は出席しなかったということです。
説明会のあと、国土交通省の渡辺副大臣は「家族からの意見として運航会社の代表が説明してほしいと強い要望があった。会社に対し、しっかりと説明する材料を準備して責任として一歩進んで義務として家族に説明しなければいけないと強く言っていきたい」と述べ、会社に対し説明を尽くすよう強く求める考えを示しました。
説明会は、２６日はこのあと午後１時半からと午後５時からの２回開かれることになっています。
【７人の身元確認】
斜里町によりますと、現場海域の周辺で救助され死亡が確認された１１人のうち、２５日までに７人の乗客の身元が確認されたということです。
【２遺体が家族のもとへ】
斜里町によりますと、観光船の遭難事故で現場海域の周辺で救助され死亡が確認された人のうち、乗客名簿に香川県の住所が記載されていた乗客１人と千葉県の住所が記載されていた乗客１人の遺体が、２６日午前、家族に引き渡されたということです
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知床観光船事故から４日目 広範囲で捜索 半島先端の陸上でも
04月26日 11時39分
知床半島の沖合で乗客・乗員２６人が乗った観光船が遭難した事故は、２６日で発生から４日目になります。海上保安本部などが周辺の広範囲で行方不明者を探しているほか、半島の先端付近では陸上での捜索も行われています。
今月２３日、乗客・乗員２６人を乗せた観光船「ＫＡＺＵ １」（１９トン）が知床半島の沖合を航行中に遭難した事故は、２４日に１１人が救助されましたが全員の死亡が確認されました。
事故発生から４日目の２６日も、現場海域の周辺では第１管区海上保安本部や自衛隊、それに漁業関係者などが引き続き捜索にあたっています。
また、半島の先端付近では小型船で上陸した捜索隊が海岸に流れ着いた人などがいないか検索していました。
海上保安本部によりますと、２６日は午前１１時の時点で新たな発見・救助につながる手がかりは見つかっていないということで、半島の南東にある根室海峡まで範囲を広げながら捜索を続けることにしています。
【“なんとか手がかりを”】
斜里町ウトロの港では、２６日も午前６時前から漁業や消防の関係者などが捜索の範囲を確認したあと、次々と船を出しました。
２６日は、ウトロ漁協と斜里第一漁協に所属する漁船８隻に加えて観光船３隻の体制で、カシュニの滝の周辺から知床岬にかけての沿岸や沖合を捜索し、可能な場合はさらに範囲を拡大する予定だということです。
２６日は２５日までと比べて天候が良く、岸に上がったり潜水したりして捜索することもできる見込みだということです。
ウトロ漁協の深山和彦組合長は捜索に先立って報道関係者に対し、「きのうは何も手がかりがなく残念だった。きょうは波が穏やかで沿岸も探せるので、なんとか手がかりを見つけたい」と話しました。
また、捜索にあたる漁業関係者は「少しでも早く見つけ出して家族のもとに返してあげたい。皆同じ思いだろう」と心境を語りました。
【小型の船は午前中で帰港】
斜里町では、強風注意報が出ていて風が強まってきたことから、小型の観光船や釣り船は、２５日よりも早い正午前から斜里町ウトロの港に戻りましました。
観光船で捜索に参加した男性は、「ウトロ特有の突風が吹いていて、小型の船は危ないので諦めて帰ってきました」と話していました。
釣り船で捜索に参加した男性は、「日にちが経つほど厳しい状況になるのでできれば見つけたかったが、難しかったです。１人でも多く早く見つかってほしい。あす、あさっては海がしけるので捜索に出るのは難しいと思います」と話していました。
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知床の事故受け びわ湖の観光船が安全対策を再確認
04月26日 09時01分
北海道の知床半島の沖合で乗客・乗員２６人が乗った観光船が遭難した事故を受け、びわ湖で観光船を運航する滋賀県彦根市の会社では船員に対し日頃の点検を強化するなど安全対策を改めて徹底するよう呼びかけました。
彦根市の観光船の運航会社「近江トラベル」は３隻の船でびわ湖の島を訪れるクルーズを１日に５便ほど運航しています。
２５日、１日の運航を終えたあと、月に一度の安全対策会議が開かれました。
この中で、会社の安全統括管理者が北海道の事故について触れ、出席した船員などに対し「同業他社で起きた事故を重く受け止め、事故の予防措置や非常時の対応などを確実にできるよう安全管理を改めて徹底してほしい」と呼びかけました。
この会社では、船体に傷がないかやエンジンに不具合がないかなどを乗船する船員が運航前後に点検していて、乗る船をあえて固定せずに交代で３隻の船に乗ることで複数の目で確認しているということです。
さらに今回の事故を受け、点検を強化するなど対策をさらに徹底したいとしています。
近江トラベルの安全統括管理者の伊藤孝樹 業務部長は、「こうした事故は絶対に起こしてはいけない。今まで以上に点検や非常時の訓練などを強化していきたい」と話していました。
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04月26日 21時08分
斜里町によりますと、現場海域の周辺で救助され死亡が確認された１１人のうち、２６日までに１０人の乗客の身元が確認されたということです。
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観光船遭難 運航会社「知床遊覧船」社長が２７日午後に会見
04月26日 20時33分
知床半島の沖合で観光船が遭難した事故で、運航会社の社長が２７日午後、斜里町のホテルで家族への説明を行った後、記者会見を開くことになりました。
これは２６日夕方、現地対策本部の本部長を務める国土交通省の坂巻健太大臣官房審議官が明らかにしました。
それによりますと、２７日午後１時半から斜里町のホテルで観光船の運航会社「知床遊覧船」の桂田精一社長が、乗客の家族に対して説明を行ったあと、午後３時半から記者会見を開くということです。
桂田社長は、２６日の家族への説明会は姿を見せず、これまでに記者会見も行っていません。
こうした姿勢に対し、２６日の説明会では家族から十分な説明を求める強い要望が寄せられ、国土交通省の渡辺副大臣も「会社に対し、義務として説明しなければいけないと言っていきたい」と述べていました。
坂巻審議官は、桂田社長が『手が回らなかった』と説明しているとしたうえで、「会見では当日の出航に至るいきさつや実際の船との通信などいろいろな話があり、船体の亀裂についても言及があると思う」と述べました。
一方、第１管区海上保安本部からは、家族に対して魚群探知機による探索で遭難現場近くの海底に一定の大きさの物体があることがわかり、ダイバーが潜って確認を進めたものの、新たな発見はなかったと説明があったということです。
２７日の捜索については、天候の悪化が予想されるため、漁船や観光船を使って進めることは難しいということです。
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事故当日 船長と無線“次第に緊迫” 関係者が証言
04月26日 17時57分
知床半島の沖合で起きた観光船の遭難事故で、当日、航行中の船長が別の運航会社の関係者と行った無線のやりとりの内容が関係者への取材で明らかになりました。やりとりからは、途中で波が高くなってきたことや、最後は船長が「大変なことになった」と伝えるなど、次第に緊迫していった様子がわかります。
関係者によりますと、遭難した観光船「ＫＡＺＵ １」の運航会社は、数か月前から船と連絡を取り合うための無線機のアンテナが壊れ、事故の当日、豊田徳幸船長は、別の運航会社と無線で連絡をとりあっていたということです。
関係者によりますと、出港後、無線でのやりとりは３回あり、１回目は、船長から「カシュニの滝を通過した」と運航の状況を伝える連絡があったということです。
そして２回目のやりとりでは、「波が高くなった。ゆっくり航行するので港に戻るのが遅れる」と状況の変化を伝えてきたということです。
最後となった３回目のやりとりでは、突然、緊迫した様子になり、船長は「大変なことになった」と伝え、「ライフジャケットを着せろ」と誰かに声をかける音声が聞こえ、このやりとり以降、無線は途絶えたということです。
無線を聞いた別の運航会社のスタッフは慌てて「ひどいことになっている。海保に電話する」と話していたということです。
当日の状況を証言した関係者は、「ＫＡＺＵ １の運航会社には従業員が３人しかおらず、船長は１人でやらなくてはいけないことが多すぎて、天気予報も見ていなかったのではないか。操縦技術はうまかったが、経験が浅く、あまり教えてもらえていなかったようだ」と話していました。
【運航会社「知床遊覧船」とは】
遭難した観光船の運航会社「知床遊覧船」は、複数の関係者によりますと、数年前に網走市の会社から斜里町の宿泊施設を経営する人に引き継がれたということです。
その際、保有する２隻の観光船のほか、船長や甲板員など数人の従業員が残りましたが、１年ほど前にベテランの船長など多くの従業員が辞め、去年、豊田徳幸船長が「ＫＡＺＵ １」の船長になったということです。
関係者の男性は、「豊田さんは仕事はなんでもテキパキとこなす人だった。船の操縦は上手だったが、知床の海は１年しか経験がなかった。波もすぐ出てくるし、普通の人にとっては大変だと思う」と話していました。
その上で、「去年、多くの従業員が辞めて船に乗るのは豊田船長ともう１人の甲板員しかいなかった。２隻を運航するには船に乗る人だけで５人から６人はいないといけない。社長は海のことをよく知らない人で、波が高くてうちの船が出られないときに『他の船が出ているのになぜ出られないんだ』と言っていた」と話していました。
信用調査会社によりますと、運航会社の年間の売り上げは、３年前は推定で５５００万円ありましたが、コロナ禍のおととしと去年は４０００万円ほどに減少していたということです。
【船長の元上司“無茶するような人間ではない”】
知床半島の沖合で観光船が遭難した事故で、豊田徳幸船長がかつて勤務していた長崎県島原市にあるバス会社の当時の上司がＮＨＫの取材に応じました。
この会社は、６年ほど前に市からの業務委託を受けておよそ８か月間、地元の観光客向けに水陸両用バスを運行していて、その期間、豊田船長が運転手として働いていたということです。
当時の勤務の様子について、「日頃から車両の点検はきちんとしていて少しでも悪いところがあれば『修理お願いします』と言っていた。同僚に仕事を教えるときに『きちんとしろ』と言うなど厳しい面もあったが、勤務態度は真面目だった」と振り返りました。
その上で、「こちらでの仕事ぶりを見ていて無茶をするような人間ではなく自分の判断で出港したとは思えません。早く生きて見つかって、これだけ波が高かったのにどういう経緯で出港したか証言してほしい」と話していました。
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知床の事故受け 室蘭港で海保と運輸局が小型観光船の安全点検
04月26日 17時51分
知床半島の沖合で乗客・乗員２６人が乗った観光船が遭難した事故を受けて、室蘭市では、海上保安部と運輸局が室蘭港周辺を巡る小型観光船の安全点検を行いました。
小型観光船の安全点検は、知床半島沖での遭難事故を受けて、室蘭海上保安部と北海道運輸局が合同で実施しました。
２６日は職員あわせて５人が室蘭港を訪れ、港に係留された小型観光船「ライジングドラゴン」に乗り込んで、船長の立ち会いのもと点検を進めました。
このなかでは船長から、航行記録の保管状況や、気象などを確認した上で運航しているかについて聴き取ったほか、救命道具や消火設備が適切に備え付けられているかなどを確認していました。
海上保安部と運輸局は今後も道内で遊覧船などを運航する事業者を対象に順次、安全点検を進めていくということです。
安全点検を受けた小型観光船の船長を務める伊藤京香さんは「たいへん痛ましい事故で、決してひと事ではないので、改めて気を引き締めて安全運航に努めたい」と話していました。
また室蘭海上保安部の大谷良彦次長は「事業者には気象状況の確認や、船を出発する前の点検を徹底してほしい」と話していました。
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観光船遭難 乗客を知る人たちは 地元の住民は
04月26日 17時51分
【坂出市役所の職員も】
知床半島の沖合で起きた観光船の遭難事故で亡くなった香川県丸亀市の男性は、坂出市役所の職員で、職場の元上司は「信じられない気持ちだ」と話しました。
第１管区海上保安本部は２５日夜、死亡した１１人のうちこれまでに身元が確認された３人の氏名を公表し、このうちの１人を香川県丸亀市の河口洋介さん（４０）と明らかにしました。
河口さんは香川県坂出市の職員で、市によりますと、環境保全などを担当する部署の係長だったということです。
職場で上司だった大林紀彦職員課長は「真面目に１つの仕事に向き合うタイプで、ふだんは無口で穏やかな職員。『まさか同姓同名か』と思うほど信じられない気持ちです」と話していました。
【“船上でプロポーズする予定だった”】
観光船の乗客で、行方がわからなくなっている北見市の鈴木智也さんの叔父の男性が取材に応じ、苦しい胸の内を語りました。
男性によりますと、鈴木さんは彼女と一緒に乗船し、船上でプロポーズする予定だったということです。
男性は、「智也さんと最後に会ったのは２か月ほど前で立派な大人になったと思っていた。とにかく早く見つかってほしい」と話していました。
また、観光船の運航会社の「知床遊覧船」に対しては、事故についての十分な説明がないと憤っています。
男性によりますと、運航会社の社長は、家族などを対象にした説明会で、「事故当日は波が高くなると予想されていたので、午後になる前に戻ってくるように船長に伝えたが帰ってこなかった」と説明していたということです。
男性は、「社長が航路については自分の判断ではないと言いたいのかと思うが、反省の色が見えないと思った。情報があいまいで、分からないことが多く、真相を究明してほしい」と話していました。
【千葉の乗客を知る人は】
第１管区海上保安本部が遭難事故で亡くなった乗客として公表した千葉県松戸市の※ヌデ島優さん（３４）を知る近所に住む５０代の女性は「お母さんから優さんは旅行が好きだと聞いていました。知床のニュースは気になっていたので、身近な人が被害にあったと知って驚きました。なんと声をかけたらいいのかわかりません」と話していました。
※ヌデは木偏に「勝」 勝は上の点が「八」
【絵本や菓子入ったリュック発見】
知床半島の沖合で観光船が遭難した事故で、これまでの捜索の結果、現場の周辺海域から絵本や菓子の入った小型リュックなどが見つかったことが分かりました。
これは第１管区海上保安本部の横内伸明次長が、２６日午後１時半に開かれた家族への説明会のあと、現地対策本部が置かれている斜里町役場ウトロ支所で明らかにしました。
それによりますと、これまでの捜索の結果、現場の周辺海域から絵本や菓子の入った小型のリュックが見つかったということです。
このほか、救命胴衣のほか、「いす」のようなものも発見され、いずれもすでに回収されたということです。
一方、２６日午後には、現地対策本部にオレンジ色の浮き輪や救命胴衣とみられるものが運び込まれているのも確認できました。
第１管区海上保安本部では、一連の捜索で見つかった回収物について、今後、遭難との関係などを詳しく調べるとしています。
【斜里町の住民らが献花】
遺体が安置されている斜里町の運動施設に設けられた献花台には、次々に町民が訪れ、花やお菓子、ぬいぐるみなどを供えて亡くなった人たちを悼みました。
このうち、知人らと献花に訪れた地元の女性は「春からこんなことになるとは夢にも思っていなかった。とても残念です。事故を起こした会社には残された遺族にもしっかりと説明してあげてほしい」と話していました。
その上で「二度とこんなことが起きないように、小さい船でもきちんと安全に運航できるような仕組みを国で作ってほしい」と訴えました。
また、献花に訪れた斜里町に住む３０代の女性は「かわいそうな気持ちでいっぱいです。コロナで自粛が続く中、旅行を楽しみにして来ていたのにこういう形になってしまって残念でなりません。私の夫が漁師で毎日天候を見て把握していた。すぐに天候が変わる海で、漁師が引き揚げているのに船を出してしまったのは判断が甘かったのではないか」と話していました。
子どもが亡くなったのを悼み、お菓子とぬいぐるみを供えた斜里町の６０代の女性は「黙って見ているだけでは気が済まなくて、亡くなった３歳の女の子のお父さんとお母さんが見つかるようにということと皆さんのご冥福を祈るために来ました」と話していました。
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知床観光船事故 船長の元上司「勤務態度まじめで無茶しない」
04月26日 17時29分
北海道の知床半島の沖合で乗員・乗客２６人が乗った観光船が遭難した事故で、船長が勤務していた長崎県の会社の当時の上司がＮＨＫの取材に応じ、「勤務態度は真面目で、無茶をする人間ではない」と話しました。
北海道の知床半島の沖合で観光船が遭難した事故で、いまも行方がわかっていない豊田徳幸船長が勤務していた、長崎県島原市にあるバス会社の当時の上司がＮＨＫの取材に応じました。
この会社は、６年ほど前に市からの業務委託を受けて、およそ８か月間、地元の観光客向けに水陸両用バスを運行していて、その期間、豊田船長が運転手として働いていたということです。
当時の勤務の様子について、「日頃から車両の点検はきちんとしていて、少しでも悪いところがあれば『修理お願いします』と言っていた。同僚に仕事を教えるときに『きちんとしろ』と言うなど厳しい面もあったが、勤務態度は真面目だった」と振り返りました。
そのうえで、「こちらでの仕事ぶりを見ていて無茶するような人間ではなく、自分の判断で出港したとは思えません。早く生きてみつかって、これだけ波が高いのにどういう経緯で出港したか、本当の証言をしてほしい」と話していました。
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知床半島の沖合 これまでも観光船の事故相次ぎ安全対策検討
04月26日 16時00分
乗客・乗員２６人が乗った観光船が遭難した知床半島の沖合では、これまでも観光船の事故が相次ぎ、安全対策が検討されてきました。
平成１７年６月には、乗客３２人を乗せた小型の観光船が知床岬から南西に９キロあまりにある岬近くの浅瀬に乗り上げて、乗客２２人が重軽傷を負う事故が置きました。
事故の審判を行った函館地方海難審判庁は、現場は暗礁や干潮の時にしか露出しない岩があるほか、多数の定置網がある海域で、運航会社が海域の実態に合う基準の航路を記載した運航基準図を作成するなどの安全の確保を十分に行わず船長が針路選びを適切に行わなかったとして、船長の業務を１か月１５日停止する裁決を言い渡しました。
この事故を受けて、観光船の運航会社や漁業団体、それに行政機関からなる「知床地区旅客船等安全対策等連絡会議」が設立され、海域の実態に合う基準経路が作成されるなど、安全対策の強化が図られました。
しかし、その後も事故が相次ぎ、平成２９年６月には、乗客３３人を乗せた小型の観光船が航行中に定置網に絡まり海に潜って絡んだロープを切ろうとした船長が行方不明になりました。
また、令和元年６月には、乗客３７人を乗せた小型の観光船が岩礁に接触し、船長が船を急停止させた反動で乗客と乗組員１３人が重軽傷を負いました。
運輸安全委員会によりますと、この事故では小型の観光船は、基準経路から離れて岩礁に近づいていたということです。
北海道運輸局は運航会社が船長に対し安全教育や訓練を実施していなかったためにけが人の救護を適切に行わなかった上海上保安庁に通報しなかったなどとして会社に対して安全管理対策の再構築を命じました。
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家族説明会に副大臣出席 家族から“運航会社の代表が説明を”
04月26日 12時19分
知床半島の沖合で観光船が遭難した事故で、乗客の家族に捜索の状況などを伝える説明会が斜里町で２６日も開かれ、説明会のあと、国土交通省の渡辺副大臣は「家族から運航会社の代表が説明してほしいと要望があり、会社に対し、義務として説明しなければいけないと言っていきたい」と述べ、会社に対し説明を尽くすよう強く求める考えを示しました。
国や斜里町などによる乗客の家族への説明会は、２５日から１日３回開かれていて、２６日は町内のホテルを会場にして開かれています。
１回目の説明会は午前９時半ごろから非公開で行われ、国土交通省の渡辺副大臣が初めて出席し、冒頭、家族に挨拶をしたということです。
また、海上保安庁からこれまでの捜索状況について報告されたということです。
一方、観光船の運航会社の社長は出席しなかったということです。
説明会のあと、国土交通省の渡辺副大臣は「家族からの意見として運航会社の代表が説明してほしいと強い要望があった。会社に対し、しっかりと説明する材料を準備して責任として一歩進んで義務として家族に説明しなければいけないと強く言っていきたい」と述べ、会社に対し説明を尽くすよう強く求める考えを示しました。
説明会は、２６日はこのあと午後１時半からと午後５時からの２回開かれることになっています。
【７人の身元確認】
斜里町によりますと、現場海域の周辺で救助され死亡が確認された１１人のうち、２５日までに７人の乗客の身元が確認されたということです。
【２遺体が家族のもとへ】
斜里町によりますと、観光船の遭難事故で現場海域の周辺で救助され死亡が確認された人のうち、乗客名簿に香川県の住所が記載されていた乗客１人と千葉県の住所が記載されていた乗客１人の遺体が、２６日午前、家族に引き渡されたということです
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知床観光船事故から４日目 広範囲で捜索 半島先端の陸上でも
04月26日 11時39分
知床半島の沖合で乗客・乗員２６人が乗った観光船が遭難した事故は、２６日で発生から４日目になります。海上保安本部などが周辺の広範囲で行方不明者を探しているほか、半島の先端付近では陸上での捜索も行われています。
今月２３日、乗客・乗員２６人を乗せた観光船「ＫＡＺＵ １」（１９トン）が知床半島の沖合を航行中に遭難した事故は、２４日に１１人が救助されましたが全員の死亡が確認されました。
事故発生から４日目の２６日も、現場海域の周辺では第１管区海上保安本部や自衛隊、それに漁業関係者などが引き続き捜索にあたっています。
また、半島の先端付近では小型船で上陸した捜索隊が海岸に流れ着いた人などがいないか検索していました。
海上保安本部によりますと、２６日は午前１１時の時点で新たな発見・救助につながる手がかりは見つかっていないということで、半島の南東にある根室海峡まで範囲を広げながら捜索を続けることにしています。
【“なんとか手がかりを”】
斜里町ウトロの港では、２６日も午前６時前から漁業や消防の関係者などが捜索の範囲を確認したあと、次々と船を出しました。
２６日は、ウトロ漁協と斜里第一漁協に所属する漁船８隻に加えて観光船３隻の体制で、カシュニの滝の周辺から知床岬にかけての沿岸や沖合を捜索し、可能な場合はさらに範囲を拡大する予定だということです。
２６日は２５日までと比べて天候が良く、岸に上がったり潜水したりして捜索することもできる見込みだということです。
ウトロ漁協の深山和彦組合長は捜索に先立って報道関係者に対し、「きのうは何も手がかりがなく残念だった。きょうは波が穏やかで沿岸も探せるので、なんとか手がかりを見つけたい」と話しました。
また、捜索にあたる漁業関係者は「少しでも早く見つけ出して家族のもとに返してあげたい。皆同じ思いだろう」と心境を語りました。
【小型の船は午前中で帰港】
斜里町では、強風注意報が出ていて風が強まってきたことから、小型の観光船や釣り船は、２５日よりも早い正午前から斜里町ウトロの港に戻りましました。
観光船で捜索に参加した男性は、「ウトロ特有の突風が吹いていて、小型の船は危ないので諦めて帰ってきました」と話していました。
釣り船で捜索に参加した男性は、「日にちが経つほど厳しい状況になるのでできれば見つけたかったが、難しかったです。１人でも多く早く見つかってほしい。あす、あさっては海がしけるので捜索に出るのは難しいと思います」と話していました。
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知床の事故受け びわ湖の観光船が安全対策を再確認
04月26日 09時01分
北海道の知床半島の沖合で乗客・乗員２６人が乗った観光船が遭難した事故を受け、びわ湖で観光船を運航する滋賀県彦根市の会社では船員に対し日頃の点検を強化するなど安全対策を改めて徹底するよう呼びかけました。
彦根市の観光船の運航会社「近江トラベル」は３隻の船でびわ湖の島を訪れるクルーズを１日に５便ほど運航しています。
２５日、１日の運航を終えたあと、月に一度の安全対策会議が開かれました。
この中で、会社の安全統括管理者が北海道の事故について触れ、出席した船員などに対し「同業他社で起きた事故を重く受け止め、事故の予防措置や非常時の対応などを確実にできるよう安全管理を改めて徹底してほしい」と呼びかけました。
この会社では、船体に傷がないかやエンジンに不具合がないかなどを乗船する船員が運航前後に点検していて、乗る船をあえて固定せずに交代で３隻の船に乗ることで複数の目で確認しているということです。
さらに今回の事故を受け、点検を強化するなど対策をさらに徹底したいとしています。
近江トラベルの安全統括管理者の伊藤孝樹 業務部長は、「こうした事故は絶対に起こしてはいけない。今まで以上に点検や非常時の訓練などを強化していきたい」と話していました。
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