インターネットで見つけました

「いつか来た道」


（小説の一文）
「ここのところずっとそうなの。本当にうまくしゃべれないのよ。なにかをしゃべろうとしても、いつも見当ちがいな言葉しか浮かんでこないの。見当ちがいだったり、まるで逆だったりね。それで、それを訂正しようとすると、もっと余計に混乱して見当ちがいになっちゃうの。そうすると最初に自分が何を言おうとしているのかがわからなくなっちゃうの。まるで自分の体がふたつにわかれていてね、追いかけっこをしているみたいな、そんな感じなの。まん中にすごい太い柱が立っていてね、そこのまわりをぐるぐるまわりながら追いかけっこしてるのよ。それでちゃんとした言葉って、いつももう一人の私の方が抱えていて、私は絶対に追いつけないの」

「私、キレイ？」
そう言われて、否定する人などいないから、自分で探そうとする話。
もちろんそんなことだけではなく、そうしたことから自分の旅が始まるのだけれど。

（メルマガからの引用）