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2019年10月07日23:49

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ワタミが考える「似非有機性」。

この策に対する反応を眺めてると、
「ワタミという企業の健全性/適性」についての疑念・・
ってのが圧倒的多数だと思うのだけど。
まぁ、これまでの経緯を考えれば至極当然でもありましょうが。

しかし、それはそれとして肯定しながらも、それ以前の根本的な問題として、
掲げているテーマ性そのものが、実は思いっきり矛盾している・・
ということにどれぐらいの人が気づいてるか・・
残念ながら殆どいないんだろうなあと思うわけで。
どういうことかというと・・

詳細の事業計画が不明なので、正確な言及には届かないとはいえ、
「オーガニック=有機」の優位性を掲げ、農の元来的な魅力をアピールするにあたり、
各種施設を新たに建設し、伴って周辺環境を人工的に整備することは、
それ自体が『有機的ではない』わけで。

23町歩もの面積を造成整備し、宿泊施設の建設等を中心に、そこに「無機質物質」を
大量に持ち込んで、従来あるはずの“自然土壌”を埋めていく・・
即ち「環境を壊して有機農業をアピールする」という、本末転倒なことを
ワタミはやろうとしている・・ってことになるわけです。

狭義の「有機農業」は、単に農産物の生産にあたっての直接的な手法・・
つまりは「有機質肥料の投入」や「減農薬・無農薬」など、施肥防除の側面で、
定められている基準内で生産される外形を指すわけで、その点では
「有機農産物」と言った方が正しい解釈になろうかと。

対して広義の「有機農業」は、生産圃場のみならず、周辺環境やひいては
地域一円まで含めて、如何に純然な自然環境のもとで、元来的な生産が出来るか・・
それを追求することに意義があるのであって、有機手法にある非効率性のデメリットを、
メリットとして価値を見出すことに本分があると。

予定地の陸前高田市は、3.11の災害によって、基幹産業の一つである農業が
危機的な状況に追い込まれたわけで、その点で何らかの格好で農を支援し、
あるいは地域活性のために手を施すこと自体は大いに結構だが・・

しかし、災害によってかつてあった本来的な魅力の土台である「自然」を、
元に戻すべくな方向ではなく、ある側面で「崩壊の追い打ちをかける」状態にある・・
とさえ言えるわけで、元来的な意味での「有機性」とは齟齬をきたすわけです。

本当に有機農業の促進や、有機農業の特性を使って
地域再生を果たそうとするのであれば、既存の生産者による営農環境を再整備し、
あるいは“有機JAS制度”を活用・応用しながら、就農者全体の比率を有機生産化に向け、
その上で地域一帯にある生産環境の中で、各種の体験や啓蒙に繋がる戦略を敷く・・

体験ツアーや各種の行事・催事を立体的に構築しながら、
地域外から来る観光客に対して、地域の既存施設を活用させるなどして、
元々あるインフラを活性化させることこそが、被災地で事業を行う理由付けとして
最も健全な方法論ではないのか!?と。
または、宿泊などの施設は出来るだけ生産現場から離すことこそが、
「有機環境を守る〜アピールすること」になるわけで。

こういう「人工的な似非ネイチャー」でもって農業の理解を促進させようとするなら、
本来は『都会のど真ん中で』行うべきなんであって。

もっとも、そんな土地はもはや都会にはない・・というのも理由なんだろうけど、
しかしてその理由によって、従来にあった風光明媚な自然を人工的に手を加え、
あたかもそれがその地にあった自然だ・・と言わんばかりな方法は、
ある面で地元に対する毀損な態度でもありやしないか!?っていう・・。

結局、ワタミという一企業の利益性追求の、その目論見が大いに透けて見えて、
かえって興ざめに感じたのが正直な所ですなぁ。。

■ワタミ、岩手に農業テーマパーク=東京ドーム5個分、21年3月開業
(時事通信社 - 10月07日 17:01)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=4&from=diary&id=5817006
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