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2022年02月01日07:48

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1月の読書記録

久しぶりの5千ページ超え。昨年後半の不調は一体何だったんだろう?と改めて不思議になる。今年はコンスタントに本を読んでいきたいな。

2022年1月の読書メーター
読んだ本の数:17冊
読んだページ数:5167ページ
ナイス数:179ナイス

https://bookmeter.com/users/4147/summary/monthly/2022/1
■思考の教室
20代、30代の頃に読んでおきたかったと思うことしきり。題名とヴォリュームについ怯みそうになるが、いざ読み始めたら、軽妙な語り口に引き込まれサクサク読み進めることに。でも練習問題はさすがにかなりの歯ごたえ。じっくり考えても解けそうにない問題も散見され、この辺りはサラっと流す感じ(笑)。そこをスルーしても、得られるものは大きい。とりあえず、自分の思考法や文章作成能力を再検証する契機になるはず。また、世に席巻するヘイトやフェイクに対する批評眼も与えてくれる。時間があったら、練習問題にじっくり取り組んでみたい。
読了日:01月30日 著者:戸田山 和久
https://bookmeter.com/books/16965589

■宗教聖典を乱読する
世界の主な宗教を俯瞰的に捉えるのに便利な一冊。とはいえ、あくまでこれは足掛かりに過ぎないという前提だが。浄土真宗の僧侶でありながら、他の宗教にも精通し、敬意を払う著者の懐の深さに驚愕(ただカトリックの認識がかなり前時代的だったのが残念)。個人的には排他的なイメージが強いヒンズー教の多様な側面を垣間見られたのが大きかったか。それと神道の掴みどころのない性格も今更ながらに不思議。なまじ身近にあるだけに尚更…それから、衝撃的だったのは、中国の周辺諸国に対する横暴な振る舞い。これに無知だったのは痛恨の極み。
読了日:01月27日 著者:釈 徹宗
https://bookmeter.com/books/522273

■ユマニチュードを語る 市民公開講座でたどる〈それぞれのユマニチュード〉の歩み (生存科学叢書)
ユマニチュード概論というより、その実践例集という趣。ユマニチュードの全体像を把握するのには不向きだが、それでも介護の現場にいる者にとっては、何かと示唆的な記述が散見される。今一つ体系的なマニュアルが整備されず、場当たり的な対応が対応が横行しがちな介護の現場。つい効率性が優先され、肝心の介護される側の立場が等閑にされがち…その状況に疑問を感じながらも、つい場の空気に流されてしまうというのが、介護の現場の現実。そこであえて踏み留まって、介護される側の立場に立ち、何がその人にとって有用か?を考えるヒントになる。
読了日:01月26日 著者:イヴ・ジネスト,ロゼット・マレスコッティ,本田 美和子
https://bookmeter.com/books/12737560

■毛皮を着たヴィーナス (河出文庫)
世俗的なサドマゾの対立関係がいかに表層的なものでしかないかということを痛感。実は厄介で面倒臭いのはMの方でSはMに翻弄され疲弊するというのが真相という記述を目にしたことがあったが、本書を読んで深く納得した次第。自分には相手を支配しようとする欲望はさしてないのに、半ば一方的に支配し虐げることを望まれる…確かにこれは疲れるだろう。もう少し自分の性的嗜好を抑えて、相手との関係を育む努力ができたなら、セヴェリンとワンダの仲もそれなりに継続できただろうに…通俗的なイメージが先行して際物扱いされがちなのが残念。
読了日:01月26日 著者:L・ザッヘル=マゾッホ
https://bookmeter.com/books/23228

■ツァラトゥストラ〈下〉 (光文社古典新訳文庫)
前回読んだ時と、殆ど印象が変わらない(笑)。夥しいまでの寓話的エピソード。それらの繋がりや脈略、その言わんとするところが殆ど理解できず。確かにキリスト教批判がその奥底にあるのだろうということは理解できるのだが、それでも著者の真意を掴むところにまでは至らず。むしろ、変に理解しようとするのではなく、その文体やユーモアや、独特の言い回しを楽しんで読めばいいのか?また、女性への言及は見受けられるが、女性が出てこないというのが、今更ながらに気になる。まさに元祖ミソジニーの真骨頂というべきか?もう一度読んでみるかな。
読了日:01月24日 著者:フリードリヒ ニーチェ
https://bookmeter.com/books/2030663

■ツァラトゥストラ〈上〉 (光文社古典新訳文庫)
約十年ぶりの再読。初読の際には読了後殆ど何も頭に残っていないと感想を述べていたが、今回も理解は殆ど深まっていない(笑)。平易な訳文でサクサク読み進めることはできるが、意味不明なエピソードのオンパレードで、その言わんとするところが全くと言っていい程頭に入ってこない。ただ、時折、グッとくる言い回しに出会うので、そこを足がかりに読んでいたという塩梅か。訳者はあえて、訳注をつけなかったというが、やはり寓話的なエピソードに秘められた背景についての解説が欲しい。一度注釈付きの本訳を読むのも手か。手軽に読みたい人向け。
読了日:01月22日 著者:フリードリヒ ニーチェ
https://bookmeter.com/books/818472

■人類の選択: 「ポスト・コロナ」を世界史で解く (NHK出版新書)
著者の言う、リスク以上クライシス未満…という微妙なポジションがいみじくもこのコロナ禍の特徴を端的に言い表していると思う。過去にもあった世界的なパンデミック。しかし、その歴史の教訓を今一つ生かすことができず、無駄に右往左往している感が否めない昨今の状況。世界史の知識や、読書による知的鍛錬、状況を客観的に読み取る分析力、状況に流されない胆力…まさに人間の叡智が問われる時代なのだろう。とりわけ印象的だったのは、著者が強調する「薄い人間関係」の効用。こうして本の感想を発信するのも、薄い人間関係構築に寄与するかも。
読了日:01月20日 著者:佐藤 優
https://bookmeter.com/books/16204236

■神学入門: プロテスタント神学の転換点
二度目の再読。それでも未消化感が否めない…神学は単なる思弁的な学問ではなく、あくまで神との対峙という前提があってのものだというごく当たり前のことに気付かされた。どんなに神学書を読み漁り知識を蓄えたところで、自分と神との関係について真剣に取り組まないと意味をなさない。そこに気づかないまま、再読してきた自分の浅はかさを痛感。第一次大戦という未曾有の出来事を背景に生まれた危機神学。それまで興隆していた自由主義神学との緊張関係…この辺りは、字面を追うだけでは、なかなか理解しづらい。これは手元においておくべきかな…
読了日:01月19日 著者:ヨゼフ・ルクル フロマートカ
https://bookmeter.com/books/4408497

■危ない読書 教養の幅を広げる「悪書」のすすめ (SB新書)
これって悪書かな?と首を傾げてしまう本も見受けられたが、概ね興味深く読めた。この世知辛いご時世に良い人が出世したり成功したりするのは無理なんだな…ということを改めて痛感(笑)。一般的に見れば、敬遠されがちな独裁者や排外主義的な政治家、強欲な元経営者からあえて何かを学ぼうとするスタンスに共感を覚えた。こういう知的胆力は自分には欠けてるな…と再認識。個人的には『パルタイ』と『邪宗門』が取り上げられているのが、嬉しかった。とりわけ前者は自分の読みの浅さを思い知らされ、再読したくなった。後、堀江貴文も印象的。
読了日:01月19日 著者:佐藤 優
https://bookmeter.com/books/18308409

■ジャック・ラカン 精神分析の四基本概念(下) (岩波文庫)
前巻と同様、わりにサクサク読み進めることができたが、やはりその内容は殆ど理解できず。結局、本書におけるシニフィアンって?というところから理解できないのだから、最早お話にならない(笑)。もちろん、言語学におけるシニフィアンの意味くらいある程度理解できる。ただ、本書におけるシニフィアンの使われ方、その意味するところが、殆ど人を煙に巻くようなものだから、さっぱり頭に入ってこないという塩梅。この講義の趣旨は精神分析家を育てることだったそうだが、この内容で果たして分析家が巣だったのか?それでも再読したい気がする。
読了日:01月17日 著者:
https://bookmeter.com/books/16698267

■ジャック・ラカン 精神分析の四基本概念(上) (岩波文庫 青 N 603-1)
二十年ぶりで、二、三度目の再読。しかし、前回の記憶は皆無で恐らく十分の一も理解できていない(笑)。講義録ということで、語り口は平易でサクサク読める。しかし、本文中で使用されるタームが頭の中を素通りしていく感じで、内容が全くと言っていい程入ってこない。それでも、またそのうち読み返そうという気になるのが不思議。そもそもフロイトの理解が足りないのが問題か?ただ、メルロ・ポンティを始めとする何人かの哲学者への言及が目についたのが興味深かかったか。それと、難解で知られるラカンの著作だから、もっと詳細な訳注が欲しい。
読了日:01月14日 著者:
https://bookmeter.com/books/16302795

■人外魔境 (河出文庫)
内容はともかくとして、夥しいまでに頻出する差別用語にちょっとひく(笑)。時代的背景はもちろんあるのだろうけれど、作者自身の愛国的志向も影響している気がする。それにしても、驚かされるのが、執筆当時、海外経験が全くなかったのにも関わらず、海外の描写が非常にリアルなこと。これは著者の博覧強記と類い稀なる想像力の賜物だろう。詳細に読めばツッコミどころもあるのだろうけれど、ある意味そこも魅力なのかもしれない。個人的には大半のエピソードの主人公を占める折竹よりも、「大暗黒」の山座に魅力を覚えるので、そこが残念だった。
読了日:01月12日 著者:小栗 虫太郎
https://bookmeter.com/books/12545902

■神学入門: プロテスタント神学の転換点
初読の際の未消化感が強かったので再読。当然のことながら、初読の時には見えなかった様々な諸相が見えてくる。自由主義神学が果たした役割、そのカウンターとして登場した危機神学…そうした潮流に一定の評価を下しながらも、あくまで冷徹な視線を持って対峙する著者。その背景には、神学は信仰的実践を伴ってこそ意義があるというスタンスが透けて見える。初読の際には、十九世紀から二〇世紀前半の神学の変遷を解説したものと思われた本書が再読することによって、更なる発展性を帯びたものとして迫ってくる。読むという行為の深さを再認識。
読了日:01月09日 著者:ヨゼフ・ルクル フロマートカ
https://bookmeter.com/books/4408497

■コモンの再生
ああ、ここまで日本は落ちてきたんだな…内田氏の考察が全て正しいとは限らない。自分の憶測の誤りについて、氏自身が言明している。それでも、氏の言説で顕になった日本の姿には衰退の一途を辿っている様相しか見えないというのは穿ち過ぎか?東日本大震災から露骨になった日本劣化。それに伴う、軽佻浮薄も甚だしい日本凄いの言説とヘイト的な潮流。殆ど何もかもが心底うんざりさせられる現象であり、最早この世から降りたくなってしまう…でも現実から目を逸らすことはできない。その現実と対峙するところからしか始まらないと言うことを再認識。
読了日:01月09日 著者:内田 樹
https://bookmeter.com/books/16794710

■ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー 2
前作より若干コクが薄まった感はあるが、それでも読み所に事欠かない。両親が侃侃諤諤のやりとりをクールに受け止め、意見する息子さんの姿が印象的。そんな大人な顔を見せる一方で、母方との祖父とエモい別れをするという一面にグッとくる。そしてその息子さんより強い印象を残すのが、本書で影の主人公とも言うべき、アフリカからの移民の娘。彼女が素晴らしい歌唱で聴衆を圧倒する場面は本書の大きな山場。齢十三歳にして、人種問題を始めとする様々な社会問題に直面し、進路についても真剣に取り組むことを余儀なくされる息子氏の将来はいかに?
読了日:01月08日 著者:ブレイディ みかこ
https://bookmeter.com/books/18521429

■世界は善に満ちている: トマス・アクィナス哲学講義 (新潮選書)
再読。より、理解が深まるのと共に、未消化部分をより深く知りたいという意欲を掻き立てられるのが不思議。恐らく深く考察をすれば、突っ込み所を見出すことになるのだろうけれど、サラッと読む限りでは、感情という複雑なものを、なるほどと納得してしまうくらいに精緻に分析しているのに驚かされる。また、最初は晦渋極まりなく理解不可能に思えたスンマの文章が読み進めていくにつれ、ジワジワと身に沁みるように理解できるようになっていくプロセスを、本書に登場する学生と同時に味わっている感がある。次は中公版のスンマに挑戦するか…
読了日:01月04日 著者:山本 芳久
https://bookmeter.com/books/17268916

■人生論 (新潮文庫)
再読本。初読の時より多少は理解が深まった気はするが、それでも未消化感が強いのは否めない。訳文にも問題があるか。また著者の強固なヒューマニズムや理想主義が時々鼻につくのも確か(笑)。この辺りにもドストエフスキーとの資質の違いが表れていると言っていいだろう。ただ、その愚直なまでの人間理性への信奉が本書の魅力であるとも言える。個我に執着せず、他者を愛し、その犠牲になることこそが人間の究極の幸せである…荒唐無稽な理想論といえば、それまでだが、あえて高邁な理想を掲げ、その実践を目指すのは決して無意味な行為ではない。
読了日:01月02日 著者:トルストイ
https://bookmeter.com/books/520859


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