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2020年05月08日21:27

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今日は5月8日でドイツの第ニ次世界大戦の終戦記念日である


日本人は8月15日が何の日かはよく知っているけど、
「5月8日は何の日か?」
と聞かれても、多く人は知らないだろう。この日は僕の大好きなドイツにとっては、75年前に第二次大戦に敗れて無条件降伏をした日です。つまり、日本にとっての8月15日になります。僕はこの時期にドイツにいたことがあり、5月8日にベルリンに行ったことがありますが、日本のような戦没者追悼式というようなものは全くやっていませんでした。ただ、やたらとロシア人の老人の団体が多かったと記憶しています。テレビのニュースでも、
「ロシア、フランスなどでは第二次大戦の勝利を祝う軍事パレードをやっています」
というニュースが流れているだけでした。

ドイツはナチス・ドイツの時代もキリスト教国家だったので、当然、靖国神社のようなものは建立していない。そして、1945年当時のドイツではヒトラーとその側近たちは、野蛮な無宗教の共産主義者どもと戦った、敬虔なカトリック教徒として死んだことになっていた。だから、今でもドイツの政治家が5月8日に特別に参拝するべき教会などはない。あえて挙げるとするならば、「ノイエ・ヴァッフェ」(新衛兵所)が国立の追悼記念所となっている。

だが、僕は5月8日にここに行ったが、ドイツ政府の閣僚が来るので警察官が警備に当っているとか、そういうことは一切なかった。代わりに、上にも書いたようにロシア人の老人がたくさんいて、「ノイエ・ヴァッフェ」の前で集団で記念写真を撮ったりしていた。もちろん、ベルリン攻防戦を戦ったソ連兵とその家族と遺族だったのだろう。

代わりにドイツ連邦政府は11月の第3日曜日を「国民哀悼の日」として、この日に今までの戦争で亡くなったドイツ人を追悼する記念日になっている。ベルリンでは連邦政府の国防大臣がノイエ・ヴァッヘに花輪を持って参列する。ドイツ各地でもスキンヘッドのネオナチが集会を開いたりするらしいが、連邦軍と警察が警戒に当たるので大きな混乱はないらしい。


ところで、アジアでもヨーロッパでも、いや、世界中で、
「第二次大戦の戦勝国、敗戦国などと言うのはそろそろ止めにして、新しい未来に向けて、より建設的な国家関係を築きましょう」
などと多くの人々が言っているけど、フランスでは5月8日が、ロシアでは5月9日が「対独戦勝記念の日」として休日になっている。そして、軍事パレードが行なわれる。韓国でも8月15日は「光復節」として休日になっている。まったく、こんなことをやっているといつまで経っても国と国同士の相互理解などあるわけがないだろう。しかも今は中国発のコロナウイルスとの戦いの最中なので、世界中の人たちは団結しなければならない。

「戦勝記念日」を祝っているということは、その一方で「敗戦記念日」で戦争犠牲者を悼んでいる国があることを忘れないようにしてもらいたい。5月8日と8月15日というのは戦勝国が祖国の英雄だけを讃えるのではなく、日本人、ドイツ人を含めた全ての戦争犠牲者を全世界で悼む日にならなければ、戦争の憎しみを越えた相互理解などあるわけがない。


写真左はベルリンのウンター・デン・リンデン通りにある「ノイエ・ヴァッヘ」の外観。写真右はドイツ軍の降伏文書への調印が行われた、ベルリンのカールスホルストにあるソ連軍司令部跡の部屋。今は博物館になっていて、カイテル元帥を始めとするドイツ軍側代表が、この部屋で連合軍側代表が見守る中、降伏文書に調印した。
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