〜村上春樹が1983年に発表した短編小説「納屋を焼く」を原作に、物語を大胆にアレンジして描いたミステリードラマ。アルバイトで生計を立てる小説家志望の青年ジョンスは、幼なじみの女性ヘミと偶然再会し、彼女がアフリカ旅行へ行く間の飼い猫の世話を頼まれる。旅行から戻ったヘミは、アフリカで知り合ったという謎めいた金持ちの男ベンをジョンスに紹介する。ある日、ベンはヘミと一緒にジョンスの自宅を訪れ、「僕は時々ビニールハウスを燃やしています」という秘密を打ち明ける。そして、その日を境にヘミが忽然と姿を消してしまう。ヘミに強く惹かれていたジュンスは、必死で彼女の行方を捜すが……。「ベテラン」のユ・アインが主演を務め、ベンをテレビシリーズ「ウォーキング・デッド」のスティーブン・ユァン、ヘミをオーディションで選ばれた新人女優チョン・ジョンソがそれぞれ演じた。第71回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に出品され、国際批評家連盟賞を受賞〜 <映画.comさんより>
テレビ版は録画済だけど、未見。劇場版を先に見ようと決めていました。
で、劇場版観賞。いやはや、もう、この一言しかないでしょう。。。
「ミステリアス!!!」 ひたすら「ミステリアス!!!!!」
謎のピースがあちこちに散りばめられているんだけど、それらをどうはめていくかは、全て観客の見方次第。
こぼれ落ちそうなぐらい次から次へと投げかけられるので、こっちは落とさないようにと、どんどん緊張感が増してゆく。
最重要のピースは、やはり、ビニールハウスかな。
それ以外にも・・・水の無い井戸、井戸の底から見える丸い空、いるのかいないのかの猫(後半突如出現)、無言電話、片付けられた部屋、クレジットカードの返済、パントマイムの世界、ベンの2度の欠伸、突如現れた母親、「リトルハンガー」と「グレイトハンガー」等々。。。
ジョンスが何度も駆け抜けてゆく農村の風景がいい。
(ジョンスを追いかけたり、また先導しているようにも見える鳥の群れの映像が、美しくもあり、恐ろしくもある)
燃やされたビニールハウスはどこ?ヘミはどこ?
ここからは、未見でこれから映画観賞予定の方はスルーしてください。
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もしかしてなんだけど・・・「ジョンスとベンは同一人物?」って思ってしまった場面があった。
それは、燃えているビニールハウスの(妄想?)場面があるんだけど、そこに立っているのは、ベンではなく、あれはおそらく、少年時代のジョンス。
「どうしてジョンス?」となると、考えられるのは・・・ベンはジョンスによって作られた、自らの隠された欲望を体現してくれる架空の人物とか???
いや、もう、頭がいっぱい、いっぱいで、混乱してます(^-^;
ラストシーンですべてを脱ぎ去ったジョンス。。。ようやく、何かの呪縛から解放されたようにも。
正直、娯楽性がそんなにはないので、最初は、ちょっと、頭がぼんやり。
でも、でも、気がついたら、もう抜け出せなくなってましたね。
私はハルキストじゃないけど、様々な解釈ができる内容で、優雅な混乱を味わいました。
4つ☆
追伸:ジョンスの父親役(公務員に暴行して裁判所シーンのみ出演)は『共犯者たち』『スパイネーション/自白』の監督&出演のチェ・スンホさんでビックリ!!!
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