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2021年04月01日09:06

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高齢・・避けられない現実があるなぁ〜

仕事の引退・・やはり年齢の壁があるのだろうか。

数日前に姉から「相談に乗って欲しい」と電話があった。変な文書が2通、相次いで届いたと言ってきたのだ。
どちらも宛名は姉の夫つまり義兄になっている。
1通は有名貴金属店から「御積み立て頂いている貴金属のお預かり更新日が近づいてきました」という内容だ。
姉は「新手の詐欺かしら・・」と心配したが、貴金属店に問い合わせてみると、確かに義兄は毎月定額を貴金属店に振りこみ、純金の板や金貨を購入して貴金属店の金庫に預けていたようだ。大した額ではないが、数百万円くらいの価値はありそうだ。
当の義兄は丸紅の役員を退職してから10年も経たないうちから、認知症が進み初めて、現役時代のことは忘却の彼方だ。不思議なもので、妻である姉や家族の顔・名前は未だ忘れずにいるのが幸いだ。医者によると、時間の問題らしいが。
生活費の通帳は姉に任されていたが、財産管理はほとんど義兄がしていたらしく、貯蓄の通帳や株などの有価証券の在りかを探すのに、姉は一苦労している。
2通目は、これが困ったもので「督促状」だ。しかも、固定資産税の納入期限を過ぎている、と書き添えられていた。差し押さえも有り得る内容だ。
しかも支払額がおよそ29万円。まぁ、降って湧いたような金製品を売れば簡単に賄える額だが、これこそ詐欺かも知れないし、本当に当局からの督促状なら毎年納入する必要がある。
一体何処の不動産に掛かっている税金なのか、当の本人に尋ねても「さぁ〜」と首をかしげるばかり。
そこで、今日、私は姉を訪ねてやって来た次第だ。
義兄本人の了解を得て、書斎の隅々まで探す手伝いに来たのだ。
あちらこちらと本棚の書籍類を下ろしたり、机の引き出しを全部ひっくり返したり・・土地証券のようなものは見当たらない。スパイ映画よろしく額縁の裏まで剥がしてみた。
ふと、手提げ金庫が入っていた机の一番下の引き出しを見ると、外から見るよりも浅いようだ。上げ底だった。
ついに見つけた。A4判の封筒に入った権利証と姉に宛てた手紙があった。封筒の表に、義兄の手書きで「よし子へ」と記されている。裏に日付。2021年4月10日、数日後の日付だ。未来の日付だが、便箋は湿気を含んで少し変色している。姉がつぶやく。
「結婚記念日やわ」
 おそらく義兄は、この日に手紙の入った封筒を姉に渡すつもりだったのだろう。
「何なの、私に宛てた手紙なんて結婚してから初めてよ。タカシ、読んでみて」
「お義兄さん、いいですか?読ませてもらいますよ」
「手紙かぁ、ぼくが書いたの?へぇ〜」
感心する本人に代わって、私は読み始めた。が、直ぐに続きを読めなくなった。姉が大粒の涙を流し始めたからだ。それでも、私は声を詰まらせながら読み続けた。

「よし子へ。今日は結婚して50年。金婚式だね。
いつも海外への出張や付き合いで家にいることが少ないぼくですが、常々よし子には感謝しています。
子どもたちのことも任せきりになっています(と思います。ぼくは不器用だから)。
あの子たちが真っ直ぐに育ったのは、よし子の気遣いのおかげです。本当にありがとう。

さて、本当はこれを書いているのは1991年です。
上の子(予定どおりに3人目も生まれていると思います)は、もう成人式だね。

貴女と余生を過ごせるのを楽しみに、しばらくは仕事に励みます。
そして、これから小遣いを貯めて貴女に別荘を贈ることを誓います。
貴女と初めてデイトをした六甲の麓です。敏郎より」
 
固定資産税の納税額から推測して、不動産評価額は2100万、実勢価格は3000万ほどだろう。
ささやかな別荘だが、無趣味で仕事一筋の義兄が数十年かけて用意した姉へのプレゼントなのだ。

仕事を引退しても、ゆとりある気持ちで余生を楽しんでほしい。

きむら きょうや『ちびまる子ちゃん』新ナレーター就任「どうかお力を!」 キートン山田の後任に抜てき
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