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2018年10月24日23:29

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《優雅な遅刻?》《ちー+! 18》

《優雅な遅刻?》

いつの間にか寝落ちして、目が覚めて、朝。
何時だ? 珍しく気分がいい。仕事まではまだ余裕がありそうだ。
そんな思いで時計を見る。


『07:36』

はい、遅刻確定。たぶん確定。
遅刻の多い我が人生だが、初めて爽快な目覚めの遅刻というモノを味わってしまった。

必殺、瞬間着替え。『説明しようっ!』とか、なんかナレーションの声が聞こえてきそうな俺の動き。

車に乗って運転開始! その短い間で脳内会議。最短ルートを探す。

コース1:
ダメ。既に登校が始まっている。
コース2:
これもダメ。9時出社の会社が乱立しているゾーンがあるため、この時間から渋滞が始まっている頃だ。
コース3:運任せになるが、それ以前に現在工事中…。

全てダメ。ならば、これまた運任せになるが、通常コースで。バイパスの速度維持が運命を左右する。
…という、3秒未満の脳内会議の結果、通常コースで。

1回目の右折。ハイ、イキナリ渋滞。遅刻確定! おめでとう。
あ〜…、フレックスまがいの職場で良かった。


そんな本日の業務は快挙の早上がり。
みんなワイワイ帰って行く…。
そして俺だけ寂しく居残り…。
本当にやる事が無かったのでスイーパー押しながらウロウロする事に専念してた。思った以上に床面が綺麗になった事に自分でビックリ。明日、みんな驚くだろうな。でも、俺は休みなんだな。


《ちー+! 18》

第一章 勇者志願見習い(笑)2-3

【ベレーレルの村】

 相手が冒険者…、いや、自由戦士が本業と言っただろうか? 考えたところで詳しくは分からないが、とにかく『アキ』がよく足を運ぶらしい場所めいた所は既に知っている。『南ギルド』、それに、『ネメスのあくび』。…そんな場所だ。
『ギルド』という言葉は聞いた覚えがあった。内容こそ全く知らないが、ベレーレル内部以外に無知な自分が知る言葉だ。きっとネメス城の見える位置では有名な存在なのだろう。そしてもう1つ。…『ネメスのあくび』…。
「…………。『あくび』…?」
 何度となくアキの残した手紙に目を落としては、同じ事を繰り返し疑問に思うチータスだが、何度考えても意味不明な言葉の繋がりだ。
『ネメス』は分かる。この国の土地全体を指した言葉であり、城であり、その城下町にも通る名前だ。…でも、その次の『あくび』が…。
「だめ…、全然わからない!」
 何度同じ事を繰り返しただろう。何度も同じ事を思いつつも、またもや手紙を2つ折りにし、枕元にそっと置く。最近は暇があればこればかりだ。…最も、今や昼夜を通して暇とも言えそうだが。
 ナルミが去り、これといってベレーレル全体の興味が薄れたチータスにとって、今となれば使い道の無い時間をひたすら浪費する毎日だったが、城からの迎えとやらの予定日がいよいよ明日に迫っていたのである。
 自分が迎える『試練の年』の内容、『勇者志願』とは、いったいどんなものなのだろう?
 未だに興味そのものが無く、出来れば逃げ出したい気持ちの方が勝っている事に変わりはないが、どちらにしても城から迎えが来てしまうのであれば逃げようが無いとも考えていた。素直なわけではない。諦めているだけである。
 そうなると、やはりアキを頼る事が最善と考えるわけだが、城周辺ともなると人数がベレーレルの比較ではないとも聞く。
…比較ではないとは聞かされるが、やはりこれも無知ゆえか、比較する何かがあるわけでもなければ想像すら成り立たず、これもまた考えるほどに悶々とするばかりだった。
結局は何もわからない。…わかる筈がないと表現した方が正しいだろうか。

 たまに部屋を出て気付く事といえば、見慣れない道具がどこからか姿を現し、時間経過と共にそれらが並べられた袋の中に詰められている所だろうか。確かさっきは初めて見るだろう食器の幾つかが並べられていた筈だが、今はそれらが紐でひとまとめにされていた。この食器も袋のどれかに入れられる事になるのだろう。
 考えるまでもなく、母親のエマや父親のノルンが時間を見付けて少しずつ出発の準備を進めているようだが、実際に旅立つ事になるチータスに一切の声が掛からない所を見ると、それは両親なりの配慮なのだろうと思えてしまい、日常と異なるその様子を想像するとどこか可愛らしさを感じてしまう。
 しかし、チータス個人の願いが叶うのであれば、試練の年…いや、せめて勇者志願を取り消してもらいたいものだ。
 もし、そんな願いが通るのであれば、心を入れ替えたような前向きさ加減で農業に精を出し始める事だろう。そんな気がする。…確定ではないが。
「どれどれ…?」
 半ば諦めたような声を出し、閉じられた袋の1つ開き、中を覗き見る。
(……………?)
 思い付く事は無かった。大小の箱が幾つか入っているが、蓋を開いて中身に目を通しても、それらが何に使用するかも検討が付かなかった。当然、その名前も思い浮かばない。
 チータスは中身の確認に何も理解を示せないままに再び紐を結ぶ。そもそも興味の無いこれからの行動に伴う興味の無い道具なんかを考える性分でもなく、こうした自分の姿そのものがおかしいのだ。
 分からないなら分からないなりに自分の想像の範疇でこれからを考えた方が賢明だろう。そう思った。その中で分からない事を親に尋ねればいいのだ。

 まず、一言に『旅』と表現される行為についてだ。冒険者や自由戦士とは『旅』をしているのだろうか? そこからが疑問だ。
 そこまで思ってハッとする。『旅人』という言葉が思い浮かんだ。…となると、冒険者や自由戦士は『旅』をしていない…?
 なんか、さっそく分からなくなってきた。もっと範囲を狭めよう。
…ここだ。ベレーレルだ。
 ベレーレルの村人がたまに魔法都市ペナ・リノに行く場合、キャラバン隊を利用せずに徒歩で向かう事があるが、この10日足らずの行き来を村人は『旅』と表現する。
『旅』と表現し、冒険だか運動だか、何が楽しいのか村を徒歩で出入りする村人はちらほら見てきたが、どうやら『旅』に備える所持品には『高コスト型』と『低コスト型』と呼ばれるものがあるらしい。
『高コスト型』とは手荷物を最小限に抑え、代わりに所持金に余裕を持たせ、旅の途中ですれ違うキャラバンや行商人たちから必要な物資を補給しつつ移動を続ける方法らしく、もう一つの『低コスト型』というのはその逆であるようだ。
 どちらも一長一短とでもいおうか、高コスト型だと必要な時に必要な物資が思うように得られない場合があると聞き、低コストの場合だととにかく荷物が多いため、相当の体力を要するらしい。
 これまでチータスが見た事のある『低コスト型』での旅に挑む人の荷物といえば…、考えるだけでもウンザリするような量だった気がする。全ての必要道具を仕舞った袋は、それを担ぐ人よりも大きく見える印象が強く、そんな姿の自分を考えると…、それだけで逃げ出しそうだ。
 しかし、そこはどことなしか安心していた。
 これまで客観的に眺めてきた荷物はどれも小さく、一つにまとめても高コスト型よりも随分と小さそうな所が好印象だ。城からの迎えがあるのだから、移動は馬車となりそうだし、それ以前にある程度の準備を向こう側でしているのかも知れない。
 食料の心配もなさそうだ。迎えの人数が何人かまでは両親も知らないようだが、まさか迎えの関係者だけの食料という事は無いだろう。
 一番ありがたいのは、やはり馬車の存在だろう。いや、馬車とは限らず、自分の空間がどれだけ確保されるかはその時が来なければわからないが、荷物を背負わなくても済みそうな所が何よりの救いだ。
 もし、この予想が外れて見事に徒歩となった場合には、存分な女々しさを見せつけて屈強な城兵に荷物を持たせるのも手である。
もっとも、これまでの自分への評価が『わんぱく』とか『男勝り』なので、自分自身で『女々しさ』がどんなものかさっぱり分かっていないが、その辺はナルミの日常を真似ればいい気がする。ナヨナヨメソメソクネクネとしていれば問題は無さそうだ。上手くいけば迎え側から期待外れの勇者志願を却下されるかもしれない。

 いつしかチータスはネメス城までの移動について楽観視していた。自分で演技する『ナルミらしさ』を脳裏で追及すれば、本人に失礼と思いながらも笑いを堪えられない所もあった。
 だが、これはある意味で体得しなくてはいけないモノなのかも知れない。
 ひとまず重要なのは、城までの道程で行う行動とその内容だ。如何にしてペナルティを受ける事無く勇者志願を脱するか…。如何にして相手に『こりゃダメだ』と思わせるかが問題だ。
 もともとやる気なんて無い勇者志願だが、向こうに妙な期待があるなら、まずはそれを払拭しなければいけない。試練の年中をふらふらと遊びまわった結果の先に、『まあ、こんなものか。…仕方がないか』と思わせる意識付けが必要なのだ。
 これほど何かに対して集中した事なんて、今までにきっとない事だったろう。しかし今は違う。真の目標が出来た。『正当に逃げ切る』という目標が。
 そのための『ナルミ体得』…。
 
 チータスの考える、よくわからない情熱は今しばらく続く。


《あとがき》

スッキリ起きた遅刻…。
かつて6日出社中6日遅刻を年単位で続けた俺が初めて遭遇した、未知の目覚めだった。
体内時計は遥か昔から狂っていたが、ついに目覚めの思考まで狂い始めたらしい。

なんか笑っちゃうね。
いやいや、笑えないな。


本当に不眠症が過眠症に転じたらしく、なんかいつの間にか眠っている事が増えたここ最近。
明日の休みはパチ屋イベントに行く為、先月から組み入れていた俺自らの休みなのだが、・………起きられるかな?

よくある話の一つで、『休日ばかり早起き』とか、『自分の予定日だけ早起き』ってあるじゃん? ソレ、俺には無いんだよね。小学生の頃から羨ましいと思う生活のリズムだ。
俺の場合は休日ほどよく寝てしまう…。


判り切っていた事だが、ちー+! のストックが追い詰められている…。
もっと時間が欲しいなぁ。

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