2月6日 17時30分開演 新国立劇場
[指揮]アッシャー・フィッシュ
[演出]ハンス=ペーター・レーマン
[独奏・独唱]トルステン・ケール(T)
リエネ・キンチャ(S) / ローマン・トレーケル(Br) /アレクサンドラ・ペーターザマー/ 妻屋秀和
[演奏]東京交響楽団 [合唱]新国立劇場合唱団
ますは序曲。オケの演奏は大したことはないが、舞台上で繰り広げられる
バレエがよかった。エロティックな衣装で官能的な踊りは、ヴェーヌスベルクに
ピッタリだった。
タンホイザー(ケール)
美しい声ではあるもの、第1幕では声量不足。後から思えばセーブしていたのだろうが
それにしても非力だ。おまけに高音での裏返りもしばしまあった。
しかし、2幕の歌合戦の場や3幕のローマ語りは見事、タンホイザーの苦悩を
十分表現できていたと思う。
エリザベート(キンチャ)
声量・容姿とも文句なし。主役を上回る声量には圧倒されるしかない。
難点としては歌に気品がないこと。お姫様はもっと清らかに歌ってほしいが
ちょっと欲張りかな。
ヴェーヌス(ペーターザマー)
妖艶な感じが十分あった。
ヴォルフラム(トレーケル)
地味な役と地味な歌だが、安定して演技と歌を味わえた。
妻屋(領主ヘルマン)
日本以外では絶対にこの役のオファーはないであろう。シリアスな場面でも
この人が歌い出すと一変して学芸会と化してしまう。
他に適役はいないのであろうか。
合唱団・オケ
いつ聴いても新国合唱団はすばらしいと思う。バイロイトの合唱団にも
引けをとらないのではなかろうか。
それに引き換え、専属のオケがないのはさびしい。
今回の東京響は、低音が充実している分、東京フィルよりはましと思うが
金管の綻びや機械的な弦楽器の響きはいかんともしがたい。
それでも指揮者フィッシュの手腕で歌手の邪魔をすることのない
好演であったとは思う。
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