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2020年01月10日13:15

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元ボンボン

親の間違った金銭感覚が子どもに及ぼす影響
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=77&from=diary&id=5930553








元ボンボン…御坊ちゃまだった俺。
親父が中小企業の社長。
周囲からは「城」と言われるような洋風の豪邸に住んでいた。
親父は高級車を2台所有していて乗り回していたり、高級料理店にも足繁く通っていたのを覚えている。
社員や友達らしき人に何か奢ったりしてるのも何度も見た。

しかし、それは表の顔の一部。

家の中では妻子に暴力を振るうクソ野郎だった。

ヘビースモーカーだった親父は自室でタバコを何本も吸い、部屋はタバコ臭かった。
その中でTVに噛り付いて競馬・競輪・競艇を観ながら、その関係の新聞を広げて誰かと電話してた。

妻子への暴力はギャンブルで負けた八つ当たり。

そして夜はキャバクラ通い。
目当ての女を指名できなければ家で妻子に八つ当たりの暴力。

金も権力もあるから何でもやって良いと思ってるクソ野郎だ。

会社は社員に丸投げだった。
そうじゃないとほぼ毎日家にいるわけがない。
家にPCとか無かったし、社員への電話もほとんど無かった。

しかし親父の会社はバブル期に創業したもので、景気が良くて売れただけの会社。
バブルが終わりだすと経営は右肩下がり。

気づいたら親父の高級車が一台消えていた。
親父が夜に外出する事も減った。
その代わり親父は更にギャンブルに打ち込むようになった。

社員からの電話には怒鳴っていて、威圧して社員を黙らせていたのを何度も見た。
親父の言い分は「ロクな仕事しねぇくせに金だけ催促しやがる」だった。

給料未払いも横行していたようだ。

ある日、若い男が家に来た。
車がどうのって話をしていた。
「ろーん」
「さてーがく」
そんな単語が何度か出てたのを覚えている。

別の日は中年の男が来た。
家の中を案内する親父。
その後、中年の男は書類に何か書いていて…
ここでも「ろーん」と「さてーがく」って言葉が出てきてた。

今思えば若い男は車会社の人で、中年の男は不動産関係だったのだろう。

そして別の日、中年の男が来た。
不動産関係の中年とは雰囲気が違った。
どこか知的と言うか、偉そうな感じ。

親父は拗ねたようでもあり、困ったような顔してた。
中年の男は「社員」「未払い」「そしょう」って言葉を口にしていたのを覚えている。


それよりも以前は…
虐待で何日も食事を与えていない子供の前で、分厚いステーキをわざとらしく美味そうに食ってた親父。
空腹でひもじい顔してる子供に「食うか?」と聞いて、子供が頷いたら「やっぱりあげなーい」と言って笑ってた。

空腹に耐え切れず下手に食事を奪おうとしたらタコ殴りにされた。
子供から喧嘩を売って来たから返り討ちにしてやったと自慢気に妻に語ってもいた。

空腹で近くの店で何か買おうにも、お小遣い制度は無かったから金は持っていない。
万引きも考えたが、やったらクソ親が自分をタコ殴りにする口実が出来るだけだ。

とは言え、金に無頓着だった親父は小銭をその辺に置いていた。
その小銭をくすねていたから、少しはある。
しかし、ひと時の空腹を満たせても次は無い。


家に色んな人が来て「さてーがく」とかの話が出て来てからだ。
分厚いステーキ食ってた親父は卵かけご飯を食うようになっていた。
子供に意地悪する事もなく無言で食べてた。

最後は親父の会社は倒産。
莫大な借金抱えた親父。
今は情けで親戚の家に居候させてもらえている。

親戚はあと数年で親父を追い出すと言っていた。
行く当ても無い、金も無い、それどころか借金もある。
生活保護に頼るかホームレスになるかの二択だ。

しかし親戚達からは「事故や怪我で頼るならまだしも、自分勝手に生きたツケで頼るなんて惨めだ」「生活保護受けたら完全に縁を切る」と言われている。



あれから十数年。
俺は裕福ではない。
どちらかと言えば貧乏だ。

それでも目の前に腹を空かせてる子がいたら自腹切ってでも食わせてやる。
子供の為のボランティアもやってる。

自腹切ってそんな事やってるから貧乏なんだ。
1日パン1個の生活になろうと気にしない。
実際にそんな時期もあった。

大きくなった子が会いに来て…
「あの時はありがとうございました。あの時食べた牛丼は一生忘れられない御馳走です」

そう言ってくれた事もあって、決して無駄ではなかった。



金が無ければ飢える。
しかし本当の飢えを知っている。
金があっても満たされないモノもある。


子供の頃のある日…
虐待生活で何日も食事を与えてもらえず、何か食う物は無いかと外を歩いていた。
当時、野球カードが流行っていた。
あまり美味くはないポテチに付いてるオマケカード。

ほとんどの子達が公園のゴミ箱にポテチの袋を開封もせずに捨てていた。
それをくすねて食っていた。

豪邸に住んでるボンボンがこの有り様だ。

しかしそれを見かけた高校生くらいの人達に声かけられた。
「来い…」と言われ手を掴まれ…
連れて行かれた時は怖かった。

しかし着いたのは近くのカツ丼屋。
そこで食い切れない程の大きなカツ丼を奢ってくれた。
男子高校生達は財布からお金を出し合って会計してた。

涙が出た。
何日も食事を与えられず、久しぶりのマトモな食事にありつけて嬉しいのではない。
こんな人達がいるのかと涙が溢れた。

あの時の名前も知らない高校生達にお礼を言いたい。





お金の価値感なんて、その人次第。
悪い事に使う人もいれば、人助けに使う人もいる。

俺は貧乏だろうと後者を選ぶ。
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