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2018年11月18日18:53

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映画、歴史小説におけるフィクションはどこまで許されるのか?

映画、歴史小説におけるフィクションはどこまで許されるのだろうか?「映画、歴史小説を見て歴史の勉強をしている」という人がたくさん多くて特に若者に多いが、映画、歴史小説というのは、かなりのフィクションが入っていることを頭に入れておかないといけない。

ドイツ映画でヒトラーの最後を描いた「ヒトラー最後の12日間」という映画があるが、この映画は半分くらいがデタラメなのである。まずは、主人公のユンゲ秘書はナチスドイツのホロコースト政策、アーリア人種優秀政策などにはほとんど興味がなく、ニュルンベルク裁判で初めてナチスドイツの正体を知って驚いたなどと冒頭で述べているが、これは全くのデタラメだ。

実際のユンゲは第12SSヒトラーユーゲント機甲師団の将校だったSS中尉と結婚しており、ヒトラー秘書になることを志願したくらいだから、ナチズムにある程度の興味はあったはずである。彼女は2002年に死ぬまでナチスドイツの詳しい政策は知らなかったと言っていたというが、1943年中旬からヒトラーの自殺まで地下壕にいてヒトラーの遺書をタイプした秘書が、ホロコーストもナチスの政策もほとんど知らなかったというのは極めて不自然だ。さらに、彼女のようなナチス高官をよく知る女性は女性映画監督レニ・リーフェンシュタールのように、ドイツが統一される頃までは西ドイツではタブー的な扱いだった。

「ヒトラー最期の12日間」という映画が、1990年代でなくて2003年に完成したというのは90年代に制作するとモーンケ、ギュンシェといったSS将校の他の総統地下壕の生存者が生きており、そういう人々からのクレームがつくと予想されたからだろう。この映画ではあくまでもユンゲ秘書はナチスの正体を知らない無知な24才の女という立場でなければならなかった。ユンゲが「ユダヤ人なんて大嫌い。ナチスドイツの政治家さん、軍人さん、特に戦死した私の親衛隊将校が本当に可哀そう」などという本音を映画中で言っていたら、この映画はナチスびいきばかりで成立しなくなる。

この映画以外にもユダヤ人映画監督と音楽監督が作った「サウンド・オブ・ミュージック」も完全な嘘である。この映画はドイツ映画でトラップ家族の人生を描いた「菩提樹」([Die Trapp Familie]「トラップ一家」が原題)というドイツ映画のリメイクである。トラップ家族の本当の姿を描いた「菩提樹」がドイツ、オーストリアですごく人気があるので、ハリウッドのユダヤ人が「サウンド・オブ・ミュージック」というタイトルにしてリメイクした。

だが、「菩提樹」がドイツとオーストリアではすごく人気があるので、ユダヤ人のリメイク版の映画はすごくドイツとオーストリアでは嫌われている。「ハリウッドのユダヤ人どもが、いつものようにドイツ人とオーストリア人を悪役にした映画を作って、世界を騙して金儲けをしている」ということで現地ではタブー扱いになっていて、トラップ家が住んでいたザルツブルクでこのミュージカル映画の話をすると、「それについては話したくない」と言って話すのを拒否する人までいるらしい。僕はザルツブルクには一度行ったことがあるが、この街にはモーツアルト関係のお土産はたくさんあるけど、「サウンド・オブ・ミュージック」関係のお土産はほとんどなかった。

トラップ家はナチスがオーストリアを併合した時にアメリカへと亡命したが、別にホロコーストとファシズムに反対していたのではなくて、トラップ大佐もファシストであり自由と博愛精神の人ではなかった。大佐は成り上がり物が多いナチスではなくて伝統のあるハプスブルグ家のオーストリア帝国に忠誠を誓っていたのであり、貴族という家柄もあったので「ヒトラーという貧民上がりの奴に忠誠を誓いたくない」という理由で、オーストリアを離れることを選んだのだった。別にホロコースト政策などに反対していたのではない。

こちらがユンゲ秘書の英語の説明。決してナチスドイツの政策に無知ではなかったことが書いてある。

https://en.wikipedia.org/wiki/Traudl_Junge

こちらが、「サウンド・オブ・ミュージック」のウィキペディアの説明。いかにドイツとオーストリアでは「菩提樹」が人気があって、「サウンド・オブ・ミュージック」が人気がないかが書いてある。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%82%A6%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%BB%E3%82%AA%E3%83%96%E3%83%BB%E3%83%9F%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%83%83%E3%82%AF_(%E6%98%A0%E7%94%BB)

地元のザルツブルクを含むドイツ語圏ではこの映画はヒットしなかった。西ドイツではこの映画の9年前、ミュージカルが作られるより以前の1956年と1958年に同じくトラップ一家の物語を題材とした映画『菩提樹』、『続・菩提樹』が制作されており、ドイツ語圏での『サウンド・オブ・ミュージック』の不評とは対照的に『菩提樹』は「1950年代で最も成功したドイツ映画のひとつ」とも言われている[29]。そしてオーストリアではザルツブルクを除いて、21世紀に入るまでこの映画は1度も上映されていない。原因はこの映画が当時のオーストリアの現実とまったく異なるものであることに起因する[30]。

この映画のナチスに走ったツェラー、ロルフ、フランツを単純な悪役にしていては当時の複雑なオーストリアを理解することは難しい。故に『サウンド・オブ・ミュージック』が日本におけるオーストリアのイメージを最も強く歪めてきたと言われている[34]。

まあ、どうせハリウッド映画なんてユダヤ人の監督と重役が多くて、スピルバーグが「プライベート・ライアン」というデタラメ映画を作ってそれを名作なんて言っているレベルだから、史実とはかけ離れているのは当たり前だろう。ナチス・ドイツの宣伝大臣ゲッベルスが「もしあなたが十分に大きな嘘を頻繁に繰り返せば、人々は最後にはその嘘を信じるだろう。」と言っていたが、戦後はハリウッドのユダヤ人が全く同じことをやっている。それにしても、いつもハリウッド映画で悪役のドイツ系の方々は本当に気の毒だと思う。ドイツ軍びいきの日本人なら、ドイツ系の方々の苦悩はわかるだろう。

写真の左はドイツ語圏で大ヒットした「菩提樹」(2015年のリメイク版)のポスター。右はハリウッドのユダヤ人による嘘映画だが、世界中で「名作」とされている「サウンド・オブ・ミュージック」のポスター。




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