『ドクター・スリープ』(『ドクター・スリープ』比較編)　

『ドクター・スリープ』(『ドクター・スリープ』比較編)　

TEXT by 浅尾典彦(夢人塔)

4月8日ブルーレイ&DVDセットが発売になる
『ドクタースリープ』ディレクターズカット版は、
劇場公開版よりも30分近くも長い181分。
公開時には無いシーンがたくさんあり、
説明も詳細になってていわかりやすく
また別の味わいがある。
今回、劇場公開版とディレクターズカット版を並列して
全カット見比べてみた。細かいシーンは山ほどあるが、
今回はざっくりとその違いについて紹介する。
(少々ネタバレも含む)
まず、タイトルの出る位置からすで違いインパクトが違う。。
構成はオリジナルの『シャイニング』に敬意を表してか、
各パートが章立てになっている。
ディックとダニーの会話で、ディックのお婆さんの話、
ヴァンパイア集団トゥルー・ノットの発祥の秘密、
箱の使い方をたしなめるシーンなどが追加されている。
ダンは断酒会のスピーチで苦しみを話し、死のハエを見る話、
母ウェンディがダンの目を見れなくなった話などが入る。
失踪した子供を探す意味を伝えるアブラや、
アブラの父親に彼女の見たものを追体験させるシーン
オーバールックホテルで酒の正当性について語るバーテンダー
などもある。
少年の殺戮シーンや埋めるところ、失踪した少女を探す母親のシーン
も長くなり、バーで拾った女がゲロを吐いたまま寝ているアップ、
女の財布から盗んだ金を出すと食糧配給券があるシーンなどは
人生の悲哀に泣ける。
また、ダンやアブラがニューハンプシャー行きのバスに乗るシーン、
ウェンディが少年ダンの恐怖を確認にバスルームに行き、
あるものを見てしまうカット、
恋人関係のローズとクロウがアブラの危険性や襲い方を相談する場面、
ドクタースリープの噂を聞きつけた末期患者の頭をスキャンするダン、
黒板に書かれた文字の使われ方、手品やお化けピアノや
ホテルのトイレのシーンなどなど結構細かいエピソードが
追加されている。実際にはどうなっているのか
是非、もう一度自分の目で確かめてほしい。
追伸:(マニアック編)　で書き漏らしたが
恐怖を喰らう生物の概念は、ウィリアム・キャッスルの
『ティングラー』（1959年/日本未公開）の影響によると思われる。

※日本SF作家クラブの関係で ワーナー・ブラザーズからもうすぐDVD発売される
映画『ドクター・スリープ』 を、販売に先駆けて見させてもらっています。

「ドクター・スリープ」
ブルーレイ&DVDセット
(初回仕様/3枚組/ディレクターズカット ブルーレイ, ポストカード1枚付)
発売予定日は2020年4月8日