side A
1. Butterflies / Travis
2. Dead Flowers / The Rolling Stones
3. Deep Deep Feeling / Paul McCartney
4. Eat My Dust / Blake Mills
5. Flying / Sounds Nice
side B
1. Get Back / Linda Peters
2. Good Enough / Van Halen
3. Key / YMO
4. Long Tailed Winter Bird / Paul McCartney
5. May Later / Blake Mills
bonus
1. マクガフィン / 岡村靖幸
2. On the Luna / Foals
レベル3の最新第640巻。ひとつ前の巻にも1曲入ってましたが、
ポール・マッカートニーさん(78)の驚異的な新作『マッカートニー�掘拏�録曲が本格的に登場です。
最初オープンエアで聴いたときは「さすがのポールも70代後半となってはそれらしい声質になってきたかな…」という印象でしたが、ヘッドフォンでじっくり聴くとこれ、実にいいなあ！ 少なくとも宅録「McCartney」シリーズの中では、圧倒的にちゃんとしています。
何よりオープニングのLong Tailed Winter Birdのアコギの録りかたの清冽さときたら！ ホントにスコットランドのWinter Birdを音像化すれば、まさにこういうものになるのではないかという。歌はスキャットのみのインスト曲ですが、ビートもジャンルもどこにも類似例が見当たらず、あまたの音響派アーティストをはるかに凌駕する具体的風景および心象風景の描写力。
そしてDeep Deep Feelingというとても長くてくどい（かも知れない）ナンバー。音の深みもD.ボウイの★を彷彿とさせますが、どうも歌ってる歌詞のほうも…なんとなくThe Endの最後のフレーズに通じるものがあるような…
なんとなくLast Wordsとして書かれたものに感じられなくもありません。
（まあそれでも、それで気が済んだとばかりにアルバム何枚ぶんの蛇足を繰り出し続けちゃうのがポールさんらしさじゃないかと。期待してますよ！）
ブレイク・ミルズという人についてはMMとROの評価がきっぱり分かれていました。MMでは米加ロックの6位にランクインしましたがROではトップ50にも登場せず、付随する座談会やシーン別レビューでも名前が挙がることはなかった。しかしMMでは10年代日本の最重要ミュージシャンたる折坂悠太、岡田拓郎の両氏をはじめ多くの人がインスパイアされた1枚に挙げており、まあとても気になる存在ではあったのです。
これ（アルバム『ミュータブル・セット』）もオープンエアではおよそピンと来ない、ジミ過ぎる1枚、だったのですが…
よくよく聴くと音づくりはすごい凝っており、かつ１個１個の音が高品質。ボン・イヴェールやトータス、クリス・シーリーが好みに入っている私などにはオンラインAIが当然リコマンドを仕掛けてくるであろう音楽、なのではありました。
でもなあ…さすがにこれは、若年寄が過ぎるんではなかろうか？ と本日May Laterを聴きながら改めて思ったのでもあります。
何より、聴いたあとにあんまり残るものが無いんだよね、ポールとは違って。現代的な意味では、むしろそこが美点なんだったりするんでしょうか？
→→→→→→→→→→→→
さて、しばらく前から「これをやってみよう」ということで温めていた企画の発表です（笑）。
３月初旬に『関ジャム』の３時間特番、「プロが選ぶJ-POP名曲ベスト30」というのがオンエアされましたね。わたしは田舎でチェックしましたので最初の15分を見ることができず、50〜31位については一瞬映っただけでしっかり確認できなかったのですが、こういうサイトにまるごと載ってますのでトップ30ともどもご確認いただけますと幸いです。珍しくリンクを張ります。
https://televi.tokyo/jpopranking2000-20
まあ、関ジャム御用達の皆さんが選ぶならこういう感じだろうなあ、まして「名曲」ってのはこういうもんだろうなあとも思いつつ、
それにしてもワタクシの趣味とはほとんど一致せんなあ！ と呆れることしばし。私のいわゆる「レベル２」に入ってるのは10位台に3曲ありましたが（おそらく3曲ともレベル１入りすることでしょう）、それ以外にCD持ってるのって…
ピコ太郎しかないじゃん。（笑）
で、ちょうど同じ頃MMことミュージック・マガジン誌上で発表されたのが「2010年代の邦楽アルバム・ベスト100」。こちらは選者が主に音楽評論家・ライターの皆さんで、対象は「曲」ではなく「アルバム」、対象も「2000年以降」と「2010年代」、さらに厳密に言えば「Ｊポップ」と「邦楽」というくくりの差異はあれど、
全く同じ「465点持ち投票制」によるランキングということで、どんな違いが出るのか興味深いものだと思われたのでした。なお「465点持ち」というのは…
選者がそれぞれ１位〜30位までのランキングを作り、それぞれ30点・29点…1点を付与する。その合計ポイントで総合ランキングを作成する
というシステム。30+29+〜2+1＝31×15＝465、になるのはすぐ解りますよね？
ところがこのＭＭランキング、ウェブ上にはどうも適切なリンク先が見つからないのでした。ここでは30位〜1位をカウントダウン方式で紹介したいと思います。
30位 山本精一『PLAYGROUND』
29位 PIZZICATO ONE『11のとても悲しい歌』
28位 ゆるふわギャング『Mars Ice House』
27位 三浦大知『球体』
26位 くるり『THE PIER』
25位 大森靖子『TOKYO BLACK HOLE』
24位 星野源『YELLOW DANCER』
23位 台風クラブ『初期の台風クラブ』
22位 カーネーション『Suburban Baroque』
21位 七尾旅人『リトルメロディ』
20位 二階堂和美『にじみ』
19位 森は生きている『グッド・ナイト』
18位 ROTH BART BARON『けものたちの名前』
17位 KOHH『MONOCHROME』
16位 一十三十一『CITY DIVE』
15位 Suchmos『THE KIDS』
14位 cero『POLY LIFE MULTI SOUL』
13位 柴田聡子『愛の休日』
12位 宇多田ヒカル『Fantôme』
11位 坂本慎太郎『できれば愛を』
10位 細野晴臣『HoSoNoVa』
9位 中村佳穂『AINOU』
8位 長谷川白紙『エアにに』
7位 民謡クルセイダーズ『エコーズ・オブ・ジャパン』
6位 坂本慎太郎『ナマで踊ろう』
5位 cero『Obscure Ride』
4位 サニーデイ・サービス『DANCE TO YOU』
3位 KIRINJI『cherish』
2位 コーネリアス『Mellow Waves』
1位 折坂悠太『平成』
こちらはさすがに私の趣味とぜんぜん合わないなんてことはなく、特に1位〜4位はいずれもレベル2に2曲以上を送り込むオキニ・アルバム。他にも6位・11位・14位・15位・26位の都合9枚が、この号を購入する以前から持っていた盤でした。
――でもそんなことより、『関ジャム』ランキングとの折合いの悪さときたらどうよ！
とりあえず、30位以内楽曲が上記30位以内に収められている例は皆無。それどころか、トップ30アーティストのカブリすら宇多田ヒカルと星野源、それに前者のキリンジと後者のKirinjiを同一と見做した場合の3組のみ。
いやあ、ミュージシャンと評論家って、こんなにも仲悪かったんですね！（笑）
これはこのランキングに限ったことではなく、たとえば同誌の年間アルバム・ポールには昨年も今年も米津玄師の名こそあれ、King Gnuや髭男、YOASOBIといった人々の名は一切登場しないのです。
これは一つには、こういった「黙っててもバズってる」人たちよりも、今イチ一般には知られてない良質な音楽や音楽家をプッシュしていくことこそ自分たちの仕事、という意識を皆さん持っておられるのではないでしょうか。
こちらはベスト100枚ですから、なにしろよく知らない名前がズラーっと並び目がクラクラする中、なぜかムーンライダーズと鈴木慶一がそれぞれ80位台にダブルランクインしていたり。決して「何でもアリ」ではないこのランキングにそれらしい雰囲気を齎してくれてると思います。
そんなわけで『関ジャム』の話に戻りますと、オンエア前週くらいに同局の深夜帯で『みえる！』という月１番組をやってまして、そのランキング１位曲が予想のネタに上がっていたのでした。
出演者５人のうち３人が挙げたのが「世界に一つだけの花」でしたが、惜しくも２位。しかしSMAPは30位以内に2曲を送り込んだ唯一のアーティストという栄誉に浴したのでした。
かの深夜番組を見ていた私は「あれだけはナイと思う」と公式に呟いたわけではありませんが、（投票者の）アーティストたちの予定調和嫌いに期待を込めていたのでした。そして僕の考える21世紀イチのJ-POP名曲は――
「ポリリズムでしょ!! １点買い！」
だったんですけどねえ…まあランクインしてたのは嬉しかったす（笑）。
そんなわけで、オレの中でベスト30を選んだらどうなるかな…と考え始めるとキリがないので、
個人的に各楽曲に付与しているポイントをベースに、2000年以降のJ-POP楽曲のベスト30を選んでみました。なお累積ポイントのため近年の曲は不利になりますので、条件がイーブンになるよう補正を施しております。これまたカウントダウンで！
30位 AQビート/EGO-WRAPPIN'
29位 WORLDEND/ねごと
28位 ミス・パラレルワールド/相対性理論
27位 さよならアメリカ/くるり
26位 ロックンロール/くるり
25位 SWEET/BONNIE PINK
24位 NIGHT FLIGHT/Perfume
23位 惑星タントラ/MONDO GROSSO feat.齋藤飛鳥
22位 コーヒー/FLOWER FLOWER
21位 斜陽/スガ シカオ
20位 BIG NOISE FROM WINNETKA〜黒アリのマーチングバンド/EGO-WRAPPIN'
19位 ラプソディー/THEE MICHELLE GUN ELEPHANT
18位 Your Song/LOVE PSYCHEDELICO
17位 91時91分/スガ シカオ
16位 かごの中のジョニー/くるり
15位 My last fight/LOVE PSYCHEDELICO
14位 シトロエンの孤独/THEE MICHELLE GUN ELEPHANT
13位 バナナの国の黄色い戦争/スガ シカオ
12位 Love is all/YUI
11位 ナポリを見て死ね/GRAPEVINE
10位 I mean love me/LOVE PSYCHEDELICO
9位 Communication/BONNIE PINK
8位 Can I Have A Word/CAPSULE
7位 午後のパレード/スガ シカオ
6位 ギブス/椎名林檎
5位 You ate it/LOVE PSYCHEDELICO
4位 オアシス/bird
3位 マインドトラベル/bird
2位 真夜中は純潔/椎名林檎
1位 空の向こうから/GRAPEVINE
唯一、関ジャムのトップ30と合致したのがギブスでした！
まあ予想どおりですが、アーティスト偏ってますよね…つごう16組しかいない（YUIちゃんとFLOWER×2は実質同じ?）。これはトップ50に広げたところでたいして変わらないのです。
この間、新しい日本のアーティストとの接触の機会は決して多くなかったと言うか、やはり90年代終盤にデビューした人たちの音楽が自分は好きなんだよなあ…と言うか。
MMのランキングを見て、遅ればせながら見聞を広げようという取り組みの反映が、いずれ紹介されることになると思います。
今日は79.0kgとなっております。
ログインしてコメントを確認・投稿する