mixiユーザー(id:2051565)

2019年05月11日18:35

91 view

うちには、天使がいます。 10.2nd Attack

フォト


<前回までのお話>
2018年(執筆している時点で去年)4月初め、やまねこのパートナー・ゆかさんは卵巣がんの疑いありと診断されました。
4月24日火曜日、自宅で急に動けなくなり、救急車でZ医大病院に搬送され、
翌25日には脳梗塞が見つかり、そのまま腫瘍の手術まで入院することになりました。
とりあえず病状は安定し、3日が過ぎて、
世の中はすっかりG.W.に突入していました。
(なお、病院関係者のかたがたほかの名前は、すべて仮名です)



4月29日の朝、
やまねこはのんびりと、それでも7時くらいに目を覚ましました。
きのうゆかさんに「山でも歩いてから病院行こうかな」なんて言ったのですが、
どこの山へ行こうか、なんていう計画もまったくなかったのです。
ちょいと行って、ちょいと夕方までに帰って来られる山って、どこらへんだろう。

この季節のやまねこの楽しみといえば、
潮干狩りか山菜採りです。
潮がよく引くのはG.W.後半なので、今日行くとしたら山菜採りです。
(ちなみにゆかさんはそういった、やまねこ言うところの野外活動には全く興味がありません)
とりあえずメイさん(ねこ)にごはんをあげたり、なでたりしながら、
Googleの地図をながめます。
そういえば、城山湖からずっと伸びてる道があったっけ。
ちょっと興味あったんだ。
調べてみると、その道は国道20号のほうまで続いています。
ここがいいや。ここ歩いてみよう。


とりあえずざっくりと行先を決めて、車で出発しました。
お天気もまずまずです。

しばらく走って、10時前でしょうか、
ゆかさんからメールが来ているのに気づきました。

内容は、少し不安なものでした。

「ねこさんありがとう
昨日まで凄く調子良かったのにね。
今日は朝から気持ちもだめぽよ
大丈夫かもわかんない。疲れて少し混乱してるだけかな」

なんだか落ち込んでるみたいでした。
きのうまであんなに元気だったのに、やっぱり気分に波があるのかもしれません。
大丈夫だとは思うけれど、
こういうときはそばにいて、勇気づけてあげないと、だよね。
夕方行くって言ってあるけど、
これから引き返して、昼過ぎくらいには行くことにしよう。

この時点では、会ってお話して安心してもらおう、としか考えていませんでした。
駐車場代気になると長居しづらいから、今日は電車で行こう、と考えて、、
いったんうちに帰って車を置きます。

ゆかさんからはその後も何度かメールが来ました。
「精神科でもらった安定剤どこにあったっけ」
「やまねこさんの『折れない心』があたまを回っているよ。
やまねこさん、ちゃんと自信もってじぶんで宣伝出来るようにならなきゃよ。
待っているね」
12時過ぎ、「朝早く看護師さんに沢山話聞いてもらったし頭の先生も来てくれたから
大丈夫よ。多分精神的ものだと思う」
というものを最後にメールが途絶えましたが、
お昼ご飯の時間でもあるし、落ち着いた証拠かもしれない。
とりあえず1時過ぎに電車に乗って、病院へ向かいました。


病棟の5階。スタッフステーションで軽くあいさつして、ゆかさんの入院していた部屋に入ると、
ゆかさんがいません。
というか、ゆかさんの寝ていたベッドがありません。
ほかの荷物はそのままです。

あわててステーションに引き返して、
「夫ですが、ゆかさんは」と訊ねると、
「お部屋変わりました。正面のお部屋で」と、
どこか神妙な表情で、すごそこの部屋を教えられました。

中に入ると、そこは個室でした。

ゆかさんが寝ていました。


うつろな表情で天井を向き、口はぽかんと開けたままでした。
そこから「あーあーあーあー」と声が漏れていました。
そして、ぱたり、ぱたり、と、左腕のひじから先が上下に動いていました。
からだ中に、何なのかはわからないのですがチューブや電線らしきものがつながっていました。

なにが起きたの?
一瞬、わけがわかりませんでした。
夢中でゆかさんの手を握って、
「やまねこ来たよ、ほら!」と呼びかけましたが、
ほとんど反応はありませんでした。

看護師さんが説明してくれました。
「もういちど脳梗塞が起きました。
MRIを撮影して戻ってきて、
こちらのお部屋のほうがステーションから目が届きやすいので移っていただきました」

うそでしょう?
ずっと血液さらさらの薬を点滴していたのに。
そうやって管理していれば、大丈夫って信じていたのに。なぜ?
頭がくらくらしました。現実をなかなか受け入れられませんでしたが、
現実は残酷なまでに、はっきりと目の前にありました。

変な余裕持たずに、とっとと来るんだった。
とっとと来たところで、いちばんばたばたした場面に出くわすだけだったかもしれないけれど。
それでもできるだけ早く来るんだった―


当直の先生から、口頭と文書で報告がありました。

「2018/4/29朝:不安感増加、抑鬱症状悪化、流涙」
「2018/4/29午後12時半ころ:コミュニケーション困難なおかつ不随意運動、構音障害出現」
「MRIを撮影。多発性脳梗塞だが、新規の梗塞巣あり」

「経過を考えると、卵巣腫瘍があって起こるトルソー症候群として矛盾しない。
基本的には卵巣病変の可及的除去が必要である」
「今後も、梗塞している部位が突然増加増大する可能性があり、状態は不安定である。
また梗塞部位に出血が起こる可能性がある」
「不可逆的な変化が残る可能性がある。
脳血管病変が生じる部位によっては急な呼吸停止の可能性もある」

「トルソー症候群」という言葉、
いろいろ検索するうちに、知っていた言葉ではありました。
腫瘍が誘発する脳梗塞。
腫瘍のほうが、血液さらさらの薬より力が強かったということなのでしょうか?
そして今のゆかさんの様子、
24日、救急車で運ばれた日や、その翌朝トイレの場所がわからなくなった日とは、
明らかに違うことがわかりました。
(そのときはそのときでじゅうぶんたいへんでしたが)


「不可逆的な変化が残る可能性」
何度もこの文字を見直しました。
つまり、元には戻らないかもしれない。
どこまで?
とにかく意志とは無関係に動こうとする由香さんの手を握ることしか、
そのときのじぶんにはできませんでした。





<うたうやまねこ今後のLIVE予定>

5/19(Sun.)駒沢大学ファンラン
Open11:00/Start14:00(予定)/Charge お食事代のみ

5/26(Sun.)日吉Nap → http://www.hiyoshinap.com/
Open18:30/Start19:00/Charge \1,500+1D

6/29(Sat.)四谷天窓.comfort → http://otonami.com/com_top
Open12:30/Start13:00/Charge \2,000+1D

一週間後になりました、駒沢大学ファンランは、
カフェ兼お惣菜やさんでのLIVEです。
ご飲食代だけで楽しんでいただけて、お料理もおいしいです。
公式なサイトはないので、「食べログ」等で検索してみてください。
お気軽に遊びにきてくださいね。
1 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する