18960311 NO4692 北部における露国測量隊の模様について、また我が測量隊に関する件
한국사데이터베이스 (history.go.kr)
010_0030_0260 駐韓日本公使館記録 10巻 参. 機密各館往復 (26) 北部における露国測量隊の模様について、また我が測量隊に関する件
文書題目 (26) 北部における露国測量隊の模様について、また我が測量隊に関する件
文書番号 機密第三号[本信は本省へ提出の写]
発信日 明治二十九年三月十一日 ( 1896年 03月 11日 )
発信者 在元山 二等領事 二口義久
受信者 弁理公使 小村寿太��
(26) 北部における露国測量隊の模様について、また我が測量隊に関する件
機密第三号[本信は本省へ提出の写]
昨冬露国より陸路で入国した朝鮮人・康洪明(カンホンミョン 洪鍾宇、権東寿らの同類で、一昨年来露国へ渡っていたものである)がこのほど元山に到着した。同人の言うところでは「北部各地にいる露兵は約五十人余りで、鏡城（キョンソン ＊現・咸鏡北道、清津の南）に六名、吉州（キルジュ）に七名、北青（プクチョン）及び咸興（ハムフン）にて数名がおり、その大部分は茂山（ムサン ＊1952年までは西の白頭山・摩天嶺山脈までを含む広大な郡であった。現在の茂山郡・延社郡・会寧市西部《咸鏡北道》、大紅湍郡・白岩郡・三池淵市東部《以上両江道》の範囲に相当する）に屯在している、という。
この露国兵は測量隊であり、最早北部海岸はおおよそ測量を終えたと言う。昨年十月中、我が参謀本部測量部より当国各道へ派遣になりました測量隊四班の内、その第一班は玉井大尉が班長となり、技手以下六十名余を引率し、目下当地（＊元山）に滞在しているが、同大尉か昨冬より今春にかけて、咸興、北青、吉州などの方面を測量の際、時に露国測量隊に出会い、彼らは我が測量隊を避けるので、我々も又また彼らを避け、そのため双方は接触を免れるようにしていたとの事。ところが朝鮮人の中でこの状況を目撃し、ある者は「日露は開戦するのであろう」と言い、ある者は「我が国を奪おうとする画策だ」と言い、とにかく一般に奇異の思いをしている折柄、断髮令断行の報が聞えてきたため何となく不穏の様子が現はれているようで、同大尉一行も一先ず引揚げ、目下当地（＊元山）付近の測量に取り掛っております。
そもそも今回所謂義兵、即ち暴徒がここかしこに蜂起して良民を苦しめ、民財を掠め、官吏を殺し、また我が日本人を害しつつあるものは、その主因は実は国母を殺害し、君父を押さえつけ、断髮の強行、税法の改変などはすべて日本人の助成によっているとの迷想から出た結果に他ならない。こうして彼等の憤激する断髮は本人の都合に従わせることとなり、租税は免ぜられ、朝廷では大臣もあるものは殺害され、あるものは亡命し、詔勅は雨のように下され、諭使は布を織るように発されているのだが、彼等（＊義兵）の頑冥はまだ容易に粛清されそうにもない。
また本道（＊咸鏡道）及び江原道などでは（＊義兵は）益々のさばりはびこり、ほとんどその留まる所を知らないものであることは別信でつぶさに述べた通りで、ある一つの面で放たれた蜚語（ひご ＊根拠のないデマ）に惑わされている、と。前述の測量隊に対する迷想とかもまた大いに彼等を激動させる一因であるようだ。
ただし当国南道における各地人民は、日清戦争によって我が陸海軍の威武を目撃し、いずれも恐懼・尊敬の念が深くなり、従って内地行商（＊日本人の行商）に対する韓人たちの感情は着々と旧態を改め、一般の貿易も大いに繁栄を見ることになったのだが、本道（＊咸鏡道）南北各地の人民はまだこれまで我が海陸軍の武威を知らない。そのため沿岸漁操者（＊日本人）は動（やや）もすれば危害を被ったり、内地行商者はまた常に妨害を受けていたのだが、近来一層危険のおそれがあるので、行商者は大体引き揚げ、各業者休業閉店の悲境に陥っておりまことに嘆息□□□□□□□。要するに当国のような国柄に対し安全□□□□より難事でありますが、威信を保持し得□□□□□要と存じますので、この際あるいは一面の関係御都□□□□ですが何とかして適当に示威の方法を執□□□□現状はたちまち消えてなくなり思いのほかの好結果を呈するのではないかと考える。
以上具報かたがた鄙見を上申します。 敬具
明治二十九年三月十一日
在元山 二等領事 二口義久印
弁理公使 小村寿太�� 殿
ログインしてコメントを確認・投稿する