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2019年07月10日22:53

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マーラー5

今日は高田馬場のなりくらでとんかつを食べて高畑勲展に行ったあとはマーラー4、1と来て5番です。

◯ベルリン・コンツェルトハウス管2019年日本公演
開演:2019年7月10日(水)19:00
会場:東京芸術劇場
曲目:
モーツァルト/ピアノ協奏曲第21番ハ長調K.467
マーラー/交響曲第5番嬰ハ短調
ピアノ:アリス=紗良・オット
管弦楽:ベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団
指揮:エリアフ・インバル

今日のコンミスは日下紗矢子さんです。

モーツァルト/ピアノ協奏曲第21番
フォト

アリス=紗良・オットは生では初めて。
いろいろ衝撃的。
第1楽章の第1主題は煌めき。第2主題はロマン派的。しかしクリスタルの透明な輝き。第2楽章は無垢な響き。第3楽章はコケティッシュですらある。走って再登場のアンコールのリスト/パガニーニ大練習曲は超絶技巧を文字通り紗良っと軽やかに弾いていく。今も技巧も感性もピークだけど未来にさらなるピークがいくつもあることを感じさせる。不治の病もこの人に打ち克つことはできまい。
第1楽章終わった途端に客席でくしゃみあり、振り向いた彼女が天使の笑顔!

マーラー/交響曲第5番
フォト

まさに全編熟れて滴り落ちるような演奏。
湖の底の蠢きのような第1楽章、
怒涛の暴風のような第2楽章、
田舎のウィーンの円舞に都会の息を潜ます第3楽章、
高速(8分!)なのに中間でほぼ停止してしまう熟れた第4楽章、
第4楽章以上にルバートをかけながら一気呵成に後ろを振り返らない第5楽章、
全て円熟し切ってインバルの好き放題に料理されているのを曲が悦んでいる風情だ。
熟れて落ちそうだけど一昨日の1番のようにユダヤ的な濃密とも異なり、すったもんだ(わざと?)しながら明確な漸進性で明日は必ず明るいという表現は、今日どこかでこの曲を聴いているであろうアリス=紗良・オットへの贈り物のように感じた。
細かいところでは、第3楽章の弦楽四重奏が直後の弦楽合奏よりも大きな音で強調されていたのと、トライアングルが鉄琴のような強い響きだったのが面白い。全体にアンサンブルより個別の音の集積感があった。それが最後に巨大なうねりになっていく。
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