映画「柘榴坂の仇討」

ストーリー
彦根藩士・志村金吾は大老・井伊直弼に仕えていたが桜田門外で襲われ、目の前で主君を失ってしまう。両親は自害し、妻は酌婦に身をやつすが金吾は切腹を許されず、仇を追い続ける。そして13年後、彼はついに最後の仇のひとり佐橋十兵衛の居場所を見つける。

出演　中井貴一、中村吉右衛門、阿部寛、広末涼子ほか
監督　若松節朗

金吾は主君の仇を討とうと懸命に捜索し続ける。
時代は変わり、武士の時代は終わる。
それでも、金吾は武士として生き続ける。
何とぶれない生き方なのか。
ただ直向きに生きるその姿が眩しく映る。
やがて、十兵衛と対峙するも、金吾は・・・・。
金吾が十兵衛に言うセリフに、思わず泣いてしまったほどだ。
主君のことをよく理解していることが伺えた。
そして、妻・セツと雪道を歩くシーンが趣深く、とても印象に残るラストだ。

気持ちの良いくらい正統的な時代劇だこと。
中井貴一さんを始め、皆役に対する理解度が深いように思えた。
セリフの間の取り方も絶妙。

時代劇に馴染みがない人でも、十分楽しめる作品。
機会を設けて見てほしい傑作。