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2020年10月25日20:40

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子育ての先

10月23日(金)晴れ
先週、Sさんのお宅へお邪魔する。
Sさんは、我が娘が小学生の頃のママ友である。
男の子二人に女の子一人の3人のママ。うちの子とは真ん中のK君が同級生だった。
K君には年子の妹Renちゃんがいて、Renちゃんとうちの娘はとても仲良しになった。
東京に引越した次の年の夏休みには、Renちゃんが一人で東京に遊びに来てくれたくらいだ。
しかし、その後は年賀状だけのやり取りとなり、15年が過ぎていった。

鹿児島に帰ってきてSさんに「帰ってきました」ラインを送ったら、すぐに「遊びにきて〜」と返信。
嬉しい。
こういうところだ。ホントに彼女には見習うべきところが多かったよなあ〜と思いながら、先日お邪魔してきた。
16年ぶりの再会。
彼女は全く変わってなくて驚いた。
とはいえ、環境はすっかり変わっていて、もう3人の孫のおばあちゃんになっていた。
すぐ近くのマンションにRenちゃんが住んでるとのことで、6ヶ月になる赤ちゃんを見せにきてくれる。
東京に遊びに来た時は小学5年生だったのにね〜
もうすっかりママの顔だ。

Sさんお手製のランチ(聞けば彼女はグループホームの食事を作る仕事をしているという)をいただきながら、
この16年の穴を埋めるべくマシンガントークが始まる。
子育ての結果を見るようで面白くて感慨深いものがあった。

というのも、Sさんは、長男R君のことを異常に心配して手をかけ、目をかけていた。
下の二人はとってもしっかりしていてお利口さん達なのに、R君は、今教えた事ができない。
授業参観日も、Sさんの姿が見えなかったなあと思い後から聞くと・・・
「Rのクラスに行ってたの。KもRenもなんの心配も無いけど、Rは心配で心配で」
何度か「K君の事も見にきてあげて!かわいそうだよ。」と言った事があるくらいだ。

あれから15年!(きみまろかっ?)
Sさんに言わせると、R君が一番しっかりした大人になった。
高校で、ガチの水泳部に入ってから、鍛えられて、罵られて、それでもやめずに3年間続けた事ですごく変わったという。
Sさんのご主人は自衛隊だったので、R君が海上自衛隊に入ったと聞いた時、パパの影響だろうと思っていた。
しかし、パパは、キツイから自衛隊なんか入るな!と言っていたらしい。
でもR君は水泳を続けられる環境が海自にあると聞き入隊希望を出す。
担任からは「お前には無理だ!たとえ入れたとしても、今自衛隊は厳しくなってて、入ってしばらくしてから昇格試験があってそれに合格しないと辞めさせられる。」
でも、R君は諦めなかった。
「オレは勉強というものをしてこなかった。子供の頃、全くわからなかった。だから今勉強する。」と言って、小学生の通う塾へ通い、小学生と机を並べて勉強したという。
そして、まぐれで(←ママ談)入れて、奇跡的に昇格試験も受かって、無事に今に至る。
Sさんが言う。
「ここまで大きくなってやっとわかった事だけど、お勉強なんて出来なくてもよかったんだよね。
自分で生きる力をつけさせてやるだけで良かったのに、あの頃はそれがわからなくて、Rの事を叩いたり怒鳴ったりしていた。
大きくなってから『あの頃は厳しくしてごめん!』って謝ったよ。」
でも、その後の、K君のことを聞いたときに、いやいや謝るべきはK君にだよ!と思った。

小学生の頃、お利口さんでいい子、手のかからない子だったK君。
大人になってからなかなか手こずらせたらしい。
高校卒業して美容師になるもすぐ辞め、なかなか仕事が続かない。
そして、母に対する態度が悪い、というより、母を空気のように(悪い意味で)扱い、目の前に座っているのに居ないような、目に入っていないかのように無視する。
「母さんの何が悪いの?」と問いただすと「そういうとこだよっっ」と吐き捨てるように言われる。
仕事もいくつも変わり、とうとう家に帰って来なくなり、行方不明になり・・・
Renちゃんが「ヤクザに監禁されたか殺されたんじゃないかって警察に捜索願まで出したんだよ」と言う。
とうとう目に余ったパパが怒って、自分の実家のある離島で頭を冷やせっ!と段取りを取る。
すると飛行機だったか、船だったか、乗る前に母親に電話かけてきて「望み通り消えてやるっ」と捨て台詞吐いて旅立って行ったとか。
数ヶ月のつもりだった両親の予想を裏切り、K君はそこで仕事を見つけ、彼女も見つけ、3年ほど過ごして、少し落ち着いて帰ってきた。
今は、その子と結婚して赤ちゃんも生まれて、毎週のように実家に遊びにきているというが、まだママは心配そう。

寂しかったんだよぉ〜K君は。
ママがお兄ちゃんにべったりで、自分の運動会にも、参観日にも来てくれなくて、お兄ちゃんの心配ばっかりしててさ〜
と言うと、Sさん目を見開いて「Kは全く手をわずわらせないいい子だったのよぉ〜だから全く心配しないで大きくなったのに、大人になってから心配させられたと思ってたけど・・・そうなのかしら、寂しかったのかしら。」

結局のところ、S家はSさんというゴッドマザーを中心に回ってるなあと思う。
R君は、その後、10歳年上の人と結婚した。
裏表のない、姑の前だろうがビシッとR君を叱りつけるような姉さん女房らしい。
ママのような人を求めたんじゃないかなあと思ってしまう。
Renちゃんに、「ママが理想のお母さんでしょ」と聞くと、少し首を傾げた後「こんなに忙しくバタバタしてるママにはなりたくないな」と笑った。
でも、歩いて3分の所に住んでて毎日のように来ると聞くと、頼っているのだろうし、SさんもまたRenちゃんを頼っているようだ。
K君も、毎週家族を連れてご飯食べに来たりしていると聞くと、ママとのわだかまりもすっかり溶けたということだろう。
そもそもが、「もっとオレのことも見てくれよ」という心の叫びからの反抗だったと思うし。

子育てというのは、その真っ只中にいる時は無我夢中で、わからないことだらけで、でもこれが最善のはずと思ってやっている。
そして、あっという間に子供は成長していって・・・
子供が大きくなった頃に、親は自分の子育ての成果というか通信簿のようなものを見せられるのだ。
どうしてあんなに厳しく育てたんだろうと反省したり、どうして仕事優先にして一番かわいかった頃を一緒に過ごさなかったんだろうと悔やんだり。
でも、Sさんも一生懸命だった。
ワタクシも一生懸命だった。
頼りないながらも親たちは一生懸命だった。
大人になった子供達は、時に頼りなく、時に理不尽だった親のことを許してくれて大人と大人の付き合いが始まっていく。
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