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2020年10月18日11:58

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縦隔壁の話

 「科学で検証」の割に底が浅い。縦隔壁の話なんて20年前から語られていたから今さらな話。
https://news.yahoo.co.jp/articles/e7da3d000fc63ab2b39d45440b3e1d75357b4279?page=1

 大和がほとんど戦場に出て行かなかったのは燃料不足が主な理由だし、何より「連合艦隊旗艦」という立場で「決戦」のために温存されていたからで、別に魚雷攻撃を怖がったわけでもない。真珠湾奇襲の成功で、しばらく敵に戦艦がいなくなってしまったので、使い道を見いだせず、戦場に出さなかったところもあるし。

 縦隔壁は確かに片舷に魚雷受けた際は横転しやすくなってしまうが、それも艦の大きさ、魚雷の威力にもよる。駆逐艦クラスだと中央に命中してしまうと船体切断であっという間。前後に1本ずつ命中して艦首と艦尾をもぎ取られ、中央部だけで浮いていた例もあるし。
 また機関の配置でボイラー室、タービン室を交互に配置するシフト配置は確かにダメコン上は有利だが機関部の全長が長くなるという欠点もある。機関部が長くなるということはそれだけ防御が必要な面積が増え、重量的には不利になるのだが。

 そもそも戦争なんて国力の総合力がモノを言う。冒頭のGNP10倍の国を敵に回した時点で勝敗は見えている。隔壁の入れ方など枝葉末節な話である。そもそも米国は開戦前から海軍拡張法で、日本の連合艦隊を上回る大艦隊を計画し、さらに建造してしまっている。その艦隊ができあがる前に何とか、という焦りも日本海軍にはあったようだが。

 枝葉末節でいえば魚雷の爆薬一つとっても、英米が使った爆薬は水中爆発時の威力はTNT火薬比で1.6倍だった。日本のそれは1.2倍程度で、それに備えた防御だったので同じような大きさの魚雷であっても被害を食い止めることが難しかっただけである。
 十分な防御を施していても十二分の攻撃を受ければ沈む。隔壁の入れ方で戦争の趨勢が変わるわけがないんだが。
 付け加えておけば、真珠湾攻撃に出撃した日本機は350機余りだった。これらが停泊中で隙を突いたとはいえ4隻の戦艦を撃沈し、200機の飛行機を破壊している。一方、大和への攻撃は大和以下10隻の艦隊に対し、360機が出撃し、大和1隻に64本の魚雷が放たれている。何本命中したかはずいぶん差があるが、米軍側は30本、日本側は10本としている。こんな攻撃を受ける状況、できる相手に隔壁の入れ方なんて枝葉末節である。
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