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2019年02月17日20:38

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47 詩・短編を書いてみた (第1865〜1867回をまとめた)

短編・詩を書いてみました(^_^)
素人が書いたので
気に入っていただけるか分かりませんが
一生懸命に書いてみました
だいたい1000字以内なので暇なときにでも読んで
楽しんで頂けると幸いです(^_^)b

47「無神経な彼氏」

■■■■■■■■■■■
〔あらすじ〕
ため息が白く濁る夜。
私は
終電が迫る無人駅の改札前で私は苛立っていた………。

―――

それは数時間前のこと。
突然
アイツから電話で連絡があった。

「今日、そっちへ行くるから」

そう言った彼は私の質問を聞こうともしないで
一方的に電話を切りやがった。
私は慌てて家を出て
駅で待っているのだけど
数時間経っても来やがらない。

一体
いつになったら来るのか。

連絡しようにも持ってきた携帯電話も充電が切れて連絡が出来ないし
駅ナカにあった公衆電話を見つけたときは安堵した。
しかし
電話してもアイツは全く出やしない。

まったく…。
なんでいつもいつも…。

正直
あのバカ男と知り合ってかなり経つが
いまだにあの自分勝手には腹が立つ。

私は文句をブツクさと言いながらベンチに座って
アイツを待っていた。

少し時間が経つ。

はぁ…。
暇だなぁ…。

ふとアクビをしながら自分の右側を見ると
いつの間にベンチに居座っていた猫がいて
その猫もあくびしていた。

退屈なのか。
それとも今がつまらないのか。
どちらかなのか分からないけど。
気になるものが無さそうで羨ましい。

「アナタは自由気ままでいいね」

そう言うと
猫がコチラを見て優しい声で鳴く。
同情してくれているのだろうか。

「優しいね」

私は猫を撫でる。
猫は目を細めて
私の手に自分の匂いを付けるようにくねらせた。

そういえば…。
昔にも似たことがあったような…。

アイツと私が中学生の頃だ。
ある用事で最寄り駅から2つ離れた駅前に
段ボールに入れられた捨て子猫を発見した。
最寄り駅と同じくらい田舎にある雰囲気の駅だから人通りもほとんどなく
子猫は久し振りに見る人間の私達に少し震えている。
その姿は守ってあげたいと思うくらい可哀想で
すぐに家に帰って「飼いたい」と親に言ったのだけど断られた。
だけど
子供の私はどうしても見捨てることが出来なくて
その場所で世話をすることにした。
それにはアイツも協力してくれて
家の食べ物を食べさせたりと世話をしていたのだけど…。
ある日
突然といなくなってしまった。
大人になった今ならどうしてなのかは分かるのだけど。
子供の時は分かるわけないから慌てて探した。
でも
結局見つからなくて…。
そしたら
それを知ったアイツが私の前で段ボールに入って猫の真似をしてくれた。
きっと彼は慰めようとしてくれたのだろう。
でも
子供の頃の私は凄くムカついた。
だって
当時はふざけてるとしか思えなかったから。
今なら「もっと慰める方法はあるだろう!」と言ってやりたい。

本当にアイツは不器用。
自分勝手だから相手の気持ちが分からない。
でも
一生懸命に私を気にしてくれる。
それがあるからアイツの事を考えると歯痒くなってしまう…。

猫は私の撫でる手にたくさん甘えてくる。
その姿に私は「お前はあの時の猫なのかなぁ〜?」と冗談混じりに呟いた。
すると
猫は少しだけ動きを止めた。
まるで私の発言を聞いて驚いてるように。

アナタ、もしかして…。

そう思った瞬間。
最終電車の汽笛が鳴り
それに驚いた猫は駅から走って去ってしまった。
宙に浮いた手には猫の温もりが残り
それをどうしたらいいか戸惑ってしまう。

その間に電車が古いブレーキ音を響かせて停車する。
迎えにいくと乗っている客はたったの一人。

アイツだ。

「待ったぁ?」

……。

奴は私に会えて嬉しいのか
満面の笑顔を向けてくる。

コイツは私の苦労を何だと思っているのだろうか…。
その笑顔がスッゴいムカつく。

私は怒って踵を返して駅を出た。
すると
アイツは私の後を追ってきた。

「ま、待ってよ…!」
「来るな」
「何で怒ってるんだよ…!」
「何で…?」

私は怒りを込めた笑顔で振り向いた。
その表情にさすがの彼も気づいたようで。

「ご、ごめんなさい…」
「謝るのが遅い。バカ」

それからコイツは私の機嫌が治ったと勘違いしたのか。
さっきの怯えてた態度がケロッと変わって
自分が上京した街の出来事を壊れた蛇口のように話を始めた。
あれやこれやと本当に楽しそうに…。

あらためて思うけど
コイツの身勝手には私は慣れてしまってるから何も思わないが
私以外の人にはどう思われているのだろうか?
特にコイツが上京したのは都会だから余計に心配なのだけど…。

とは言え
コイツの場合はそんな事を察する人でもないから
気楽にやっているのだろう。
本当に羨ましい。

そういうことを考えてると
コイツの彼の雰囲気が次第に固くなっていった。
この人は大事な事を話すとき必ず雰囲気が変わる。

何を言うんだろう…?

私は少し身構えた。

「あのさ…。一緒にいて結構、長くいるじゃない」
「まぁ、幼馴染みだし、付き合ってるからね」
「だからさ…」
「うん」
「け、結婚してくれないか?」

あぁ…。結婚か…。

「どうかな?」
「う〜〜〜ん」
「どう、かな…?」
「やだ」
「なっ…!? ど、どうしてさ…!」
「まずは、その自分勝手を直してからにして」
「そんな…」

本当に残念そうな顔をしている。

たまにはこうしないと面白くない。

とはいえ…。

このバカがバカなりに勇気を振り絞って口にした言葉だ。
無下にするのもね…。
まぁ、少しは結婚のこと、考えておくか。
多分、コイツのことは私にしか分からないだろうし
私がいないと大変だろうしね。

そう思いながら
落ち込む彼を連れて家に帰ったのだった…………。


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