たかひろは意を決してSMバーに入った。
憧れていたSM。
入店すると非日常の独特な雰囲気があり、
睾丸が締め付けられる思いだった。
店員がやさしく「予約の方ですか?」と聞いてきたが、
たかひろは舞い上がってしまい、何も言えないまま、
店を出てしまった。
なんて自分は臆病なんだと再確認した。
自分自身との約束も果たせない。
楽しみにしていた初めての風俗。
大人になれる一歩を逃した事は痛恨の一撃だ。
次はお母さんと来ようとすら思った。
また、自慰行為に耽る日々が続いた。
その後の
たかひろは仕事を転々としていた。
性根が怠け者なので、
楽して稼ぐ事にしか頭にない。
しかも、市役所の臨時職員を満期を迎えずに
辞めて欲しいと言われる人材・・・
たかひろは、自分は他人に役立つ人になりたい。
と常日頃から思っていた。
自分こそが他人から必要とされる
人物だと自惚れていた。
そのため、仕事で嫌な事があると、
これは、自分がやるべき仕事では無い。
無能なお前等がやるべきだと、
下らないプライドだけが先行していた。
たかひろは、以前から自信があった、
スピリチュアルの占いをする事に決めた。
40手前の童貞ニート。
魔法使い並みの霊力を持っているのが
役立つ時がきたといきり立っていた・・・・
ログインしてコメントを確認・投稿する