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2021年09月26日09:34

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フランスの新刊本

最近は古本屋で本を購入することがほとんどなので、なかなか新刊本を手に取ることがありません。本屋に行っても新刊本の情報に疎いので、どの本が面白そうなのよくわからないのが現状です。

思い立って新刊本を集中して読んでみることにしました。まずはフランス文学関連で、2020年から最近出版された本を3冊選びました。
評判はあまり気にせず、内容よりもタイトルや帯や装幀に惹かれた本ばかりです。

エリオット・アベカシス「30年目の待ち合わせ」
1989年のパリのソルボンヌ大学で出会ったアメリとヴァンサン、意気投合した二人は再会を約束しますがアメリは約束の時間に遅れてしまったので、二人はすれ違ったままとなります。その後10年後と20年後に二人は再会しますが、一歩を踏み出すことはありません。そして30年後、ソルボンヌ広場で二人は出会います。
出会いには時間を重ねることも重要だと教えてくれる作品です。原題は<<Nos rendez-vous>>「私たちの会う約束」。

マルク・ロジェ「グレゴワールと老書店主」
書店をたたんで老人施設で本3000冊と暮らすムッシュー・ピキエ。この施設で働く18歳のグレゴワールは、病気で本を読めなくなってきたムッシュー・ピキエのために朗読することになります。本をまったく読んだことがなかったグレゴワールが少しずつ変わってきます。そして朗読会への参加者が少し増え、老人施設の雰囲気が変わってきます。本一冊一冊について詳しく述べることはなく、本が他者との繋がりの方法であるというのは納得です。原題は<<Grégoire et le vieux libraire>>でほぼ同じタイトルです。

ジャン=クロード グランベール「神さまの貨物」
フランスのある森の木こりの夫婦には子供がおらず、おかみさんは神様に子供を授けてくださいとお祈りをしています。ある日、森を通り抜ける貨物列車の窓から子供が投げられます。この貨物列車は強制収容所に向かう列車で、子供を助けたいと考えたある男性がおこなったことでした。おかみさんは様々な困難に耐えながら、神様の贈り物を守っていきます。
童話として描かれたユダヤ人迫害で、おとぎ話ながら事実を鋭く伝える豊かな内容です。
原題は<<La Plus Précieuse des Marchandise>>「もっとも貴い貨物」。

この調子で日本文学の新刊も読んでみましょう。今に気になっているのは、原田マハ、平野啓一郎の新作です。


写真左:エリオット・アベカシス「30年目の待ち合わせ」
写真中:マルク・ロジェ「グレゴワールと老書店主」
写真右:ジャン=クロード グランベール「神さまの貨物」
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