18950906 NO2757 李仙得など雇用外国人の 懐柔策に関する 大鳥公使宛・陸奧外務大臣の 私信
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駐韓日本公使館記録 6巻 七. 王妃崩御•露館移御 一件 (6) [李仙得など雇用外国人の 懐柔策に関する 大鳥公使宛・陸奧外務大臣の 私信]
文書題目 (6) [李仙得など雇用外国人の 懐柔策に関する 大鳥公使宛・陸奧外務大臣の 私信]
文書番号 ＊「ル･ジャンドル 1830‐99 アメリカの軍人，外交官。李仙得とも称した。フランスに生まれ，のちアメリカに帰化。南北戦争に従軍し，活躍。1866年厦門（アモイ）駐在領事，73年公使デ･ロングの推薦で日本政府の外務省顧問となり，副島種臣外務卿に台湾併合を進言。74年台湾出兵に当たり蕃地事務局准二等出仕に転じ従軍，米英の中立宣言後も活躍した。90年朝鮮の外事顧問となり，京城で没した。」
発信日 九月 六日 ( 1895年 09月 06日 )
発信者 陸奧宗光
受信者 大鳥老台
(6) [李仙得など雇用外国人の 懐柔策に関する 大鳥公使宛・陸奧外務大臣の 私信]
前略 先だって私信をもって一寸申し述べておきました通り、柴四��＊はいよいよ一両日中に渡韓するとのこと、そもそも日本人の渡韓のことについては最初谷干城＊より伊藤伯に御申込しました経過もあり、その目的としては朴泳孝によって何か一仕事しようとするものであります。この際このような人物の渡韓することはいかがとは存じますが、これを使用するかどうかは全く老台の御裁量に一任致します。
もっとも本人よりの依頼もありますので、老台へは相当の幇助が与えられますよう申し可申置旨申聞置候得共、まず体裁よく御会釈なされておくのがよいかと存じます。もっともただ一つ彼を利用して用いてよいことは、同人は年来「リゼンドル」と別懇に致しているとのことで、同人を利用して「リゼンドル」を我薬籠中の物となされるなら諸事都合がよく、総じて目下の形勢に際して外国人を敵に持ちますことは我がために甚だ不得策であり、ことに「リゼンドル」は先前の関係からして我に対して好感触をもっていないのでこの際これらの手立てによって我が方の者とすることは得計であるはずで、そのほか「グレートハウス」なども十分味方に取り込んでおかれますよういたしたく、これまた彼等外人を味方に取り入れるため多少の費用を要することでもありますので、その辺もなんとか都合できますよう致したいと存じます。以上用のみ。 草々頓首
九月 六日
陸奧宗光
大鳥老台
＊芝四郎 これよりほぼ一か月後の10月 8日、閔妃が殺害される（乙未事変）。芝四郎はこの乙未事変に関与し収監されたが裁判では無罪となった
＊谷干城（たに たてき / かんじょう 幕末から明治にかけて活躍した武士（土佐藩士）、陸軍軍人、政治家。階級は陸軍中将。熊本鎮台司令長官であった西南戦争において、熊本城攻防戦を指揮したことで知られる。
＊リゼンドル 「フランス生まれのアメリカの軍人、外交官。1872年から1875年まで明治政府の外交顧問、1890年から1899年まで朝鮮王高宗（1897年からは大韓帝国皇帝）の顧問を務めた。十五代目市村羽左衛門は実子。声楽家の関屋敏子は孫にあたる。」
https://ja.wikipedia.org/wiki/チャールズ・ルジャンドル
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