『やすらぎの刻』というドラマの1場面。
前回の続きの冒頭だから詳細は不明ですが、作中作の主人公の兄が憲兵に『貴様は何故前に出なかったのだ!』と怒鳴られ『死ぬのが嫌だからだ』と主張して殴られるシーンがありました。
続けて主人公も理由を聞かれますが『農家で両親が死んでいるため畑を耕さなければならない』と言って殴られるのを回避します。
状況からして、村の若い男を勢揃いさせて『軍隊に志願する者は前に出ろ』とかやっていたっぽい。
話は変わりますが、20年くらい前の自分が大学生だった時の話。
学校とアパートの間にある食堂に行くと、知り合いの教授がいてこんなことを言っていました。
『学生に【もしも敵が攻めてきたらどうするか?】と聞いたら、みんな【逃げます】って答えたんだよ。ナンセンスだ。攻められたら戦うしかないんだ』
当時の自分は直感的に『敵が攻めてきたら逃げるだろ』と考えていましたが、はたしてそれは正しいのかと考えました。
逃げれば、敵にとってこれほど好都合なことはありません。
逃げる背中には脅威はなく、一方的に略奪ができるからです。
2つの言葉があります。
1つは『はじめの一歩』だったかな…何かのボクシングの話に出てきました。
『ガードしようとしてグローブを真上に上げるな。相手の方を向いていないグローブは、相手にとって怖くない』
先に書いたように、背を向け逃げるならば相手は躊躇なく銃口を向け続けるでしょう。
しかし相手が向かってくるならば、もしかしたら撃ち合いにならなくても相手が引く可能性も出てきます。
もう1つが『EATMAN』って漫画のセリフ。
1話完結のストーリーなんですが、金さえ払えば何でもやる『冒険者』という職業が存在する世界の話。
職を失い、再就職も決まらず失意の中で『もう死んでも良い』と思って冒険者に就職した男。
そこで自分を気にかけてくれる年下の同業者。
そんな冒険者に大口の依頼がきます。
ヘリで大量に輸送される冒険者たち。
投入された先では巨大な怪獣のような生き物が街を破壊しています。
冒険者としての初任務で、怪獣を見るのも初めてだった男は『こんな相手を倒せるわけがない。誰かが助けてくれるから逃げよう』と言いますが、年下の同業者が『その誰かが、自分たち冒険者なんだ!』と言い怪獣に立ち向かい死にます。
その姿を見た男は銃を取り怪獣に立ち向かう決意をしたところで、No.1冒険者である主人公が怪獣を倒す。
話を戻します。
軽々しく仮定することではないですが、仮に戦争になり実際に攻められたなら『死ぬのが嫌だから』と言って戦争に行かないことは『正しいこと』なのでしょうか?
全ての価値観は時と場合によってその意味や価値に差が出ます。
平和な時代では正しいと考える価値観が、有事の際に正しいとは限らないので、実は主人公の兄を殴った憲兵も絶対悪というわけじゃないのかな…なんて思ったりしました┐('〜`;)┌
難しいっすわ。
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