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2020年05月06日12:07

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アビガン、レムデシビルの副作用について(備忘)

近々、緊急認可される運びとなった二つの De Facto 治療薬を巡って興味深い記事を見つけた(Quoraより)

Qs:
新型コロナ肺炎は、“重篤化した人の延命措置に力を入れる医療から、可能な限り重篤化させない医療”に舵取りすべき時と思います。 そもそも、医療は、延命よりは治療を最優先にすべきだと思いませんか?

Ans:
はっきり言ってしまって申し訳ないですが、質問者であるMizumachiさんの質問文はいつも根本的なところから間違えています。延命目的に治療しているのではなく、免疫老化のある高齢者では治療の甲斐なく救命できないケースが97%だから、結果的に頑張っても救命できずに延命になってしまっているだけです。そしてこういう言い方は現場にすごく失礼だと私は思います。

重篤化した人の延命をしているんじゃなくて救命をしようとして治療しているんです。65歳以上の高齢者は自分の免疫を制御する力が弱く助からない場合が多いから、延命になってしまっているだけで、若年者のサイトカインストームによるARDSにECMOなどの対症療法を行って症状を抑えている間にウイルスが排除されていなくなれば救命できるから、そういう治療をしています。

そして重症化させないために有効な薬は今まだ見つかっていません。可能な限り重症化させないという言葉は理想的ですが、今はそれを可能にする手段がありません。だから舵の取りようが現時点ではありません。アビガンを軽症者に投与したら効くとTVの過熱報道で思い込まされている方も多いですが、軽症者は勝手に治る人も多いのでアビガンが効いて治ったかどうかは現時点では不明です。

私は何度か書いていますが、全ての薬は人体に影響を与え得る化合物で毒として働く可能性があります。

アビガンにしてもレムデシビルにしても、ヌクレオチドアナログというRNAの構成要素、ヌクレオチドに類似した分子でRNA合成を阻害して合成途中で止める薬です。この薬がウイルスのRNA合成だけを混乱させてくれる(特異的に効く)ならいいですが、ヒトのDNAやRNAの合成系にも混乱を与えて副作用が出ると考えられています。同じヌクレオチドアナログでもヘルペスに効くアシクロビルのようにウイルスに特異的に作用するものならいいですが、ヒトにも作用する場合その作用は抗がん剤に近いものになります。副作用としてアビガンなら催奇形性などの重篤なものもあります。肺炎を発症してから呼吸器なしの酸素投与を要する患者に投与するのはありですが、風邪症状程度の若年者に投与するには副作用が大きすぎて危険ではないかと思います。そして風邪症状程度の若年者のほとんどは免疫の暴走なしで治るので、そういう自分で治る人に強い副作用のリスクを犯して薬を投与する必要はありません。アビガンに関して言えば、新型コロナウイルスのRNAポリメラーゼが校正機能があるせいか、インフルエンザの3倍以上の量を投与しないと効かないようで、当然副作用も大きくなります。そして200万人分の薬は、一回に使う量が3倍なら200万を3で割って70万人分しか備蓄できないわけですから、ただでさえ少ない薬を放っておいても治る人に消費する意味はありません。私見ですがレムデシビルはウイルスの校正機能を妨害するとされているのでアビガンより効きが良さそうですが、その分人のDNAポリメラーゼやRNAポリメラーゼを撹乱する力も強いのかより重篤な副作用がありそうです。今後の臨床試験の結果が待たれます。

他にも重症者に対して吸入ステロイドであるオルベスコ、作用機序は不明なもののイベルメクチン、IL-6というサイトカイン阻害で働くトシリズマブの治験が始まっています。これも有効性がまだはっきりしない薬で、軽症者にやったらウイルスを排除する免疫の能力を逆に抑えてしまうようなもので軽症者にとっては薬どころか毒かもしれません。オルベスコはまた別の作用で効いてるかもしれませんが。


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