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2018年12月02日23:57

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《リザルト(仮)》《紹介の無い会社》《ちー+! 046》

《リザルト(仮)》

『あのコ』を起点に始まった車内の問題はまだ終わっていない。
終盤に差し掛かっている事には変わりないが、奮闘しつつも上司が音を上げ掛けている状況下、これ以上の負担は掛けられないのも本音だ。
という事で、役職上の問題もあり、俺では立ち入り出来ない総責任・責任・ボスザル3名を相手にしてもらうその一方で、あのコに関しては俺が直接終了させる運びに。これまで俺の考えに基づいて行動していた上司からの依頼という事は、上司の立場上としてこの先に進めないのだろう。…まあ、そうだな。それは俺も理解してた。

という訳で、あのコを焦点とした最終決戦に向けて、相談窓口に文章を製作開始。
仲間内にダメージが及ばないようにし、且つ、真実を伝える文章制作はなかなかに骨が折れる。コレがあるから、これまでの俺はどんな会社でも単動行動に徹していたのだが、…まあ、判っちゃいたが、色々と面倒臭い。繋がりを維持するという事は。

今回の一連で失うものは多かったが、得る物も大きい。

まず総責任。降格確定。
本心としては、それまで追い詰められていった人々を思えば居なくなって欲しいが、今や現場内部の全体を把握し、顔の広い人材が他に存在しないので、機能を維持するためには必要不可欠だ。上司の願いもあって、しぶしぶ承知する運びに。
とはいえ、間接的な人格矯正も順調で、罵詈雑言の毎日は、一応、過去のものとなった。昔の本人を知る関係者は常に煙たがっているが、新人にはそこそこウケがいい。

次に責任。現状維持。
皮を被って大人しくなっていたと思われた間に数回に渡る間接攻撃(ハラスメント講習をはじめとする、色々な講習をはじめ、彼の持つパイプラインを逆利用して情報流出。彼の苦手とする本部上司にバコバコ攻撃して頂く)が功を奏し過ぎ、必要以上の更生に成功した模様。業務に対する考え方は相変わらずだが、人間関係を尊重するようになったのは傍から見ていても判る。
ちなみに更生直後は俺も上司も関係者も『演技』と思っていたため、それにしては凝りに凝った『演技』に対して『???』だった。まさか本物だったとは…。

最後にボスザル。既に降格済み。異動決定。
俺個人のターゲットとしては真っ先に消したかった相手で、この人が転がり込んでからの約1年半の期間で実に11名が現場を去った事になり、12月一杯を以って更に1人の退職が決定している。本来は来年早々に辞職を決意した同僚も居たが、こちらは俺が直接上司に脅しを掛け、その日の内に緊急会議を開かせ、急遽ボスザルの異動を決定させる事で回避成功。この同僚は俺の部門で一番の古株で、最も機転が利き、それぞれの内容を深く知る人物なので、『形だけの2番手』の俺とは比較にならないのだ。
俺が直接会議に混ざったわけではないので流れは分からないが、一応、俺…というよりも、こちら側の希望が通ったらしく、行き先は現場を去った11人中、初めの逃走車である『ボスザルを現場に引き入れたリーダー』の所。かっこいい事ばかり言って、そそくさと逃げ出した罪を受けろ(笑)。
ちなみに、コイツは何かしらの精神異常を持っているというのが俺個人の見解だったため、それなりに色々と探っていたが、先週にその結論が出た。
『自己愛性人格障害』というヤツだ。そう考えると、全てが腑に落ちる。
まあ、そんな病名に辿り着く前に過去の環境は話の節々から拾えていたが、…優しい言い方をすれば、そんなボスザルも被害者なんだよな。
常に自分を上に維持する考えというのは狂ってるなぁ。一言に可哀想だ。

ストーカー男に関してはもはや蚊帳の外。ただ、そろそろいい時期なのか、少しずつ俺たち周辺に接触を試みる感があるため、近いうちに決着となるかも。


《紹介の無い会社》

俺の会社は正社員以外の新従業員の入社時紹介も無ければ退職発表も無い。
なので、特に他部門となれば、『いつの間にか人が増えていて、いつの間にかあの人が消えている』という事が日常茶飯事だ。しかも、出入りの多い会社なので、その頻度も尋常ではない。
そんな理由で守衛も出入りする顔を覚え切れなく、少し前に辞めた人間が成りすましで通過し、金品を奪うような行為も数件あるにはある。俺も現行犯で1人ばかり見付けてしまい、『ぽこっ☆』ってした事がある。あの時はビックリした。

まあ、強盗がどうこうという訳でもなく、出入りの多い場所には必然的に人為的な不備が生まれるので、そう言った不遇を避ける意味でも紹介という行為は必要だと思うのだが、それをこの会社はやらないんだよね。

今回、11月の時点で12月に2人が去る事が決定しており、1人に関しては有給消化のためにもう来ない。それなのに何の発表もないというのはどういう事か? 人間関係の重要性に対する軽率な考えがそういった判断に結び付いているとしか思えないのだが、まあ、ペーペーの俺が口出しするのもなんだから、俺は俺で自分の考えを重要視しつつ、ひっそりと同レベルの立ち位置に居る同僚に横の繋がりを強めてきたわけだ。
ちなみに12月一杯を以って退職する2人の情報は、それぞれの本人たちから伝えられており、それまでの業務に対する考え方や行動方針のちぐはぐさから回復は難しいと見込んでもいたため、率直には辞めて他を探した方が本人たちの為に良いとも考えていたが、いかんせん衝動的に辞めようとする部分が多かったため、それを阻止し続けていた。『他を探して決定してから辞めろ』と。考えてみれば1年半も前の話だ。…サルD…。

そんな2人の今後の方針が決定され、毎年恒例ながら人手不足の年末の予感を抱える事になった11月30日のお話。

忙しさのピークから早出が要請され、言葉通りに早出出勤にて特殊業務をこなしたわけだが、こういった日の俺は超高確率で昼食である『からあげ』の注文を忘れている…。そんで、この日もそうだった。
例によって、女性事務員のクポが来る…。
遠目に俺が気付くのを待つクポ。気付く俺。
目が合うなり、
クポ『からあげ屋さんの登場です!』
てぃ『のわーっ! また忘れてた! 毎回スマン!』
クポ『頼みます?』
てぃ『頼む頼む! …20円でいい?』
クポ『ダメです! 110円です』
てぃ『へいへい、耳揃えます』
クポ『…って、こんなやりとりも今日で最後なんですよね…』
てぃ『…へ?』
聞けばクポ、11月いっぱいで退職の運びだったとか。向こう側は既に俺が知っていると思い込んでいたため、自ら口を割らなかったようだが、それにしても普段と変わらな過ぎる俺の対応に疑問が生じ、こうして言い放ったという…。全然知らなかった。
今年の1月にも仲の良かった事務員が退職したが、その時も会話の偶然から知る事になったわけだが、本当にこの会社は人の出入りに関して何一つ情報を伝えたがらない。一体どういった考えを軸に業務が成されていると考えているのか。
人を管理する立場の人間は、もっと人を大切にするべきだと思うんだよね。

17時、前回の女性事務員の時にもそうしたように、休憩時間を利用して事務室へ。
事務室ではささやかな送会が開かれていた。
『やっぱり顔を出しましたね』
カナっちが当たり前のように声を放つが、俺、本人以外の誰にも知らされていなかったのだが…。そして現場の人間の登場は俺一人。前回同様で、情報というよりも、出入りに関して誰もが無関心な会社に苛立つな。

涙目でも笑顔のクポが会社を出るのを確認し、軽くカナっちに威圧を掛ける。事務所と現場が仲悪いのは理解できるが、それにしても世話になった互いの退職を知らせ合わないのはどういう事かと。
すると、困った感じのカナっちは『2週間前に、彼女が退職の意を示したその日に総責任に伝えた』と。
…ある意味、納得。あの人じゃダメだ。
一応、決定事項を伝えるなら、せめて複数にと告げて、まあ、俺は撤退。

次の日、偶然にも俺が昼礼当番だったので、ちょっと強調して全体に伝えた。
『会社は1人ではどうにもならず、互いの連携があって初めて『動き』が実現する場である。人の扱いが悪いこの会社の出入りの凄まじさは俺も個人も理解しているが、どんな人物が会社を去るに至っても、それまではその人の力があって業務が続けられていた事実には変わりなく、好き嫌いという低次元な感情を抜きにして感謝すべきと個人的には考える。今回合計3名の退職を知る事になったが、その全てが本人たちから聞かされるというのは異常であり、この会社のあり方が疑わしい』
とかなんとか。正直、頭にも来ていたので何を言ったのかよく覚えていない。
そんな俺の一言が終了すると、締めに必ず総責任が前に出るのだが、第一声に、
『…今の話、俺の事ですか?』…と。
笑顔で『さあ…?』と答えてやった。
ちょっとは考え方を改めてもらえるといいんだけどね。


《ちー+! 046》

第一章 仲間たちとの行進曲 3-8

【魔法都市ペナ・リノ [南部]】
『旅館 クルーデュラ・フルール』

 ばたん!
「チータス殿っ!?」
 旅館の入口を力任せに開き、スケクは大声を上げて止まる。そしてその開かれた扉から無言で内部に侵入し、短い時間で周囲の状況を確認するアッベシ。本来はその後にダーマン、ラウニーと続き、素早く配置取る事になるわけだが、これは室内における戦闘突入手前の迅速な陣形作りの行動手順である。
「…ん? どうしたの? そんなに慌てて、何かあったの? ナルには会えなかったの?」
 エントランスルームに並ぶテーブルの1つから、既にここでは聞く事は無いと思われていたチータスの声が聞こえた。
「チータス殿!? …あれ?」
「あ…、ちゃんと居た」
 これまた思い掛けない現実に2人は思わず立ち止まってしまい、その後の言葉を失ってしまう。スケクに至っては、勢い良く開けてしまった扉で壁が傷付いていないかを確認する始末だ。
「お馬さん…はぁはぁ…」
 ナルミの到着は、実に数十秒遅れの事だった。


「あービックリした。大体、言い回しがややこしいのよ」
 概ねの話を聞いた事で安堵したスケクは、第一声にそう答えた。
 なんでも、チータスとナルミの母親は互いに個人的な話があったらしく、こう言ってはなんだが、ナルミが傍に居ると切り出し難い内容でもあったらしい。そのため、母親はナルミにスープを客人であるスケク達に持ち運ぶ役を任せ、その時間拡張にチータスが馬車の話を持ち出したらしい。その時に冗談交じりに『足止め』という言葉を使ったようだが、話の流れからして、どうやら足止めを食らったのはナルミの方だったようだ。
「今さらあたしが逃げ出すと思った?」
 こうなる事も予想の範囲だったのだろう。チータスはにやにやと意地悪そうな顔つきで答え難い質問を向けてくる。…が、今やチータス本人の希望で『普通の対応』で接するスケクには通用しない。
「人は一度言い出した事を簡単には忘れられないものよ。いつ、どこで、過去の希望が再燃するかは判らないの」
「信用されないと辛いね」
「…なら、信用される行動方針を胸に、毎日を前向きに生きる事ね」
「ヘイヘイ…厳しいお言葉で。……で、ナル? 今日は一日暇なの?」
 スケクとの会話を打ち切り、ナルミに向けて話を振るチータス。
 ナルミは未だ解決しない馬車の搭乗を気にしていたが、ここでそれを露わにするとチータスの思うつぼと捉え、一旦、馬車については頭から切り離して返事をする。
「うん。偶然だけど、今日までが暇で、明日からアカデミーの寮に行く事になっているの。だから今日は大丈夫。…ね、お母さん?」
「そうね、民宿の手伝いばかりでも可哀想に思っていた所だから、せっかくなんだし、2人で街中でも歩いてくるといいんじゃないかしら?」
 ナルミの母親も気を利かせ、そう言ってチータスに向き直った。そんな姿を確認すると、チータスは席を立ち、スケクとアッベシ両名にネメス城兵の寄宿エリアに戻る事を告げた。
「もういいのですか?」
 流れが理解出来ないのは城兵2人とも同じだ。そのうち、アッベシが声を上げた。
「うん、ちょっと話し合いが必要だから、まずはそれからかな。…ナル、夕方までにはまた来るから、それまで待っててね。今日はダメだろうけど、明日には馬車に乗せてもらえるように話しておくから」
「わかった。待ってる」
 ナルミの返事を確認すると、チータスは一回、母親に目を合わせて意味ありげな笑顔を送ると、あとは黙って外へと向かった。

「話し合いって、…何かあるの?」
旅館の旅館 クルーデュラ・フルールを離れ、スケクが疑問を投げ掛けた。
「うん、あたしにとって、すごく重要な話があるの。ラウニーさんとダーマンさんは戻っているかな?」
「何とも言えませんね。生活用品の買出しは必須項目ですが、同時に彼らの休憩時間も含まれていますので、基本的には明日の出発にさえ支障がなければいつ帰ってきてもおかしくないのです」
 答えたのはアッベシ。チータスはその回答に「まいったなー」とだけ呟く。
「何が参ったんだか知らないけど、大丈夫だと思うわよ。今回は珍しい勇者志願の護送任務で、今日は今日で会食予定もあるからね。こんな時に遊び回るような隊長じゃないわよ。…それはそうと、話とやらの内容を教えてくれないかしら?」
「今はダメ」
「え?」
 異常を感じる即答にスケクは耳を疑うが、チータスはすぐに言葉を足した。
「それとなく後ろを見てみて」
「………?」
 言われるがままに、周囲を眺めるようにして自分たちの歩いてきた路上を視野に含めると、ついさっきまで一緒に居た服装の少女の姿が…。ナルミだ。
「尾行…?」
「そんなカッコイイ響きのもんじゃないよ。アイツ、正直過ぎるって言うか、行動に出ちゃうタイプだからさぁ、あたしの事で気になると、その気が無くてもあーやってついてきちゃうの」
 当たり前のように言い放つチータスは、スケクの記憶の限りでは旅館を出て一度も振り返った様子は無かった筈だ。そんな見もしない彼女の行動を当たり前のように言い当てる2人の関係とは…?
 それにしても、チータスが『尾行』という言葉を否定したように、後方のナルミは人波に紛れる様子も無く、かといって周囲の樹木に隠れる素振りも見せない。本当にこちらの…と言うよりは、チータスの発した『話がある』という、その内容を気にするあまり、無意識について来てしまっているのが、今現在の彼女の行動源となっているようだった。
(まるで夢遊病…)
 スケクは内心でそう思いつつも、まさか口に出す事の出来ない言葉を、そのまま胸の奥底に葬る事にした。


《あとがき》

気が付けば…、という話ともなってしまうが、『あのコ』から始まる事になった様々な人間問題のアレコレは随分と形を変えていた。
まず、露骨な罵詈雑言の数が圧倒的に減り、関係者の持っていたそれぞれの悪い特徴の多くは水面下に沈んだようだ。
その一方で、新規従業員の離職率が減り、上司が喜んでいた。
古参となる古株は減る一方だが、業務の終了時刻は人数に反比例して早まっており、それぞれの持つ作業効率を実戦し易い環境下となった今、実際に効率化に結び付けられている事が伺える。
あとは問題の3名のこの先を知らない周囲の人が、どういった反応をこの先に示すかという所が気になるが、ボスザルの追い出し成功の報はきっと全体の指揮を大きく上昇させ、その行き先となる第一の逃亡者はこの上なくウンザリする事だろう。
その場凌ぎの一人の判断が混乱を生み落とし、結果的に俺の部署だけで11名を失い、更に12月いっぱいで1名を失う羽目になったのだ。リミット7名の部署としてはあまりにも多い人数だ。
報復というには生温いが、まあ、いま出来る限りの『最大のお仕置き』がその程度なので、仕方がないと言えばそれまでだが、言い換えれば最大のお仕置きが決行できるのは俺に限らず、我慢を耐え抜いたみんなへの報酬にもなる事だろう。


大袈裟な言い回しでは無く、人との出逢いは対象が選べるものでもなく、望んで発生するものではない。そして人との別れもそれぞれの考えがある以上、コントロールする事は不可能であり、仕方がない事だ。
しかし、出逢ってから別れるまでの期間の多少に関わらず、何かしらの関係というものは生まれるもので、俺の人生を遡って考えれば、どうやら俺の場合はほとんどの出逢いに対して普通以上の間柄になり易い傾向にあるようだ。
なので、プライベートの関係が全くゼロでも社内では仲良くしているように見えるようで、『知り合いだったの?』という質問を受ける事もしばしば。
嬉しい事に、人に受け入れられ易いんだろうと、ここ最近では思うようになれた。
その一方で、急な別れはどうしても馴染めず、その人の考えを重視すれば応援するべきなのだろうが、行き先によっては素直に応援する事も出来ず、脳内では暗雲すら出現してしまう。
今回のクポに関してもそうだった。華やかな表向きの職場の裏側は壮絶で、彼女の人格や性格でカバーできる職場ではないと察知したが、既に彼女が離れた後に知った内容なのでどうにもならない。あとは本人の持つ運頼み。

やっぱ人間の情報って重要だよな。
とか思う。
今回の『別れ』の救いどころは、急すぎた内容だったな。告げられたその日が最後の日…。悲しさや寂しさではなく、『はぁっ??』といった驚きだけだった…。

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