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2020年11月10日16:06

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とろとろ日記314「指南の技」

■初首脳会談、1番手狙う=バイデン氏就任式後軸―日本政府
(時事通信社 - 11月10日 08:01)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=4&from=diary&id=6300455

「菅総理がバイデン大統領との首脳会談一番乗りを目指すそうですが実現しそうですか?」
「今、そのスケジュール調整を必死でやってます」
「コロナ問題、中国や韓国との外交問題、くすぶる任命問題といくら時間があっても足りないような難問がたくさん控えてますからね」
「そうなんですよ、官邸での政務、国会での野党対応、ほかにも自宅でやらなきゃいけないことがたくさんありますからね」
「と言いますと?」
「家に帰ったら、国語、社会、理科、英語、道徳、算数の復習と予習が待ってるんです」

日本の社会が思いのほか急速に劣化してしまった大きな原因に「偽情報の安易な拡散」があったと思われる。そのことについて映画監督の想田和弘さんの「ディスインフォメーションの時代」というタイトルの短い一文があるので自分用の忘備録ついでに紹介しておこう。

ーーーーーーー【ドナルド・トランプが米国大統領になって以来、「ディスインフォメーション(disinformation)」という言葉をよく見かけるようになった。

 人々を真実から目をそらさせ、世論を歪めるために、虚偽の情報を意図的に流布することを指す。かつてヒトラーやスターリンが使った手法として知られるが、21世紀の米国において、トランプが大々的に復活させたわけである。

 興味深いのは、トランプは別に隠すわけでも恥じるわけでもなく、極めておおっぴらにディスインフォメーションを行なっていることである。

 例えば、「大統領になったらメキシコとの国境に壁をつくる。そしてメキシコにコストを払わせる」というのは大統領選中にトランプが繰り返し述べていたことだが、大統領になったとたん、「メキシコにコストを払わせるなんて、俺は言ったことなどない」などと平気で言ってのける。選挙中には「オバマケア(医療保険)をただちに廃止し代わりのシステムを導入する」と言っていたのに、大統領になってからは「オバマケアをただちに廃止し代わりのシステムを導入するなんて、俺は言ったことなどない」と言い放つ。

 こうした例には枚挙にいとまがない。過去の発言はビデオとして残っているので、嘘をついていることは一目瞭然なのだが、そんなことはおかまいなしである。

 思えば、「オバマ大統領はケニア生まれであり、大統領になる資格はない」というディスインフォメーションを2011年から流布し始めたのも、トランプ自身であった。テレビで「出生証明書にイスラム教徒と記されているから公開できないのかもしれない」と述べ、キリスト教徒として知られるバラク・オバマが実はムスリムであるとの虚偽の憶測も同時に広めた。

 それに対しオバマは同年、ハワイ州発行の正式な出生証明書を公開し、トランプの主張が嘘であることを完璧に証明した。しかしそれでもトランプは発言を撤回せず、出生証明書が虚偽である可能性を示唆し続けた。そのため、2015年のCNN世論調査でオバマをイスラム教徒だと信じる人は、共和党支持者の間では43%にものぼった。それがトランプや共和党にとって有利に働いたことは、言うまでもない。

 この経緯からわかるのは、明らかな虚偽情報でも、堂々と流せば一定の人たちは信じてしまうということである。したがって短期的な損得だけを考えれば、嘘を流した方が「得」なのだ。

 トランプはそのことを熟知している。だからこそ、検証すればすぐに嘘だとわかることでも、堂々と垂れ流し続ける。

 これは単なる「嘘つき」を超えている。普通の「嘘つき」というのは、少なくともなるべく嘘がバレないようにするものだ。ところがトランプにとって、嘘がバレるかどうかはどうでもいい。バレてもバレなくても、自分にとって「得」だから嘘を流すのだ。「ディスインフォメーション」という特別な言葉が必要な理由がここにある。

 困ったことに、今や共和党の他の政治家たちもトランプを見習い、同じことをしている。その方が彼らにとって「得」であることに気づいてしまったようだ。

 というのも、ディスインフォメーションのコストは低い。デタラメの情報なら、いくらでも無限にでっち上げることができるからである。

 それに対して、トランプらが流したディスインフォメーションのファクトチェックをして打ち消す側は、割に合わない仕事を強いられる。いくらデタラメな情報だとはいえ、それがデタラメであると証明するには時間やコスト、優秀なスタッフが必要だ。だからどうしても物量では負けてしまう。それにオバマの例が示すように、時間と費用をかけてデタラメであることを完璧に証明したとしても、一定の人たちはデタラメの方を信じたままになる。

 それはきれいな澄んだ湖に、有害物質を流すようなものである。有害物質を撒くのは簡単だが、それを取り除いて湖を元通りにするのは容易ではない。まさにそういうことが、情報の世界で、政治の世界で起きている。

 このような傾向は、残念ながら日本の人々にとっても対岸の火事ではないはずだ。

 「桜を見る会」の前夜祭のコストが一人5000円だったと安倍晋三首相が言い張るのは、まさにトランプ式の厚顔無恥なディスインフォメーションだし、どんな批判があっても「その批判は当たらない」という紋切り型で答える菅義偉官房長官の会見などは、受動的なディスインフォメーションであろう。彼らが虚偽の発言をするのは簡単だが、それをいちいち嘘だと証明する方は大変だし面倒だ。圧倒的に不利である。

 ちょっと前までのディスインフォメーションは、もう少し凝った作りだったと思う。たとえば「日本の原発は絶対に事故を起こさない」なんていうのは、官・民・学が総力で作り上げたディスインフォメーションである。嘘を練り上げるのに、案外コストも時間も人員もかかっている。バレないような工夫を少しはしていた。「社会保障を維持するために消費税増税が必要だ」なんていう嘘もそうだろう。

 ところが今や、ディスインフォメーションは「バレてもよい」というのが前提なので、実にお手軽だ。誰でも簡単に瞬時に作れる。しかも効果があるときている。ソーシャルメディアが、その手軽さとコストパフォーマンスに拍車をかける。ツイッターやフェイスブック、ユーチューブには、低予算で即席に作られたディスインフォメーションが溢れている。それが政治を、社会を、民主主義を大きく歪める。

 事実や正直さを重んじ、健全なデモクラシーを希求する私たちにとっては、実に困難な時代であるといえるだろう。だが、そうでない人たちには、天国のような時代なのである。】−−−−−−−−−終わり


 その一方で『敗北トランプ氏、「日本初の外国人総理大臣」に意欲』という見出しの記事がある。こちらはディスインフォメーションではなくてパロディー(ジョーク)だ。この違いを判らない人が結構いるようだ。そこにディスインフォメーションが拡散する下地がある。その違いを理解する市民であることが大切だ。

ーーーーー【米大統領選に敗れた共和党のドナルド・トランプ大統領(74)が、次期ポストとして日本の首相就任に意欲を示していることが8日までにわかった。「自分ほど適任の人物は他にいない」と自信満々に側近に話しているという。

 トランプ氏の関係筋が明らかにした。トランプ氏は各種世論調査で敗色が濃厚となった10月末ごろから「次」を見据え「米国外の指導者になれないか」と周囲に尋ねていた。英国、フィリピン、ブラジルなどが候補に挙がる中、とりわけ日本に関心を寄せるようになったという。「日本初の外国人総理大臣」という肩書きに加え、次に就任すれば「第100代内閣総理大臣」と一つの節目になることも魅力的に映ったようだ。

 トランプ氏の意向は既に日本政府に伝えられているが、外国人が首相に就任するには法整備が必要になる。過去、小渕恵三内閣時代にはイギリスの故サッチャー首相や旧ソ連のゴルバチョフ氏ら外国人を閣僚に登用する「閣僚等国家公務員特別職国籍制限緩和臨時措置法案(大臣ビッグバン法案)」が検討されたこともあることから(1999年4月1日『朝日新聞』)、政府関係者によると、同じ方向性で対応できるかどうか、内閣法制局を中心として現在検討中だという。

 来年に迫った衆院選を控え、与党内からは「豪腕さに欠ける菅首相では勝てない」と不安視する声があるほか、安倍政権で実現しなかった拉致問題や北方領土問題についても、北朝鮮やロシアに太いパイプを持つトランプ氏の外交手腕に期待する「トランプ待望論」が聞かれる。

 同氏はこれまで国益を最優先する「米国第一主義」を看板政策に掲げてきたが、首相に就任してトランプ内閣が発足した場合、歴代政権との整合性や継続性に配慮し「米国第一主義」を新たな政策として掲げる方針だ。】−−−−−−−−終わり


桂三金さんが亡くなって一年がたつ。派閥横断的に交流ができた懐の広さ、新作と古典を縦断してこなす技量、誰にも好かれる人懐っこさ、浮かれても礼節や生真面目さを失わない律義さ、いなくなったことで上方落語界が被った大きな不幸と不利益を思わずにはいられない。あらためて合掌。


秋国会嘘と遁辞の面ばかり   一象

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